銀河 GS-NDG-9422

銀河 GS-NDG-9422 (コンパス近赤外線カメライメージ)
Galaxy GS-NDG-9422 (Compass NIRCam Image)

この銀河 GS-NDG-9422 のイメージは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の NIRCam (近赤外線カメラ)機器によって撮影され、コンパス矢印、スケールバー、および参照用のカラーキーとともに表示されている。

このイメージは、可視光の色に変換された光の近赤外線波長を示している。カラー・キーは収集するときに使用されたフィルターを示し、各フィルターの名の色は、そのフィルターを通過する赤外線を表すために使用される可視光の色である。

北と東のコンパス矢印は空におけるイメージの向きを示している。下から見た空の北と東との関係は、我々が一般的に地図上に見る、上から見た地上の地図の方向の矢印に対して反転していることに注意。

縮尺記号は秒角でラベル付けされている。1秒角は、角の1度の 1/3600 に相当する。満月の角直径は約 0.5 度です。空で秒角をカバーするオブジェクトの実際のサイズは、望遠鏡からの距離によって異なる。

 

銀河 GS-NDG-9422 (近赤外線カメライメージ)
Galaxy GS-NDG-9422 (NIRCam Image)

この銀河 GS-NDG-9422 は見過ごされがちである。しかし、このジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)のイメージにかすかにぼやけて見えるものは、実際には、天文学者達に、初期宇宙の銀河の進化を理解するための新たな道筋を示す画期的な発見なのかも知れない。

ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線分光計(NIRSpec)装置が捉えた銀河の化学組成に関する詳細な情報によると、このイメージに写っている光は、星ではなく、銀河の高温ガスから来ていることが分かる。これが、天文学者がこれまでに発見した、光スペクトルの予想外の特徴を説くための最良の説明である。彼らは、銀河の星が非常に高温(摂氏8万度以上)であることから、星雲のガスを加熱し、星自体よりもさらに明るく輝かせていると考えている。

ウェッブ宇宙望遠鏡による銀河の観測に関する新しい研究の著者達は、 GS-NDG-9422 が、ビッグバン後の最初の10億年以内に、初期宇宙における銀河の進化のこれまでにない段階を表している可能性があると考えている。彼らの現在の仕事は、同じ特徴を示す銀河をさらに見つけることができるかどうかを確認することである。

 

銀河 GS-NDG-9422 スペクトラム(近赤外線分光計)
Galaxy GS-NDG-9422 Spectrum (NIRSpec)

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によって収集されたデータとコンピューターモデルの予測とのこの比較は、天文学者アレックス・キャメロンが最初に目を引いたのと同じ傾斜の特徴を強調している。( こちら

下の図は、天文学者達が「典型的な」銀河で見ると予想する光を比較したものであり、その光は主に星から来ており(白線)、熱い星雲のガスから来ている光の理論モデルでは星を凌駕している(黄色の線)。このモデルはキャメロンの共同研究者である理論天文学者のハーレー・カッツによるものであり、彼らは一緒になって、モデルとキャメロンの銀河 GS-NDG-9422 のウェッブの観測との類似性を認識した。銀河のスペクトルの異常な減少は、中性水素の誇張されたスパイクにつながり、過熱ガスが支配的なスペクトルのカッツのモデルとほぼ完全に一致している。

これはまだ一例に過ぎないが、キャメロン、カッツと彼らの同僚の研究者達は、銀河 GS-NDG-9422 が、星の光ではなく星雲の光によって支配されているという結論が、将来の調査のための最も強力な出発点であると考えている。彼らは、宇宙の歴史の中で同じ10億年前後の銀河をさらに探しており、銀河の進化の歴史に欠けている新しいタイプの銀河の例をさらに見つけることを期待している。

 

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Sept 26, 2024    



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