ハッブル、初期宇宙に予想以上のブラックホールを発見
NASA’s Hubble Finds More Black Holes than Expected in the Early Universe

NASAのハッブル宇宙望遠鏡の助けを借りて、ストックホルム大学の科学者が率いる国際研究チームが、初期宇宙でこれまでに報告されたよりも多くのブラックホールを発見した。この新しい結果は、科学者達が超大質量ブラックホールがどのように作られたかを理解するのに役立つ。

現在、科学者達は、ビッグバンから間もなくの、最初のブラックホールが、どのように形成されたかについての全体像を把握出来ていない。ビッグバンから10億年も経たないうちに、太陽の10億倍以上の重さを持つ超大質量ブラックホールが、いくつかの銀河の中心に存在することが知られている。

これらの天体の多くは、これまでに考えられたよりも非常に重いようであり、非常に大きく形成されたか、非常に急速に成長したかの何れかと考えられている。


図: ハッブル宇宙望遠鏡の超深宇宙望遠鏡の新しいイメージ。この比較のイメージを見るには、イメージのリンク先、源ページから。

このフィールドの最初の深いイメージは、2004年に、ハッブル宇宙望遠鏡によって行われた。同じ観測の場は数年後にハッブル宇宙望遠鏡で再び観測され、2023年に再びイメージ化された。2009年、2012年、2023年に撮影されたハッブルの広視野カメラ3の近赤外線露出を比較することによって、天文学者達は、初期の銀河の中心部に超大質量ブラックホールがちらついている証拠を発見した。一つの例が、図の明るいオブジェクトとして表示されている。一部の超大質量ブラックホールは、周囲の物質を常に飲み込むのではなく、はじけて爆発し、明るさをちらつかせている。これは、異なる時代に撮影された、ハッブルの超深視野フレームを比較することで検出できる。この調査では、予測よりも多くのブラックホールが見つかった。

ブラックホールは、全ての銀河のライフサイクルにおいて重要な役割を果たしているが、銀河がどのように進化するかについての理解には大きな不確実性がある。銀河とブラックホールの進化の関連性の全体像を把握するために、研究者達は、ハッブル宇宙望遠鏡を使って、宇宙が現在の年齢の僅か数パーセントのときの暗い銀河の集団の中に、どれだけのブラックホールが存在するかを調査した。

調査領域の最初の観測は、数年後にハッブルによって再び撮影された。これによって、チームは、銀河の明るさの変化を測定することができた。これらの変化は、ブラックホールの明らかな兆候である。チームは、以前に他の方法で発見されたよりも多くのブラックホールを特定した。

今回の観測結果は、一部のブラックホールが、宇宙時間の最初の10億年の間に巨大で原始的な星が崩壊して形成された可能性が高いことを示唆している。 これらのタイプの星は、後の世代の星が生きて死んだ星の残骸によって既に汚染されているために、宇宙の非常に早い時期にのみ存在できる。ブラックホール形成の他の選択肢には、崩壊するガス雲、大質量クラスター内の星の合体、ビッグバン後の最初の数秒で形成された「原始」ブラックホールが含まれる。 ブラックホール形成に関するこの新しい情報によって、銀河形成のより正確なモデルを構築することができる。

天文学者達は、また、NASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を使って、ビッグバンの直後に形成された銀河ブラックホールを探し、その質量と位置を観測している。

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Sept 17, 2024    


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