ハッブル、「失われた銀河」における星団を探す
Hubble Seeks Clusters in ‘Lost Galaxy’

このNASAとヨーロッパ宇宙機関のハッブル宇宙望遠鏡のイメージには、約5,000万光年離れたおとめ座(the Maiden)の渦巻銀河NGC 4535が写っている。小型望遠鏡で見るとこの銀河は非常に薄く見え、「失われた銀河(Lost Galaxy)」というニックネームが付けられている。ハッブルは、直径約2.4メートルの鏡を持ち、地球の光を遮る大気の上に位置していることによって、NGC 4535のような暗い銀河を容易に観測でき、巨大な渦巻きの腕や中央の星の棒などの特徴を識別できる。

このイメージには、NGC 4535の若い星団が写っており、銀河の渦巻き腕に点在している。これらの明るい青色の星の群れの多くを囲んで、輝くピンク色の雲が広がっている。これらの雲はH II(「H-2」)領域と呼ばれ、銀河が、特に若く熱い巨大な星が高エネルギー放射で輝くホームであることを示している。このような巨大な星は、強力な恒星の風で誕生の雲を熱し、最終的には超新星として爆発する。

このイメージは、NGC 4535のような近隣の星形成銀河の約5万のH II領域をカタログ化するための観測プログラムのデータを取り入れている。ハッブルは2021年にNGC 4535のイメージを公開している。2021年のイメージとこの新しいイメージの両方に、若い星と冷たいガスとの関係を理解しようとするPHANGS観測プログラムの観測データが含まれている。今日のイメージでは、巨大な星の誕生から数百万年の間に周囲を取り巻んだ星雲の鮮やかな赤い輝きを捉えており、NGC 4535の理解に新たな次元を加えている。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック(タップ)。

Nov 21, 2025    


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