ハッブル、新しい多波長銀河の視界で道を照らす
Hubble Lights the Way with New Multiwavelength Galaxy View

このNASAとヨーロッパ宇宙機関のハッブル宇宙望遠鏡のイメージに写っている壮大な銀河は NGC 1559 である。地球から約 3500 万光年離れた小網座(constellation Reticulum)にある棒渦巻銀河である。現在のイメージに写っている鮮やかな光は豊かな情報を提供している。

このイメージは、なんと10種類のハッブルイメージで構成されており、それぞれが特定の波長または波長の範囲からの光を集めるようにフィルタリングされている。これは、紫外線から可視光線、また近赤外線スペクトルまでの、ハッブルの光に対する感度に及んでいる。このような広範囲の波長を捉えることで、天文学者達は、銀河のさまざまな天体物理学的プロセスに関する情報を研究することができるが、ここで使用されている656ナノメートルの赤色フィルターはその顕著な例である。電離した水素原子は、 H-α 放出と呼ばれるこの特定の波長で光を放出する。分子雲の中で形成される新しい星は、そのほとんどが水素ガスでできており、その紫外線が吸収することで、その水素ガスがイオン化され、水素アルファ線で光る。ハッブルのフィルターを使用して H-α 光のみを検出すると、 HII 領域と呼ばれる星形成領域を確実に検出する方法が得られる。これらの領域は、このイメージでは、 NGC 1559 のらせん状の腕を埋める明るい赤とピンクの片として見える。

これらの10枚のイメージは、2009年から2024年までの、六つの異なるハッブル観測プログラムから得られたものである。世界中の天文学者達のチームが、電離ガスや星形成の研究から、超新星の追跡、ハッブル定数の計算への貢献としての変光星の追跡まで、さまざまな科学的目標を掲げてこれらのプログラムを提案した。これらすべての観測データは、全てハッブル目録にあり、誰でも利用できる。この目録は、新しい科学を生み出すために定期的に使用されるが、このような壮大なイメージを作成するためにも使用される。この新しい NGC 1559 のイメージは、ハッブルが提供し続けている素晴らしい機会を思い出させてくれる。

ハッブル宇宙望遠鏡の観測に加えて、天文学者達は、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を使って、この銀河の研究を続けている。このウェッブ宇宙望遠鏡は、2月に撮影されたこのイメージで、近赤外線と中間赤外線で銀河の様子を写している。

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Aug , 2024    


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