このページではNASAの各機関が発表する科学記事を中心に、欧州宇宙機構(ESA)、国内関連機関などの主要な科学記事を掲載しています。国内記事を除きリンク先は英文です。
なお、人名・地名・機器の名前などの固有名詞の“日本語読み”には誤りがあるかもしれません。

 
<9月24日(火)>
  1. チャンドラ、小川を横切る銀河団を発見 (Chandra)

    NASAのチャンドラX線天文台を使用している天文学者達は、銀河団に二つの過熱ガスの流れが交差しているのを発見した。この結果は、川を横断する新しい構造が作られる可能性があることを示している。

    研究者達は、 Zwicky 8338 と呼ばれる銀河団内の銀河の後ろに、160万光年以上の長さに及ぶ巨大な彗星のような高温ガスの尾を発見した。この尾では、銀河が突き進んでいる高温のガスによって、ガスの一部が剥ぎ取られたときに発生し、二つつの流れに分かれている。

    これは、このシステム内の銀河の後ろに引きずられる、2番目の尾のペアである。以前、天文学者達は、この最新の銀河の近くにある別の銀河から、短い一対の尾を発見した。この新しく長い尾のセットは、チャンドラの深い観察によって、より暗いX線が明らかになったためだけに見られた。

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  2. NASA、非常に正確な日食マップを作成するプロセスを開発

    NASAの新しい研究が、月が地球の表面を横切るときの月の影の予測経路をプロットする、非常に正確な日食マップを生成するプロセスを明らかにしている。日食の計算では、伝統的に、全ての観測者達が地球の海面にいて、月はその重心を中心に完全に対称的な滑らかな球体であると仮定している。そのため、これらの計算では、地球上のさまざまな高度や、クレータ状の不均一な表面は考慮されていない。

    更に正確な地図を作るために、人々は月の縁(地球から見た月の可視面の端)の標高の表とプロットを採用できる。今では、NASAの月探査軌道船(LRO:Lunar Reconnaissance Orbiter)観測によるデータを取り入れることで、日食の計算精度がさらに向上している。

    ゴダード宇宙飛行センターの研究者は、LRO の標高マップを使用して、月の影が地球上を通過するときに連続的に変化する月の縁のプロファイルを作成した。月の円盤の端に沿った山や谷は、皆既日食のタイミングと持続時間を数秒影響する。また、NASAのデータセットを使って地球の標高マップを提供し、日食観測者の位置が実際の高度で描かれるようにした。

    その結果、これまでに見たことのない、正確な月の縁と地球の地形の両方の影響を伴う、時間の変化を伴う、月の影の真の形が明らかになった。

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  3. 渦巻銀河 NGC 521 (すばる望遠鏡)

    くじら座の方向にあるこの棒渦巻銀河は、真正面を向いており、中心からバルジ、ダストリング、棒構造、そして外に大きく広がる渦巻構造がはっきり見えます。渦巻構造の中には、ダスト(ちり)が銀河円盤内に集積して濃くなっているダストレーン(暗黒帯)もよく見えています。中心部のバルジや棒構造は赤っぽく、若い星々が多い渦巻は青っぽく、色の違いも見られます。私たちが住む天の川銀河(銀河系)も棒渦巻銀河だと考えられていますが、外から見たらこんな風に見えるのでしょうか。

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<9月17日(火)>
  1. NASA、探査イニシアチブのための月面標準を開発

    NASAは、4月のホワイトハウスからの政策指示を受けて、米国政府の利害関係者、パートナー、国際標準化団体と協力して、調整された月時(LTC)を確立する。同機関の宇宙通信・航法(SCaN)プログラムは、調整された時間を作り出す取り組みを主導しており、これにより、太陽系の他の場所に拡張可能な将来の月面生態系が可能になる。

    月の時間は、科学者達が地球の世界的に認められた協定世界時(UTC)を計算する方法と同様に、月の原子時計の加重平均によって決定される。現在の分析では、月の表面に置かれた原子時計が1日あたりマイクロ秒ずつ速く「時を刻む」ように見えることが示されているために、月の正確な場所はまだ決定されていない。マイクロ秒は100万分の1秒である。NASAとそのパートナーは、現在、月の時間を確立するためにどの数学的モデルが最適かを研究している。

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<9月12日(木)>
  1. ボイジャー1号チームがトリッキーなスラスター交換を実現 (Voyager 1)

    双子のボイジャーは1977年から飛行し、太陽系の外側の領域を探査している。宇宙船は推進装置を使って地球を向けているが、宇宙で47年が経過した今、一部の燃料チューブが詰まってしまった。ボイジャー1号探査機に取り組んでいるエンジニア達は、宇宙船の推進装置の問題を軽減した。推進装置は、遠方の探査機を地球に向け、コマンドを受信し、エンジニアリングデータを送信し、収集している独自の科学データを提供できるようにしている。

    47年後、推進装置内部の燃料チューブは、燃料タンクのゴム製ダイヤフラムから経年劣化とともに現れる副産物、二酸化ケイ素で詰まっている。目詰まりは、推進力を生成する効率を低下させる。何週間にもわたる慎重な計画の後、チームは宇宙船を別のスラスターセットに切り替えた。

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  2. 15年前:日本が初の宇宙ステーション補給ミッション「HTV-1」を打ち上げる

    2009年9月10日、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、初の貨物輸送機である H-II 補給機1号機(HTV-1)を国際宇宙ステーションに向けて打上げた。 HTV 貨物船は「こうのとり」とも呼ばれ、「きぼう」日本実験棟のメンテナンスだけでなく、宇宙ステーション全体に与圧・非与圧の貨物やペイロードを供給した。宇宙ステーションとのランデブーに続いて、第20次長期滞在の宇宙飛行士達は、9月17日に HTV-1 を補足して接続し、翌月、 9,900 ポンドの内外の貨物を宇宙ステーションに移し、 HTV-1 をゴミや不要な機器で満たした。宇宙船は10月30日に切り離され、地上管制官は11月1日に破壊的な地球大気への再突入を命じた。

    HTV は、2011年に引退するまで、NASAのスペースシャトル、ロスコスモスのプログレス、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の自動搬送宇宙船(Automated Transfer Vehicle)などとともに、当時の貨物船の一部を形成した。

    --- 以下略。

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  3. SUNRISE-Ⅲ/SCIP観測結果およびデータ回収について (国立天文台)

    2024年7月10日にエスレンジ宇宙センター(スウェーデン)から打ち上げられたSUNRISE-Ⅲは、6日間にわたって高度35kmの成層圏を飛翔し、7月16日にカナダ北西部に無事に着陸しました。成層圏の安定した環境により、SCIPを含む3つの観測装置全てで非常に高品質な太陽観測データの取得に成功しました。

    24時間体制で科学運用を実施するため、マックスプランク研究所(ドイツ)の運用拠点に加え、国立天文台三鷹キャンパスにリモート運用室を設置しました。太陽黒点から太陽フレアまで様々なターゲットを観測することに成功し、膨大な観測データは回収チームにより確保され、既に国立天文台に輸送されています。1年後には世界中の研究者が科学データを活用できるように、今後データ処理および較正が行われる予定です

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<9月9日(月)>
  1. 明かされつつある太陽系外縁の構造 -すばる望遠鏡とニューホライズンズの20年の挑戦- (すばる望遠鏡)

    地上からカイパーベルト天体を観測すると、小さい太陽位相角(太陽―天体―観測者を挟む角)でしか観測できません。一方、カイパーベルトにいる探査機からカイパーベルト天体を観測すると、さまざまな位相角で同じ天体を観測し、その反射特性を調べることで、天体の表面状態を推定することができます。これはニューホライズンズにしかできないことです。

    しかし、探査機に搭載されている視野の狭いカメラでは、探査機自らがカイパーベルト天体を発見することはできません。ここで活躍するのがすばる望遠鏡です。すばる望遠鏡が広視野のカメラでカイパーベルト天体をたくさん見つけ出し、その中から、探査機がフライバイできる天体と探査機から観測できる天体を絞り込んでいきます。このニューホライズンズとすばる望遠鏡の協力は 2004年に始まりました。

    2004年から 2005年にすばる望遠鏡の主焦点カメラ Suprime-Cam(シュプリーム・カム)による観測を行った時、探査機の軌道の関係から、カイパーベルト天体を探す視野は天の川銀河の中心方向にありました。背景星が多い中での天体探しは困難を極めましたが、24 個のカイパーベルト天体を発見することができました。

    残念ながら、この観測で見つかったカイパーベルト天体は、探査機の燃料の制限によりフライバイの候補にならなかったのですが、もっと遠くにある新しい天体ならば、ニューホライズンズの残りの燃料で到達できるかもしれません。2020年からはすばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ Hyper Suprime-Cam(ハイパー・シュプリーム・カム;HSC)を使ったより深い観測が始まり、2023年までの観測で 239 個のカイパーベルト天体が発見されました。

    <ひとこと>: この記事は重要な記事なので「今日の宇宙」にも掲載してあります。大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

  2. くらげ銀河 NGC 3312 & NGC 3314 (すばる望遠鏡)

    うみへび座銀河団に属するふたつのくらげ銀河 で、中央やや上にあるのが NGC 3312 で、やや下にあるのが NGC 3314 です。いずれの銀河も、くらげの触手のような淡いフィラメント状の構造が右下に向かって出ています。これは、これらの銀河が銀河団ガスの中を運動する際に受ける「風」によって、渦巻銀河の円盤からガスが剥ぎ取られてできた構造です。珍しいくらげ銀河がふたつ並んで写っている、貴重な画像です。

    実は下の NGC 3314 は、ふたつの渦巻銀河が衝突しているように見えますが、距離の異なる銀河が地球から見てたまたま視線上に重なっているだけで、重力相互作用していません。「くらげ銀河」として見えているのは、手前にあり正面を向いている NGC 3314a で、斜めに見えているもうひとつの渦巻銀河 NGC 3314b は後ろ側にあります。

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  3. Discovery×JAXA「スペースラボ2024」 全国5都市開催 (JAXA)

    iscovery×JAXA 「スペースラボ2024」は、全国5都市、合計2,000名の親子が無料で参加できるイベントです。

    未来に活躍する子どもたちとその保護者を対象に Discovery×JAXA 「スペースラボ2024」を今年9月から翌年1月にかけて全国5都市(東京・大阪・愛知・北海道・福岡)で開催します。

    主催:ディスカバリー・ジャパン合同会社
    共催:JAXA 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
    協力:株式会社 帯広シティーケーブル(札幌会場協力)
    協賛:株式会社ヤクルト本社

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<9月2日(月)>
  1. NASA、念願の地球の電場を発見する

    科学者達の国際チームは、NASAの弾道ロケットからの観測を使って、地球にとって重力と磁場と同様に基本的であると考えられている惑星全体の電場の初めての測定に成功した。科学者達は、60年以上前に、地球の大気がどのように地球の北極と南極から逃げるかという仮説を立てた。NASAのロケットからの測定によって両極場の存在が確認され、その強度が定量化され、大気圏の脱出を促進し、電離層(上層大気の層)をより広く形成する役割が明らかになった。

    地球の大気の複雑な動きと進化の理解は、その歴史への手がかりを提供するだけでなく、他の惑星の謎についての洞察も提供し、どの惑星が生命にとって住みやすいかを判断するのに役立つ。

    この論文は、8月28日のネイチャーに掲載された。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は動画 YueTube です。

  2. 太陽軌道船、太陽風が磁気を押す方法を示す

    ヨーロッパ宇宙機関の太陽軌道船が、太陽風を熱し加速するためにエネルギーがどこから来るのかという数十年にわたる疑問に答えるための重要なデータを提供した。NASAのパーカー太陽探査機と連携して、この軌道船は、この流出のために必要なエネルギーが、太陽の磁場の大きな変動から来ていることを明らかにした。

    太陽風は、太陽大気(コロナと呼ばれる)から逃げて地球を通り過ぎて流出する荷電粒子の絶え間ない流れである。「高速の」太陽風は、時速500 km、つまり時速180万キロメートルを超える速度で移動する。不思議なことに、この風は太陽のコロナからゆっくりと出るので、遠ざかるにつれて何かが加速する。100万度の風は、山に登るときの地球上の空気のように、より大きな体積に拡大して密度が低くなるにつれて自然に冷える。それなのに、この効果だけでは予想以上に冷え込んでしまう。

    速い太陽風は、秒速500キロメートルを超える速度で移動し、なんと、時速では180万キロメートルに相当する。不思議なことに、この風は太陽のコロナからゆっくりと出るので、遠ざかるにつれて何かが加速する。100万度の風は、山に登るときの地球の空気のように、より大きな体積に拡大して密度が低くなり自然に冷える。それなのに、この効果だけでは予想以上に冷え込んでしまう。

    では、太陽風の最速の部分を加速し、加熱するために必要なエネルギーを提供するものは何なのだろう?? ヨーロッパ宇宙機関の太陽軌道船とNASAのパーカー太陽探査機からのデータは、その答えがアルベン波として知られる太陽の磁場の大規模な振動であるという決定的な証拠を提供した。

    <ひとこと>: 大判はイメージをクリック(タップ)。kuria

  3. ブラックホールに吸い込まれる降着円盤の乱流構造を解明 ─ 最先端スパコンによる超高解像度シミュレーションで実現 ─ (国立天文台)

    ブラックホールは降着円盤と呼ばれる回転するガスに取り囲まれており、このガスは複雑な乱流状態にあります。しかし、その性質は長年謎に包まれていました。
    東北大学学際科学フロンティア研究所(FRIS)の川面洋平助教(現・宇都宮大学データサイエンス経営学部准教授および東北大学大学院理学研究科客員研究員)とFRISの木村成生助教(同大学院理学研究科兼務)は、理化学研究所の「富岳」や国立天文台の「アテルイII」などのスーパーコンピュータを駆使して従来にない極めて高解像度のシミュレーションを実施し、降着円盤の乱流が持つ物理的性質を明らかにしました。
    特に注目すべきは、大きな渦と小さな渦をつなぐ「慣性領域」において「遅い磁気音波」と呼ばれる縦波が支配的に存在することを発見したことです。この発見により、降着円盤内でなぜ電子よりプラス電荷のイオンの方が効率的に加熱されるのかという観測事実の理論的説明が可能になりました。この研究成果は、2019年4月にブラックホールの影の撮影成功を発表したイベント・ホライズン・テレスコープによる観測データの解釈にも重要な示唆を与えるものです。
    本研究成果は科学誌Science Advancesに2024年8月28日(米国東部夏時間)付で掲載されました。研究成果の詳細は東北大学プレスリリースをご覧ください。(2024年8月29日掲載)

    <ひとこと>: 記事の詳細はヘッドラインからご確認ください。

  4. 宇宙の夜明けに踊るモンスターブラックホールの祖先 (すばる望遠鏡)

    愛媛大学や国立天文台などの研究者から成る研究チームは、すばる望遠鏡の超広視野カメラ HSC を用いた宇宙の大規模探査データを詳しく解析しました。すばる望遠鏡の大集光力を発揮したこの探査(HSC-SSP)は、他の望遠鏡による大規模探査に比べて格段に高感度で、暗い天体まで検出することができます。その結果、およそ 128 億光年彼方、すなわち宇宙年齢がまだ9億歳の「宇宙の夜明け」と呼ばれる時代において、非常に低光度なクエーサー(同じ時代の高光度クエーサーに比べて数 10 倍〜 100 倍程度暗い)が2つ隣り合って並んでいる領域を発見したのです(2024年6月17日 ハワイ観測所 観測成果)。これは、このような「ペアクエーサー」の最遠方記録です。また、とても暗いため、超巨大ブラックホールの成長が本格化する前段階、つまり銀河合体の前段階の天体だと期待されました。

    今回、アルマ望遠鏡を用いてこの天体を観測し、クエーサーを含む銀河の状態を調べたところ、2つの銀河は互いに影響し合っており、近い将来に確実に合体して1つの銀河になることが分かりました。銀河が持つ星間物質が大量であるため、合体後に爆発的な星形成を起こすことや、星間物質を飲み込んだ超巨大ブラックホールが高光度クエーサーとして輝くことが可能です。高光度クエーサーと、それを持ち爆発的に星形成を起こす銀河となる前段階の天体を、初めて同定したことになります。

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<8月28日(水)>
  1. ステーション科学トップニュース:2024年8月23日

    研究者達は、 国際宇宙ステーションで4週間培養した細菌から、セルロースを製造することに成功した。実験で使用された細菌 K.hansenii は、セルロースを最も多く生産することが知られており、建築、衣類、エネルギー供給に使用される材料の開発を支援するために、微小重力下での大規模生産が考えられる。

    研究者達は、微小重力下での水中油型エマルジョンの二つの特性(すなわち、液滴のサイズと一定の速度と方向での液滴の変位)を研究し、油滴が時間とともに成長する一方で、液滴の変位は減少することを発見した。これは、沈降もクリーミングも起こらない微小重力下での予想外の観測だった。これらの結果は、地球上の工業プロセスに関連する流体力学の知識を向上させ、宇宙探査のための技術を可能にする可能性がある。

     大判イメージは省略。

  2. カシオペアAそして宇宙:チャンドラX線科学の25年 (Chandra)

    1999年8月26日、NASAのチャンドラX線天文台は、軌道上で強力な望遠鏡の目を開き、地球から約 11,000 光年離れた超新星残骸、カシオペアAの畏敬の念を抱かせる「ファーストライト」イメージを撮った。その最初の観測は、それまでのX線望遠鏡で観測されたものよりもはるかに詳細で、史上初めて、巨大な恒星の爆発の後に残された中性子星さえも明らかにした。

    25年後、チャンドラはその独創的な発見の瞬間を何度も繰り返し、これまでに、中性子星、クエーサー、超新星残骸、ブラックホール、銀河団、その他の高エネルギーの天体やイベントについて、地球から130億光年も離れた場所を、約 25,000 回も詳細な観測を行ってきた。

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  3. 小型月着陸実証機(SLIM)の月面活動の終了 (JAXA)

    国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、小型月着陸実証機(SLIM)と2024年4月28日に通信して以降、5月から7月の運用機会(※)において探査機との通信を確立できなかったことから、8月23日22時40分(日本標準時)の停波運用をもって、SLIMの月面での運用を終了しました。

    SLIMは、2023年9月7日に種子島宇宙センターからH-IIAロケット47号機で打ち上げられ、2024年1月20日に日本で初めて月面軟着陸に成功しました。その着陸性能は、着陸目標点からの位置誤差10m程度以下と評価できたことから、世界初となるピンポイント着陸に成功したことを確認しました。また、マルチバンド分光カメラ(MBC)による10バンド(波長)の分光観測は当初の想定を超えて10個の岩石に対して実施することができました。さらに、ミッションとしては計画していなかった越夜後の探査機動作も3回にわたって確認されるなど、所期の目標を上回る成果を収めました。

    SLIMの詳細な成果については今後総括を行い、別途報告する予定です。

    SLIMの開発・運用にご協力・ご支援をいただきました関係各方面並びにSLIMを応援してくださった皆様に深甚の謝意を表します。

    <ひとこと>: イメージはありません。

 
<8月26日(月)>
  1. NASA、長期ミッションでのクルーのパフォーマンスを支援するための研究に資金を提供

    NASAは、長期の宇宙飛行ミッション中に乗組員の健康とパフォーマンスを、どのように維持するか理解するために、11の新しい研究に資金を提供している。受賞者達は、宇宙飛行士からのサンプルやデータを必要とせずに、地球上で研究を完了することができる。

    これらの研究は、宇宙飛行中に宇宙飛行士が遭遇する可能性のある、身体的および精神的課題に対する生理学的および心理的反応を測定するのに役立つ。このプロジェクトは、チームのパフォーマンス、コミュニケーション、生活環境、意思決定、血流、脳の健康に関連する多数の宇宙飛行のリスクに対処する。この情報によって、NASAは、リスクをより適切に軽減し、月や火星、そしてその先への将来の長期ミッションで宇宙飛行士の健康とパフォーマンスを保護することができる。

    11のファイナリストは、NASAの「統合した再検討と評価システムの要求と提案(Solicitation and Proposal Integrated Review and Evaluation System)を通じて、123の提案から選ばれた。選ばれた提案は10の機関から、賞金総額は約 1,460 万ドル、プロジェクトの期間は1年から5年である。

    <ひとこと>: イメージは省略

  2. ついに解明!超巨大ブラックホールの成長メカニズムと銀河中心の物質循環 (ALMA:国立天文台)

    国立天文台の泉拓磨助教を中心とする国際研究チームは、アルマ望遠鏡を用いて、近傍宇宙にあるコンパス座銀河を約1光年という非常に高い解像度で観測し、超巨大ブラックホール周辺わずか数光年の空間スケールでのガス流とその構造を、プラズマ・原子・分子の全ての相において定量的に測定することに世界で初めて成功しました。その結果、超巨大ブラックホールへ向かう降着流を明確にとらえ、降着流が「重力不安定」と呼ばれる物理機構により生じていることをも明らかにしました。さらに、降着流の大半はブラックホールの成長には使われず、原子ガスか分子ガスとして一度ブラックホール付近から噴き出た後に、ガス円盤に舞い戻って再びブラックホールへの降着流と化す、あたかも噴水のようなガスの循環が起きていることも分かりました。超巨大ブラックホールの成長メカニズムの包括的な理解に向けた重要な成果です。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は動画(Youtube)です。

  3. NASA、JAXAと小惑星ベンヌのサンプルを共有

    NASAは、小惑星のサンプルの交換の一環として、 OSIRIS-REx ミッションで採取した小惑星ベンヌのサンプルの一部を、JAXAに譲渡した。このサンプルは、8月22日に、JAXAの相模原キャンパスで行われた式典で、NASAの職員から正式に手渡された。

    <ひとこと>: 大判イメージは省略。記者会見模様(JAXA、YouTube)は こちら から。

  4. JAXA商業デブリ除去実証フェーズIIにかかるパートナーシップ型の契約を締結 (JAXA)

    2024年(令和6年)8月20日      
    国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

     宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)は、「商業デブリ除去実証(CRD2:Commercial Removal of Debris Demonstration)」フェーズIIの契約相手方として、株式会社アストロスケールを選定し、パートナーシップ型の契約(※1)を8月20日に締結いたしました。

     CRD2は持続的な宇宙活動の実現のため、スペースデブリ(宇宙ゴミ)除去を新規宇宙事業として拓くことを目的として、二段階(フェーズI、フェーズII)で進めております。フェーズIにおいては、デブリ除去のキー技術である、非協力的なターゲット(※2)への接近、近傍制御と、デブリの運動状態や損傷・劣化の状況を把握するための画像データの取得を行いました(※3)。フェーズIIでは、フェーズIで得られた技術や知見等を活かし、世界初の大型スペースデブリ除去の軌道上実証等を行う計画です。

     JAXAは、CRD2を通じ、新規宇宙利用事業の開拓、わが国の民間事業者の国際競争力の獲得、そして持続的な宇宙活動の実現に貢献してまいります。

    (※1)CRD2フーズIIは、フェーズIと同様に、民間事業者の自立・国際競争力確保を促す試みとして、民間事業者が自身の事業戦略に基づき主体的に宇宙機開発・技術実証を行い、JAXAがそれに対して技術的な支援(JAXAの研究開発成果および技術アドバイスの提供、試験設備の供用等)を行うパートナーシップ型の契約により実施いたします。

    (※2)スペースデブリは、それ自身が軌道決定・姿勢制御能力および捕獲されるためのインターフェース等を有していないため、捕獲する側からみて「非協力的なターゲット」です。そのため、これに接近し、近傍制御(スペースデブリの近傍で位置・姿勢を制御すること)を行うことは、それを想定してあらかじめ設計された宇宙機同士でのランデブ・ドッキングに比べてはるかに困難な技術です。

    (※3)プレスリリース『商業デブリ除去実証フェーズI「定点観測」の画像を公開』
        プレスリリース『商業デブリ除去実証フェーズI「周回観測」の画像を公開』
       (参考)「商業デブリ除去実証」

 
<8月23日(金)>
  1. コペルニクス軌道設計・最適化システム

    コペルニクスは、一般化された宇宙船の軌道設計および最適化システムであり、惑星または月心軌道、秤動点軌道、惑星-月の移動とツアー、およびあらゆる種類の惑星間および小惑星/彗星ミッションなど、幅広い軌道問題を解決することができる。2024年8月13日:コペルニクス Version 5.3.2 を公開した。

    開発:
    コペルニクス・プロジェクトは、2001年8月にテキサス大学オースティン校でスタートした。2002年6月、NASAのジョンソン宇宙センタ(JSC)からの助成金を利用して最初のプロトタイプを開発し、2004年8月に完成した。その間、NASAの宇宙推進プログラムとゴダード宇宙飛行センタのフライトダイナミクスビークル部門からも支援を受けた。最初の運用バージョンは、2006年3月に完成した (v1.0)。最初の開発チームは、セザール・オカンポ博士とテキサス大学オースティン校航空宇宙工学・工学機械学部の大学院生で構成されていた。2007年3月以降、コペルニクスの主な開発は JSC のフライトメカニックスおよび軌道設計部門で行われている。

    コペルニクスの依頼:
    1958年の米国航空宇宙法とそれに続く一連の法律により、連邦政府が所有または独自に開発した技術の移転は国家の優先事項であり、各連邦機関の使命であると認識された。この法律は、各連邦機関が正式な技術移転計画を持ち、国家の利益のための技術の商業的およびその他の応用を目的として、民間部門および州および地方政府に技術を移転する積極的な役割を果たすことを特に義務付けている。NASAの義務化に関する法律に基づき、JSC は、米国政府の目的ライセンスに基づき、他のNASAのセンター、政府請負業者、大学がコペルニクスを無償で利用できるようになっている。コペルニクスの入手に関心のある組織は こちら から。

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  2. クジラ銀河(NGC 4631)とホッケースティック銀河(NGC 4656) (すばる望遠鏡)

    りょうけん座の方向にあるクジラ銀河は、私たちの住む天の川銀河(銀河系)やお隣のアンドロメダ銀河に比べて小さく、そして周りの銀河と激しく影響し合っている特殊な環境にいる渦巻銀河です。画面の左下に見えるホッケースティック銀河と共に形が崩れていることから、お互いに物理的に影響し合っていることが推測できます。このふたつの銀河は、まさに今衝突合体し、さらに大きな銀河へと進化し始めている途中なのかもしれません。一度に広い空の領域が撮れる超広視野主焦点カメラ ハイパー・シュプリーム・カム(HSC)により、このふたつの銀河を同時に観測することができました。

    【地球からの距離】約 2500 万光年
    【観測装置】Hyper Suprime-Cam (HSC)

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  3. すばる望遠鏡25周年特設サイト (すばる望遠鏡)

    すばる望遠鏡は、1999年1月にファーストライトを行い、 2024年に 25 周年を迎えました。この特設サイトでは、25周年を記念する様々なイベントを紹介していきます!

    <ひとこと>: イメージのリンク先は動画(Youtube)です。

 
<8月19日(月)>
  1. NASAの望遠鏡、ブラックホールのスナックスケジュールを解決 (Chandra)

    NASAのチャンドラX線天文台とニール・ゲーレルス・スウィフト天文台とヨーロッパ宇宙機関の XMM-Newton からの新しいデータを使用することによって、研究者達のチームは、超大質量ブラックホールが、いつ、どのように物質を取得し、消費するかを理解する上で重要な前進を得た。

    このアーティストの印象は、 AT2018fyk と呼ばれるシステムのブラックホールによって部分的に破壊された星を示している。 AT2018fyk の超大質量ブラックホールは、太陽の約5千万倍の質量を持ち、地球から約8億6千万光年離れた銀河の中心にある。

    天文学者達は、ある星が AT2018fyk のブラックホールの周りを非常に楕円の軌道を回っているために、ブラックホールから最も遠い接近点が最も近い点よりもはるかに大きいと判断した。最接近時には、ブラックホールからの潮汐力が恒星から物質を引っ張り出し、「恒星の残骸」の潮汐の尾を二つつくり出す。--- 中間略

    研究者達は、2018年に AT2018fyk に注目し、光学式地上調査 ASAS-SN がシステムの明るさが大幅に高まったことを検出した。NASAの NICER と Chandra 、および XMM-Newton で観測した後、研究者達は、明るさの急上昇は、ブラックホールに接近しすぎたために星が完全に引き裂かれ、部分的に摂取されたことを示す「潮汐破壊イベント」によるものであると判断した。

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  2. より良い予報の準備を整え、北極圏気象衛星が打ち上げられる

    ヨーロッパ宇宙機関の北極圏気象衛星が打上げられ、北極圏諸国だけでなく、世界全体の短期的な天気予報を強化するためにより頻繁なデータを提供する衛星の編隊の、可能性への道が開かれた。

    この新しい気象衛星は、8月16日現地時間 11:56 に、カリフォルニアのバンデンバーグ宇宙軍基地から SpaceX の Falcon 9 ロケットで軌道に打上げられた。これは、ヨーロッパ宇宙機関の Φsat-2 ミッションを含む Transporter-11 ライドシェアミッションの一部として統合された。

    この Φsat-2 は、地球観測の限界を押し広げ、AI 技術を使用して、宇宙からの地球の観測を進化させる方法を示す。この小型衛星には、最先端のマルチスペクトルカメラと、軌道上での画像を分析・処理する強力な AI コンピュータが搭載されている。これは、災害対応の取り組み、海上監視、環境保護などにとって重要であることが証明されいる。

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<8月13日(火)>--- 掲載日付を修正し再掲しています。
  1. 太陽系外惑星の居住可能性を確認する (Chandra)

    この図は太陽の近くの星の3次元マップを示している。青いハローは、NASAのチャンドラX線天文台とヨーロッパ宇宙機関の XMM-Newton で観測された星を表している。天文学者達は、これらのX線データを使って、軌道を周回する恒星からの致死的な放射線を受けるかどうかに基づいて、太陽系外惑星が居住可能かどうかを判断している。この研究は、地球のような惑星の、最初のイメージを撮ることを目指す次世代の望遠鏡による観測を導くのに役立つ。研究者達は、約10日間のチャンドラの観測と、26日間の XMM の観測を使って、近くの57個の星(そのうちのいくつかは既知の惑星を持つ)のX線の振る舞いを調べた。

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  2. 新しい3Dの視覚化に登場する象徴的な創造の柱の星達

    NASA、カリフォルニア工科大学、ジェット推進研究所は、最近、 M16 またはイーグル星雲(M16)として知られる星形成領域の中心にそびえ立つ、宇宙のダストとガスの雲の新しい3Dの視覚化を発表した。ハッブル宇宙望遠鏡、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、スピッツァー宇宙望遠鏡、チャンドラX線天文台のデータを使用したこのビデオは、これらの星を誕生させた「創造の柱」について、これまでで最も包括的で詳細な多波長の動画である。

    主として冷たい水素分子とダストでできているこの創造の柱は、近くの熱く若い星の激しい風と厳しい紫外線によって侵食されている。柱の上部からは、太陽系よりも大きな指のような構造物が突き出ている。これらの指の中には、胎芽の星達が埋め込まれている可能性がある。最も高い柱は、太陽と次に近い星との間の距離の4分の三にあたる3光年にわたって伸びている。

    この動画は、訪問者達を、この柱の立体的な構造に連れて行く。このビデオは、芸術的な解釈ではなく、科学論文の観察データに基づいている。

    この新しい視覚化は、世界で最も強力な宇宙望遠鏡がどのように連携して、柱のより複雑なポートレートを提供するかを視聴者に体験させるのに役立つ。ハッブル宇宙望遠鏡は、可視光線で数千度に輝く物体を見ており、ウェッブの赤外線の視界は僅か数百度の温度での冷たい物体に敏感であり、不明瞭なダストを透過して柱に埋め込まれた星を見ることができる。--- 以上、要点のみ。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は動画(Youtube)です。

 
<8月3日(土)>
  1. NASA、スペースXのクルー10宇宙ステーションミッションの割り当てを共有

    4名のクルーが、NASAのの一環として、国際宇宙ステーションでの長期滞在のための打上げの準備をしている。

    NASAのアン・マクレーン宇宙飛行士とパイロットのニコール・エアーズ、日本宇宙航空研究開発機構(JAXA)の大西卓也宇宙飛行士、ロスコスモスのキリル・ペスコフ宇宙飛行士が、2025年2月以降に、軌道上の研究所で、宇宙飛行士達に合流する。

    この飛行は、NASAの商業クルー計画の一環としての、スペースXがステーションに派遣する10回目のクルー・ローテーションである。

    <ひとこと>: 写真は、左から、NASAのニコール・エアーズ、ロスコスモス(ロシア)のキリル・ペスコフ、NASAのアン・マクレーン、日本宇宙航空研究開発機構の大西拓也。大判はイメージをクリック(タップ)。

 
<8月1日(木)>
  1. NASAの DART ミッション、ターゲットの連星小惑星システムに新たな光を当てる (DART)

    2022年に探査機を送り込んで小惑星衛星ディモルフォスに意図的に衝突させた、NASAの DART(Double Asteroid Redirection Test)ミッションから収集されたデータを研究することによって、ミッションの科学チームは、ターゲットの連星システムの起源と、 DART 探査機がディモルフォスの軌道をシフトするのに非常に効果的だった理由について、新しい情報を発見した。

    ネイチャ・コミュニケーションズ誌に最近発表された5編の論文で、研究チームは、衛星ディモルフォスと親小惑星ディディモスからなる連星小惑星システムの地質を調査し、その起源と進化を特徴づけ、その物理的特性を限定した。

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  2. NASA、JAXAによる月面と月周回軌道間のレーザー光線を跳ね返す (SLIM)

    NASAの月調査軌道船(Lunar Reconnaissance Orbiter)は、 JAXA の月面着陸船 SLIM に搭載されたクッキーサイズの反射鏡にレーザーパルスを2回送信し、返ってきた信号を受信した。

    軌道船は、2024年5月24日、2回の連続した軌道で、日本の SLIM (Smart Lander for Investigating Moon)の上空70キロメートルを通過した際に、これまで8回行ってきたレーザー高度計で着陸船に信号を送った。しかし、この2回の試みで、信号は、軌道船の検出器で跳ね戻った。

    これはNASAにとって重要な成果だった。なぜなら、 SLIM の検出器は最適な位置にないからである。この反射器は通常、着陸船の上部に固定されているので、軌道船は反射器の概略の位置にレーザーパルスを送信するときに、120度の角度を向けることができる。しかし、 SLIM 着陸船は上部が横を向いて地表に落ちていたために、軌道船の放射は制限されていた。

    目標達成の可能性を高めるために、軌道船チームは JAXA と協力し、 SLIM の正確な位置と向きを決定した。その後、NASAのエンジニア達は、軌道船の軌道が、レーザービームが SLIM の反射器に到達する可能性が最も高い位置に導く時を予測した。

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  3. 第3回 探査機の軌道をどうやって決めるの? (国立天文台)

    前回は、探査機の軌道を決めることがなぜ大切なのか、そしてそのためにどんなデータが必要かを説明しました。今回は、集めたデータを使って実際に探査機の軌道をどうやって決めるのかをお話しします。

    <ひとこと>: 大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

     

  4. 商業デブリ除去実証フェーズI 「周回観測」の画像を公開 (JAXA)

    宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)が進める「商業デブリ除去実証(CRD2)フェーズI」の実証衛星 ADRAS-J が、非協力的ターゲットであるスペースデブリを「周回観測」にて撮影した画像を、株式会社アストロスケールが公開しました。

    <ひとこと>: 大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

  5. JAXA と国連宇宙部との連携協力(KiboCUBE)に基づく第8回選定の結果 (JAXA)

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)と国連宇宙部(UNOOSA)は、2015年から、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟からの超小型衛星放出の機会提供に関する連携協力(以下、KiboCUBE)を進めています。

    この度、KiboCUBE 第8回公募(募集期間:2023年6月2日~2023年12月31日)に応募いただいた提案について JAXA と国連宇宙部が共同で審査を行った結果、タンザニア連合共和国ダルエスサラーム工科大学(Dar es Salaam Institute of Technology (DIT))とコートジボワール共和国フェリックス・ウフェ=ボワニ国立工科大学(Institut National Polytechnique Félix Houphouët Boigny)の共同提案を選定しましたので、お知らせいたします。

    <ひとこと>: イメージはありません。詳細はヘッドラインから。

  6. 衛星画像を使った自由研究を大募集 (JAXA)

    JAXA の衛星画像を使って、自由研究にチャレンジしてみませんか? 身近な環境から地球全体まで、幅広いテーマで研究ができます。

    優秀な作品は JAXA のホームページに掲載! 参加者全員に記念品をプレゼント!

    <ひとこと>: 応募方法など詳細はヘッドラインから。

 
<7月29日(月)>
  1. チャンドラ、孔雀銀河を見る (Chandra)

    NASAのチャンドラX線天文台の打上25回目の記念日に、チャンドラチームは、7月22日に、くじゃく座の渦巻銀河 NGC 6872 の未公開のイメージを公開した。このイメージと他の24枚のイメージは、すべてチャンドラからのデータを含んでおり、X線天文学が宇宙の隅々まで探査する方法を示している。

    この NGC 6872 は直径52万2千光年、ミルキウェイ銀河の5倍以上の大きさである。2013年、アメリカ、チリ、ブラジルの天文学者達は、NASAの「銀河進化探査機」の目録に基づき、この銀河が既知の渦巻銀河の中で最大のものであることを発見した。この記録を抜いたのは、直径130万光年の銀河 NGC 262 だった。

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  2. すばる望遠鏡25周年特設サイト (すばる望遠鏡)

    すばる望遠鏡は、1999年1月にファーストライトを行い、2024年に25周年を迎えました。この特設サイトでは、25周年を記念する様々なイベントを紹介していきます!

    <ひとこと>: 今後の行事の予定が記載されています。詳細はヘッドラインから。

 
<7月22日(月)>
  1. エンケラドゥスとエウロパの地表付近で生命の兆候が生き残る可能性

    木星の衛星エウロパと土星の衛星エンケラドゥスには、氷の地殻の下に海がある証拠がある。NASAの実験では、もしこれらの海が生命を支えているのであれば、有機分子(アミノ酸、核酸など)の形でその生命の痕跡が、これらの惑星の過酷な放射線にもかかわらず、表面の氷の直下で生き残ることができることを示唆している。もし、ロボット着陸船が生命の兆候を探すためにこれらの衛星に送られれば、例え放射線によって変化したり破壊されたりしても、生き延びたアミノ酸を見つけるために左程深く掘り下げる必要はないだろう。

    これらのほとんど空気のない衛星の極寒の表面は、主惑星の磁場に閉じ込められた高速粒子からの放射線や、星の爆発などの深宇宙での強力な出来事が原因で、居住できない可能性はある。しかし、何れも氷の表面の下には海があり、主惑星と隣接する衛星の引力による潮汐によって加熱されている。これらの地下の海には、エネルギー供給や生体分子に使用される元素や化合物など、他の必需品があれば、生命が生息している可能性がある。

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  2. 月面の洞窟網を示唆する新たな証拠を発見 (LRO)

    NASAの月探査軌道船(LRO:Lunar Reconnaissance Orbiter)データを使った国際科学者達のチームが、月面下に洞窟がある証拠を発見した。

    2010年に LRO の Mini-RF (Miniature Radio-Frequency)装置によって収集されたレーダーデータを再分析したところ、チームは、ピットの底から200フィート(約61メートル)以上に伸びる洞窟の証拠を発見した。この穴は、人類初の月面着陸地点である静かの海(Mare Tranquillitatis)から北東に 230 マイル(360キロメートル)のところにある。洞窟の全貌は不明であるが、このの地下に何マイルも広がっている可能性がある。

    科学者達は、何十年もの間、地球と同じように月にも地下の洞窟があるのではないかと推測してきた。この洞窟につながる可能性のある穴は、NASAのアポロ有人着陸の前に月の表面をマッピングした、NASAの月周回衛星からのイメージに示唆されていた。その後、2009年に、 JAXA(日本宇宙航空研究開発機構)の「かぐや」探査機が撮影した画像から穴が確認され、その後、 LRO が撮影した月面のイメージや熱測定により、月面で多くの穴が発見されている。

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  3. くらげ銀河 (JO204) (すばる望遠鏡)

    ろくぶんぎ座の方向にあるこの銀河は、2024年7月4日に公開したもうひとつのくらげ銀河のように、銀河同士の重力相互作用で形を乱しあう姿ではありません。

    銀河が集まった銀河団の中には大量の高温ガスが存在していることが知られています。銀河がこのガスの中を運動する際に受ける「風」によって、銀河円盤からガスが剥ぎ取られた結果、この、青く見えるくらげの触手のような構造ができたと考えられています。

    <ひとこと>: 大判イメージを含む詳細はヘッドラインから。

 
<7月19日(金)>
  1. 発見警報:六つの新しい世界で、 5,500 の発見の里程標を超える!

    太陽系外の惑星が初めて確認されてから30年以上が経ち、2023年8月24日、科学者たちは六つの新しい太陽系外惑星を発見し、その数は 5,502 個に増えたと発表した。太陽系外惑星の発見がゼロだったのが、わずか数十年で 5,500 以上に増えたこの新たなマイルストーンは、太陽系外の世界を理解するための旅の大きな一歩となる。

    31年前の1992年、パルサー PSR B1257+12 を周る双子の惑星ポルターガイストとフォベトール(Poltergeist and Phobetor)が発見され、最初の太陽系外惑星が確認された。2022年3月、科学者達は太陽系外惑星の発見が 5,000 個を突破したことを祝った。

    HD 36384 b は、巨大なM型巨星を回るスーパー・ジュピタである。--- この惑星は、軌道を回る惑星の重力の引きによって引き起こされる遠くの恒星の「ぐらつき」を測定する視線速度法を使用して発見された。太陽の約40倍の大きさの恒星の周りを回っている。
    TOI-198 b は、M型矮星の周りのハビタブルゾーンの最内縁部を公転する岩石惑星である可能性がある。--- この惑星は、太陽系外惑星が軌道上の恒星の表面を横切り、恒星が一時的に暗くなるときに検出するトランジット法を使用して発見された。
    TOI-2095 b と TOI-2095 c は、M型矮星の周りを同じ系内を公転する巨大で高温のスーパーアースである。

    <ひとこと>: 以上要点のみ。大判はイメージは省略。

  2. NASAの宇宙ミッションのためのロボットの組み立てと装備

    NASAは、モジュラーロボット建設技術の現状を使用または強化するためのアイデアや設計について、コミュニティの 3D モデリングの専門家に目を向けている。宇宙空間でのロボットによる構造物の組み立ては、NASAの活発な研究分野であり、持続可能でスケーラブルな宇宙探査への道筋となる可能性がある。この技術は、電力/通信塔、研究ステーション、居住地の放射線遮蔽など、重要な長期軌道および月面インフラの確立に不可欠である。
         賞: 賞金総額2,000ドル   公開日:2024年7月15日   締切日:2024年9月9日

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<7月10日(水)>
  1. アリアン6打上げ

    ヨーロッパ宇宙機関のアリアン6が7月9日に打上げられる予定である。

    このロケットは、宇宙への自律的なアクセスを保証し、それに伴う科学、地球観測、技術開発、商業的可能性のすべてを保証するために、ヨーロッパにとって大きな瞬間となる。アリアン6には新しい機能が多数搭載されているので、より多くのものを運び、より遠くまで運ぶことができると同時に、打上機の上段を宇宙ゴミにならないように持続可能な方法で処分することができる。

    <ひとこと>: 以上要点のみ。大判はイメージをクリック(タップ)。

  2. NASAのミッション、太陽の電波の起源の謎を調査

    NASAの電波干渉法実験(CURIE)キューブサットが、太陽から来る電波の未解決の起源を調査するために、7月9日に打上げられる。

    科学者達は数十年前にこれらの電波に初めて気づき、長年にわたってこの電波が太陽フレアや太陽の巨大噴出に由来することを突き止めてきた。しかし、電波がどこから発信されているのかは誰にもわかっていない。

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<7月8日(月)>
  1. 天文・科学情報スペース企画展「進化を続けるすばる望遠鏡—25年の歩みとその先へ—」 (すばる望遠鏡)

    ハワイ島マウナケア山頂域にある「すばる望遠鏡」は、今年ファーストライトから25周年を迎えました。

    すばる望遠鏡は、口径8.2メートルという世界最大級の一枚鏡と多彩な観測装置を組み合わせ、数々の成果を生み出しています。宇宙はどのように進化し、その未来はどうなっていくのか——。果てしない宇宙、その疑問を解き明かすため天文学の最前線に立ち続けてきた「すばる望遠鏡」。企画展では、宇宙の謎に挑み続けたすばる望遠鏡の25年の歴史と観測成果、さらにこれから活躍する予定の観測装置などを、映像や、ポスターで紹介します。また、模型や実寸大ポスターで、すばる望遠鏡の動きや観測装置の大きさを体感できるコーナーもあります。

    期間中は、簡単な分光器工作の「ワークショップ」や、研究者による展示紹介「ギャラリートーク」の開催も予定しています。詳しくは、すばる望遠鏡 X(旧ツイッター) でご案内します。ぜひお楽しみください。

    <ひとこと>: イメージのリンク先は「すばる望遠鏡 X(旧ツイッター)」です。

 
<7月5日(金)>
  1. NASAの惑星レーダー、二つの大きな小惑星の接近を追う

    ディープ・スペース・ネットワーク(Deep Space Network)のゴールドストーン惑星レーダーが、小惑星 2024 MK と 2011 UL21 が地球を無事に通過する様子を観測し、数日間忙しく過ごした。

    NASAのジェット推進研究所の科学者達は、最近、地球上を飛ぶ二つの小惑星を追跡した。一つは小さな月がその周りを回っていることが判明し、もうひとつは地球に最接近するわずか13日前に発見された。どちらの地球近傍天体も地球に衝突する危険性はなかったが、これらの接近中に行われたレーダー観測は、惑星防衛のための貴重な練習を提供するだけでなく、それらのサイズ、軌道、回転、表面の詳細、およびそれらの組成と形成に関する手がかりに関する情報を提供している。

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  2. 持ち上げられるオリオン

    2024年6月28日、技術者達が、NASAのオリオン宇宙船を最終組立およびシステム試験室から持ち上げている。月周回軌道を周るアルテミスⅡミッションに使用される統合宇宙船は、サブシステムのエンドツーエンドの性能検証や推進システムの漏れのチェックなど、最終段階のテストと組み立てが行われている。

    探査機は今後、空気を除き真空に近い環境に露出し、圧力が極端に低い空間を作る一連のテストを受ける。これらのテストで記録されたデータは、アルテミスⅡの宇宙飛行士達が宇宙の過酷な環境を安全に飛行するための、探査機の認定に使用される。

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  3. NASAの ECOSTRESS 、フェニックスの通り全体の火災リスクをマップ

    NASAのジェット推進研究所の研究者達が、フェニックスの灼熱の舗装路をマッピングし、転倒などによる皮膚との接触が重度の火傷を引き起こす可能性がある場所をマッピングした。このイメージは、道路と隣接する歩道の碁盤の目状の地表面温度を示しており、暑い時期に都市空間がいかに危険に変わるかを示している。

    米国で5番目に人口の多い都市フェニックスエリアのこの視覚化のデータは、現地時間2024年6月19日午後1時2分に、国際宇宙ステーションに搭載されたNASAの機器によって収集された。 ECOSTRESS(Ecosystem Spaceborne Thermal Radiometer Experiment on Space Station)と呼ばれるこの機器は、地表からの熱赤外線放射を測定する。

    このイメージは、何キロにもわたるアスファルトとコンクリートの表面 (ここでは温度に基づいて黄色、赤、紫色で色付けされている) が熱を閉じ込める様子を示している。表面は少なくとも摂氏49度あり、数分から数秒で接触火傷を引き起こすのに十分な温度であった。

    また、このイメージは、公園や樹木が少ない地表温度の上昇とは対照的に、緑地の冷却効果をも示している。

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  4. ハリケーン・ベリルを宇宙から調査

    2024年7月1日、国際宇宙ステーションは、カリブ海で発生したハリケーン・ベリルのイメージを撮り、Xに投稿した。カテゴリ4のハリケーンは、風速約時速215キロだった。

    ハリケーンは、大西洋や東太平洋で発生する熱帯低気圧で、暖かく湿った空気を燃料として使用する。海上の暖かく湿った空気は、海面近くから上昇し、下の気圧が低下する。気圧の高い周辺からの空気は、低圧領域に押し込まれ、その「新しい」空気も暖かく湿り気を帯びて上昇する。暖かい空気が上昇し続けると、周囲の空気が渦を巻いてその場所を取り囲む。暖められた湿った空気が上昇して冷やされると、空気中の水分が雲を形成します。雲と風のシステム全体は、海面から蒸発する海の熱と水によって供給され、回転して成長する。

    NASAは、このような写真や人工衛星からの観測を通して、宇宙からのハリケーンを研究している。

    <ひとこと>: 大判はイメージをクリック(タップ)。

 
<7月3日(水)>
  1. NASAのネオワイズの赤外線遺産、生き続ける (NEOWISE)

    NASAの 地球近傍天体探査ミッション「ネオワイズ(NEOWISE)」 が終わりに近づいている。しかし、その調査は、次世代赤外線ミッションであるネオ・サーベイヤー(NEO Surveyor)に引き継がれる。

    NASAのネオワイズ(NEOWISE:Near-Earth Object Wide-field Infrared Survey Explorer)ミッションは、14年以上にわたって宇宙で成功を収めてきたが7月31日に終了する。しかし、ミッションが終わりに近づく一方で、これまでに得た経験を活かして、危険な地球近傍天体の探索に特化した初の赤外線宇宙望遠鏡、NASAのネオ・サーベイヤー(NEO Surveyor:Near Earth Object Surveyor)が具体化している。2027年後半に打上げられる予定であり、NASAの惑星防衛戦略の大きな一歩となる。

    <ひとこと>: この探査衛星は、当初、広視野赤外線探査機(WISE:Wide-field Infrared Survey Explorer)、通称ワイズ(WISE)として、宇宙の赤外線探査のために2009年に打上げられ、大きな実績を残してきた。2011年に一旦運用は終了したが、その後2013年に運用再開が承認され、その後は主に危険な地球近傍天体の探索に使われてきた。大判イメージはイメージをクリック(タップ)。

  2. カッシーニ、土星を見る (Cassini-Huygens)

    2004年3月27日、探査機カッシーニ・ホイヘンスは、その軌道入りに向かう途中、土星とそのリングの最後の「目」を捉えた。この自然色のイメージは、土星の南半球の大気の帯と特徴の、色の変化、土星の中央のBリング全体の微妙な色の違い、そして北半球の明るい青色の光のスライバー(土星の環のカッシーニ分割を通過し、雲のない上層大気によって散乱される太陽光)を示している。

    カッシーニミッションは2015年に終了し、オペレーターは将来の探査のために土星の衛星を手付かずの状態に保つために、意図的に探査機を土星に突入させた。

    <ひとこと>: 大判はイメージをクリック(タップ)。カッシーニとその グランドフィナーレについては こちら から。

  3. H3ロケット3号機による先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)の 打上げ結果 (JAXA)

    2024年(令和6年)7月1日      
    国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、種子島宇宙センターから2024年7月1日12時6分42秒(日本標準時)に、先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)を搭載したH3ロケット3号機を打ち上げました。
    ロケットは計画どおり飛行し、打上げから約16分34秒後に先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)を正常に分離したことを確認いたしました。
    今回のH3ロケット3号機の打上げ実施にご協力頂きました関係各方面に深甚の謝意を表します。

    <ひとこと>: イメージはありません。



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