10月1日(水):
火星の遠景を昼のように鮮明に捉える (パーサビアランス)
「浮遊岩(Float rocks)」、砂の波紋、広大な距離は、この6輪の科学者による、最新の高解像度パノラマの光景の一つである。
NASAのパーサビアランス火星探査機のイメージングチームは、火星の晴れた空を利用して、これまでのミッションで最も鮮明なパノラマの1つを撮影した。科学チームが「ファルブリーン(Falbreen)」と呼ぶ場所で撮影された96枚の画像をつなぎ合わせたこの合成に映るのは、砂の波紋、2つの地質の境界線、そして65キロメートル離れた丘の上に横たわっているように見える岩である。強化された色のバージョンでは、火星の空が驚くほど澄み、一見青くなっているが、自然色のバージョンでは赤みがかっている。
探査車のマストカメラ(Mastcam-Z)装置は、2021年2月にジェゼロ・クレータのフロア床でカウントが始まった、パーサビアランスの火星日1,516(2025年5月26日)にこのイメージを撮った。パーサビアランスは、昨年末に、このクレータ縁の頂上に到達した。
科学チームの注意を引いた詳細の 1 つは、探査車から約4.4 メートル離れた、中心の右側にある暗い三日月形の砂の波紋の上に見える大きな岩である。地質学者達は、このタイプの岩石が別の場所で形成され、現在の場所に運ばれた可能性が高いために「浮遊岩」と呼んでいる。これが地滑り、水、風によって到着したかどうかは明らかでないが、科学チームは砂の波紋が形成される前にここに到達したのではないかと考えている。
中央のすぐ左、画像の下部近くにある明るい白い円は摩耗の片である。この幅5センチメートルの浅い片は、火星に着陸して以来43回目にローバーのドリルでつくられ、チタンサンプルチューブの 1 つに保管するコア・サンプルを掘削するか否かを決定する前に、この風化した岩石の表面の下に何があるかを確認できる。
探査車は5月22日にこの研磨を行い、2日後にアームに取り付けられた機器で、火星の岩石と土壌の詳細な分析を行った。このファルブリーン(Falbreen)は、パーサビアランスがこれまでに探査した中で最も古い地形の一部であり、おそらくジェゼロ・クレータよりも古い地形の中にある。
ローバーのその場所までの道のりを合成の右端に向かって見ることができる。それらは約90メートル離れたところで左に曲がり視界から消えている。
合成の半分強で、一方の端からもう一方の端まで明るい色調の岩から暗い色調の岩への移行が見られる。探査車に近い平らで明るい色の岩石には「かんらん石」が豊富に含まれており、遠くにある暗い岩石ははるかに古い粘土を含む岩石であると考えられている。
<ひとこと>: この合成では、火星の空が地球の晴れた日のように見えていますが、実際の火星は、右下のように赤みがかった曇った色で見えます。大判はイメージをクリック。
Aug 06, 2025