NASAでは今後2020年までに再び人間を月に送るとともにその後月面に宇宙基地を建設する計画を立てています。この「月偵察軌道船・月クレータ観測探知衛星」はこの計画を実現に移す最初の工程であり、宇宙船が着陸するに適した、また将来人間が居住できる環境を“直接”調査することを第一の目的としています。月偵察軌道船(LRO)は月の周辺軌道を周って月面を広く調査し、月クレータ観測探知衛星(LCROSS:エルクロス)は恒久的に日陰になっている(永久影)南極地方のクレータに衝突して飛び散った噴煙から水などの資源の存在の可能性を探ることを目的としています。月クレータ観測探知衛星は2009年10月の突入を予定しており、以降は月偵察軌道船のみとなりますので、このコーナーは月偵察軌道船(LRO)を代表させています。なお、今回のルナ・リコネッサンス・オービタ(月偵察軌道船)はNASAでは1998年1月に打上げられたルナ・プロスペクター以来の月への挑戦です。
<お断り>: 米国では前ブッシュ政権時代にかってのアポロ計画に続いて月に人間を再派遣する方向で準備を進めてきましたが、その後の宇宙開発経費の膨大な支出と計画の遅延もあって、2010年4月バラク・オバマ大統領は、2025年までに月を越えた宇宙への有人の旅を、2030年までに火星軌道への往復の有人の旅を進める予算を保障する指針を示しました。
このコーナーの月偵察軌道船(LRO:Lunar Reconnaissance Orbiter)は本来人間を月に送るための最適地を選定することを第一の目的にしてきました。この軌道船の探査が無駄になることはありませんが、本来の計画が異なってきましたので当面様子を見ることとし、方向が明確になるまで「特別な記事を除いて」掲載を休止します。
これまでに掲載し削除した記事:2010年2月1日以前の記録、月偵察軌道船 1~2
NASAの月偵察軌道船(LRO:Lunar Reconnaissance Orbiter)および月クレータ観測探知衛星(LCROSS:Lunar Crater Observation and Sensing Spacecraft)は同じアトラスⅤロケットに積まれて月に向かった。月偵察軌道船は将来の宇宙飛行士達のための潜在的なランディングサイトを捜して月の周辺軌道を周る。一方月クレータ観測探査衛星は月の極の水の証拠を舞い上がらせ水を探知するために日陰になっているクレータと空となった上段を衝突させるように導くだろう。月クレータ観測探査衛星自身もまたその調査の間に月面に衝突するだろう。月との衝突は2009年10月が予定されている。
宇宙の無限の辺境で生き残るために我々は月で技術を開発する。なぜなら月は有害な放射能、帯電したダスト、極端な温度など我々が宇宙の至る所で遭遇するであろう同じ挑戦を提供するからである。
宇宙飛行士達が長期間月への遠征に備えて準備するのに役立つであろう月の環境に関する決定的なデータを集めるために、また地球からの遠征にとって最も安全な方法を発見するために、NASAは最初に月偵察軌道船と呼ばれるロボット偵察機を送る。宇宙船は月面の上約50キロメートルの低い極軌道で少なくとも1年を過ごすだろう。一方その7台の機器は、安全な着陸地点を発見し、潜在的な資源を探し、放射環境の特性を示し、また新しい技術をテストする。
以下の7台の機器は我々に月の地形や資源の最も包括的な地図を与えるために機能するだろう。