ケンタウロス29P
(Centaur 29P)

ケンタウロス 29P ガス流出(アーティストの印象)
Centaur 29P Outgassing (Artist's Concept)

ケンタウロス 29P /シュバスマン・バッハマン1(Centaur 29P/Schwassmann-Wachmann 1)のガス放出活動を横から見たアーティストのコンセプト。以前の電波波長観測では、一酸化炭素(CO)ガスからなるジェットが地球に向けられていることが注目されていた(この角度では左から)。

天文学者達は、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のスペクトル機能を使って前方のジェットの構成をマッピングし、ケンタウロスの核から噴出するさらに三つのジェットを発見した。ガスが北と南の方向を打ち、別の CO2 のジェットが北に向かって噴出している。ウェッブのデータは、ケンタウロス 29P の CO2 の初めての決定的な検出を示した。

科学チームのモデル化作業によって、ケンタウロスの核のさまざまな領域にジェットの位置が分散していることが明らかになった。ジェットの角度は、原子核が二つの異なる物体が一緒になったときに形成された二葉構造を持っている可能性があることを示唆しているが、依然として他のシナリオも検討されている。

 

ケンタウルス 29P ガス流出(近赤外線分光計)
Centaur 29P Outgassing (NIRSpec)

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、太陽系外縁部で最も活発な天体の一つであるケンタウロス 29P /シュバスマン・バッハマン1を観測した。ケンタウロスは、カイパーベルト貯蔵庫と短期彗星と、海王星外縁天体との特徴を共有しているという意味で「ハイブリッド」天体である。

科学者達のチームは、ウェッブの NIRSpec (近赤外線分光器)装置を使用してケンタウロス 29P を調査した。ケンタウルス 29P の以前の電波波長観測のデータでは、一酸化炭素(CO)ガスのジェットが地球に向けていることが示されていたが、ウェッブ宇宙望遠鏡はジェットの組成をより詳細に解析し、 CO2 の二つのジェットが北と南の方向に発せられ、もう一つの CO のジェットが北を指しているという、ケンタウロスのこれまでに見たことのない複数の特徴も検出した。

ケンタウロス 29P の CO と CO2 の存在量の異なりは、この天体が形成中に合体した異なる断片で構成されている可能性があることを示唆している。しかしながら、ケンタウロス 29P のガス放出活動を説明する他のシナリオは依然として検討されている。

 

<ひとこと>:ブログへ戻るときは“戻るキー”または右下の“ BLOG ボタン”から。 大判はそれぞれのイメージをクリック。

Oct 02, 2024    



 リストへ   ブログへ戻る。