このページでは様々な時宜に即した「今日の宇宙(Space of the Day)」をご紹介しています。掲載期間は概ね一か月。土曜日・日曜日・祝日は「肩の凝らない」記事を選んでいます。

 新しいサイトの準備のため、8月以前の記事は削除しています。 

 9月16日(火)
<前書き>: 7月29日、カムチャッカ半島付近を震源とする大きな地震が発生し、日本にも大きな津波の脅威をもたらしました。

最近、NASAのジェット推進研究所の記事として、宇宙からの、このような地震による津波の検出に関する分析が報じられました。
なお、参考までに、右上のイメージは、8月11日に本サイトに掲載した 同種の記事のイメージの一つです。

 

NASAの津波探知技術がリアルタイムで波を捉える

7月下旬にロシア沖で発生した大地震とそれに続く津波では、前日に重要なコンポーネントを配備した、実験的検出システムをテストした。

NASAの科学者達は、ロシアのカムチャツカ半島沖でのマグニチュード8.8の地震が引き起こした最近の津波は、大気の上層に圧力波を送ったと報告した。津波は広範囲に被害をもたらさなかったが、南カリフォルニアにある同庁のジェット推進研究所で開発中の探知システムの初期テストができた。

ジェット推進研究所の開発者の1人であるカミーユ・マーティレ氏は、ガーディアン(GUARDIAN:GNSS Upper Atmospheric Real-time Disaster Information and Alert Network)と呼ばれるこの実験技術は「十分に機能した」と語った。このシステムは、地震発生後わずか 20 分以内に大気の歪みにフラグを立て、対象分野の専門家達に通知を発した。現地時間7月29日には、ハワイや太平洋を渡る場所に波が上陸する約30〜40分前に津波が接近する兆候を確認した。

ガーディアンからのほぼリアルタイムの出力は、津波の兆候を特定するための訓練を受けた専門家達によって解釈されなければならない。しかし、すでにこの種の監視ツールとしては最速のものの1つであり、データを受信してから約10分以内に、上層大気に到達する津波の轟音のスナップショットを生成できる。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Jet Propulsion Laboratory

 9月15日(月)
NGC 1309: 有用な渦巻銀河

この銀河は美しいだけではなく有用である。

この約1億光年離れたゴージャスな渦巻NGC 1309はエリダヌス座の近くにある。

NGC 1309 は約 30,000 光年にまたがっており、より大きなミルキウェイ銀河の約 3 分の 1 の大きさである。 その青みがかった若い星達の集団とダストレーンは、NGC 1309の渦巻の腕をたどり、その中心にある古い黄色がかった星の集団の周りを曲がりくねっている。

NGC 1309の最近の2つの超新星と複数の セフェイド変光星(Cepheid variable stars) の観測は、単なる美しい表面の渦巻銀河ではなく、宇宙の膨張の調整に貢献している。

この美しい銀河の壮大なデザインを乗り越えた後は、ハッブル宇宙望遠鏡からのこの鮮明なイメージにも記録されている、より遠くの背景の銀河達の配列をチェックしよう。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

 9月14日(日)
トラペジューム:オリオンの中心部

オリオンの中心には何があるのだろう?

トラペジューム( 不等辺四辺形または台形):この鋭い宇宙の肖像画の中心近くにある4つの明るい星達。

半径約1.5光年の領域内に集まったこれらの星達は、密度の高いオリオン星雲の、星団の中心を支配している。

トラペジュームの星達からの紫外線電離放射、主に最も明るい星シータ1オリオンCからの紫外線は、複雑な星形成領域の可視光の輝き全体に力を与えている。

約300万年前のオリオン星雲グループは、若い頃はさらにコンパクトであり、力学的な研究は、それより早い時代の暴走した恒星の衝突が太陽の100倍以上の質量 を持つブラックホールを形成した可能性があることを示している 。

星団内にブラックホールが存在することは、観測された台形の星達の高速を説明できる可能性がある。

オリオン星雲の距離は約1,500光年、地球に最も近いブラックホール候補の1つとなっている。 

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

 9月13日(土)
NGC 7331における超新星2025rbs

昔、5000万光年離れた銀河で、星が爆発した。

しかし、その超新星からの光は7月14日に地球上の望遠鏡によって初めて検出され、この銀河系外の過渡現象は、現在、天文学者達には超新星2025rbsとして知られている。

現在、地球の空で最も明るい超新星である2025rbsはIa型超新星であり、連星システムのコンパニオンの星から物質を降着させた白色矮星の熱核爆発によって引き起こされたと思われる。

Ia型超新星は、宇宙の距離のスケールを確立するための標準的な尺度として使用される。

2025rbsの主銀河はNGC 7331である。

ペガサス座の北の明るい渦巻銀河であるNGC 7331は、ミルキウェイ銀河に類似しているとして、よく宣伝されている。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

 9月12日(金)
新しい第2世代気象衛星 MetOp、最初のデータを送り返す
(ヨーロッパ宇宙機関)

最初の MetOp 第 2 世代気象衛星である MetOp-SG-A1 が打上げられてから 3 週間も経たないうちに、この注目すべき新しい衛星はすでに 2 つの最先端機器からのデータの送信を開始しており、今後何が起こるかを垣間見ることができる。

MetOp 第 2 世代 (MetOp-SG) ミッションは、第 1 世代 MetOp 衛星の実証済みの成功に基づいて構築されており、世界の天気予報と気象監視のための重要なデータの流れを確保すると同時に、性能と解像度の大幅な進歩をもたらしている。

極端かつ予測不能な気象現象がより頻繁になるにつれて、正確でタイムリーな予報が、かつてないほど重要になっている。極軌道から動作するMetOp-SG衛星は、気象予測モデルを強化し、地球の気候変動についての理解を深めるために必要な重要なデータを提供する。

このミッションは、3 つの連続した衛星のペアで構成され、各ペアは A 型衛星と B 型衛星で構成され、幅広い観測を捉えるための補完的な機器を搭載している。

このミッションは、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)と Eumetsat の長年にわたる協力の成果であり、ESAは衛星の設計と開発を担当し、Eumetsatは打上げサービス、地上セグメントの開発、衛星の運用、気象コミュニティへのデータ配信を管理する。

8月13日にフランス領ギアナからアリアン6ロケットに搭載されて打ち上げられた衛星は、現在、厳格な試運転段階にかけられている。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Observing the Earth

 9月11日(木)
塵のベールに隠された初期宇宙の巨大ブラックホール
(すばる望遠鏡)

ビッグバンから 10 億年に満たない初期宇宙で、これまで見逃されてきた「塵に隠れた巨大ブラックホール」が発見されました。愛媛大学や国立天文台の研究者を含む国際研究チームは、すばる望遠鏡で見つけた銀河をジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で追観測し、銀河の中心で物質を飲み込みながら輝く「クェーサー」として現れる巨大ブラックホールの存在を確認しました。初期宇宙でこれほど明るいクェーサーが塵に覆われたまま見つかったのは世界で初めてです。この成果から、初期宇宙には明るいクェーサーが従来の予想の2倍以上存在することが明らかになりました。

研究の背景
ビッグバンから 138 億年が経過した現在の宇宙では、ほとんどすべての銀河の中心に巨大なブラックホールが存在することが知られています。これらは太陽の 100 万倍以上の質量をもち、大半の時間は静かに潜んでいますが、周囲の物質を飲み込みはじめると強烈な光を放ち、「クェーサー」と呼ばれる天体になります。クェーサーの光は、銀河内のガスや塵を吹き飛ばし、銀河の成長や進化に大きな影響を及ぼすことが知られています。銀河の進化は宇宙の進化と直結しています。したがって、巨大ブラックホールを理解しなければ、宇宙の成り立ちと歴史を正しく知ることはできません。

しかし、この宇宙の不可欠要素である巨大ブラックホールがどのように誕生したのかは、いまだ大きな謎です。少なくともビッグバンから 10 億年後の宇宙には多数の巨大ブラックホールが観測されているため、その起源はさらに過去、「宇宙の夜明け」と呼ばれる初期宇宙にあると考えられています。その誕生メカニズムを解き明かす鍵は、巨大ブラックホールの数です。数が多いほど、宇宙のありふれた場所とメカニズムで次々と誕生したはずです。その有力な候補は、「宇宙の一番星」と呼ばれる初代星の死です。一方、数が少ない場合は、特殊でまれな環境下でしか起こらないようなメカニズムが示唆されます。例えば、巨大な物質の塊が自身の重力で崩壊し、ブラックホールに変わっていくという理論が提案されています。

<ひとこと>: 以下は「すばる望遠鏡」のページ(下記)から直接ご覧ください。

<出典>: すばる望遠鏡

 9月10日(水)
カリスト:汚れたボロボロのアイスボール

その表面は太陽系で最もクレータが密集しているが、その中には何があるのだろう?

木星の衛星カリストは、水星よりも大きな、汚れた氷の、ボロボロの球である。

1990年代と2000年代にNASAのガリレオ宇宙船が訪れたが、最近再加工されたこの目を引くイメージは、1979年にNASAのボイジャー2号がフライバイしたときのものである。

この月は、何年にもわたるインパクトによって作られた明るい色の砕けた表面の氷のタペストリーがなければ、更に暗く見えていただろう。

カリストの内部には、液体の水の内部の層がある可能性があり、一層興味深い。

この潜在的な地下の海は、姉妹衛星であるエウロパやガニメデと同様に、生命が宿る候補地でもある。

カリストは地球の月よりわずかに大きいが、氷の含有量が高いために質量はわずかに小さい。

現在、ヨーロッパ宇宙機関のJUICEと、NASAのエウロパ・クリッパー・ミッションが、木星最大の衛星を更に調査するために木星に向かっている。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

 9月9日(火)
「いぶきGW」(GOSAT-GW)搭載
高性能マイクロ波放射計3(AMSR3)の初期観測結果

2025年(令和7年)9月5日
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

温室効果ガス・水循環観測技術衛星「いぶきGW」(GOSAT-GW)は、2025年6月29日に打上げられた後、7月20日には観測軌道へ投入され、搭載センサの一つである「高性能マイクロ波放射計3(AMSR3)」のアンテナ部を、定常観測に向けて1分間に40回転の速度で回転させ、8月11日から、初期機能確認運用の一環として観測を行っています。

高性能マイクロ波放射計(AMSR)シリーズは、地表や海面、大気などから自然に放射または散乱される微弱なマイクロ波を観測するセンサであり、海面水温や降水量など水に係るさまざまな物理量を推定できることから、地球上の水循環・気候変動の把握に加え、気象予報、漁業(水産業)、船舶の航行支援等の幅広い分野に貢献します。AMSR3は、2002年打上げの米国Aqua衛星搭載のAMSR-E、2012年打上げの「しずく」(GCOM-W)搭載のAMSR2等の観測を継承するとともに、新たに5つの観測チャネルを追加しています。

AMSR2を含むこれまでのマイクロ波放射計では高緯度の降雪観測に課題がありましたが、AMSR3で新たに追加された165.5~183.3 GHz帯の観測チャネルにより、地球温暖化に伴う環境変化の把握に重要な要素の一つである、高緯度帯を含む全球規模の降水(降雨・降雪)全容を詳細に推定することが可能になります。さらに、これらのチャネルは日々の気象予報において重要な、高度別の水蒸気情報も提供できることから、豪雨や台風の範囲・進路・盛衰の予測精度向上が期待されます。また、温度分解能を向上しノイズを低減した観測チャネルを10 GHz帯に追加したことで、漁業(水産業)で活用されている海面水温について、より高い空間解像度の海面水温を安定して作成できるようになります。

<ひとこと>: 大判イメージ含む詳細は下記 JAXA のページから。

<出典>: JAXA

 9月8日(月)
北米西部で夏の暑さが残る

高気圧が長引いたために、ブリティッシュコロンビアと太平洋岸北西部で、9月の異常に暖かい気温がもたらされた。

<ひとこと>: 日本だけでなく、北米西部太平洋岸も、摂氏35~40度の高温に見舞われているようです。

<出典>: <出典>:  Earth Observatory Image of the Day

 9月7日(日)
太陽のS字形噴出
(Space Weather News:9月6日の記事から)

太陽に「S」が見えるとき、通常は、何かが爆発しようとしていることを意味する。9月4日、NASAの太陽ダイナミクス天文台(SDO)は、教科書のようなS字形噴出(sigmoid eruption)を記録した。

研究者達は、太陽の大気中のS字構造(sigmoid)が強い爆発の前兆であることを長い間知っていた。それらの磁力線は、しなやかに優美にねじれている。十分な緊張が蓄積されると、それらは爆発的にねじれを解く。

このS字構造は、長さ700,000 km を超える黒いプラズマのプルーム(噴煙)を宇宙に投げ込んだ。プルームが暗いのは、強力なCMEを生成できる2つの性質、内部のプラズマが比較的冷たく密度が高いためである。

爆発によるコロナ質量噴出(CME)が、地球に向かって直接投げ出された。

NOAAとNASAのモデルは、9月7日に地球に到達すると予想している。この衝突は、月食中に高緯度のオーロラが見える、G1からG2クラスの地磁気の嵐を引き起こす可能性がある。

<参考>: 国立天文台のほしぞら情報(2025年9月) から。
皆既月食(2025年9月):日本全域で見られるのは約3年ぶり
9月8日に、2022年11月8日以来、約3年ぶりに日本全国で皆既月食が見られます。今回は、9月7日の夕方に昇った満月が、8日に日付が変わった1時27分に欠け始めます。完全に月が地球の影に入る皆既は、2時30分から3時53分まで、その後4時57分に部分食が終わります。深夜から未明にかけての天体現象となりますが、赤銅色(しゃくどういろ)に輝く月を楽しんでみましょう。食の経過時刻は、どの場所で見ても同じです。

<ひとこと>: 国立天文台の記事は参考までに挙げたものです。太陽面爆発(CME)の流れが地球の日本の夜に到来するかどうかは分かりませんし、またオーロラは日本で見ることは難しいでしょう。この記事は太陽面のS字型爆発とその鮮明なイメージ(動画)をご紹介する目的で取り上げたものです。
イメージのリンク先は動画 .gif です。

<出典>:  Space Weather News

 9月6日(土)
月への旅

1969年7月、宇宙飛行士のニール・アームストロングとバズ・オルドリンは、人類として初めて月面を歩いた。現在、NASAとアルテミス協定を結ぶ国際パートナーは、人類をそこに送り返し滞在することに取り組んでいる。特に宇宙は人間にとって非常に居心地の悪い場所であり、この旅行は困難なものになるだろう。予期せぬ危険の源の1つは太陽である。

このアニメーションは、2024年5月に地球の磁気圏が過去約20年間で最強の地球空間の嵐に襲われるというMAGEモデルによるシミュレーションを示している。太陽の気象によって引き起こされるこれらの嵐は、将来のミッション中で、月に向かう途中や、月の表面で活動する宇宙飛行士達を、危険にさらす可能性がある。

<ひとこと>: イメージのリンク先は動画 .gif です。

<出典>: Nicholas Oakes(著者名です)

 9月5日(金)
海洋衛星のデータで植物の生産性をマッピング

<イメージの説明>: NASAの衛星データによる植物の生産性のマップをつくる新しいツールが、暑さ、干ばつ、寒波、その他のストレスによって脅かされている作物について、土地管理者達に早期の警告を提供している。

NASAの科学者達は、成長期を通して、さまざまな条件下で植物の成長を監視するための新しいツールのセットを開発した。土地管理者達がこれらのツールを使用して、植物の生産性の急激な低下を検出し、熱ストレス、干ばつ、寒波などの事象に早期に対応できることが期待されている。生産性、即ち植物が光合成を通してエネルギーをどれだけ効率的に生産しているかを監視することは、生態系を維持し、豊かな生物の多様性を維持し、信頼性の高い食料生産を確保するために不可欠である。

山岳地帯、熱帯林、ツンドラ、農地など、世界中の様々な生態系が多種多様な植生を支えている。研究者達は、これまで、NASA のテラ(Terra)衛星やアクア(Aqua)衛星に搭載された中解像度画像分光放射計 (MODIS) などの機器を使って地球の生態系を監視し、MODIS が検出する光合成に関連する特定の波長を分析してきた。7月10日に発表された研究では、科学者達は、NASAのプランクトン・エアロゾル・クラウド・海洋生態系(PACE)衛星に搭載された海洋カラー機器(OCI)に目を向け、2024年3月から9月までの期間を観測することで、この新しいデータが季節を通して植物の生産性について何を教えてくれるかを調べた。

NASAは、2024年2月に、海洋と大気の健全性を評価するためにPACEを打ち上げた。以来、地球科学者達は、この研究者達に対して、陸上で収集されたデータに、衛星の機器を使用するよう勧めている。MODISと比較して、OCIは植物から反射する光の範囲をはるかに広範囲に捉えており、全体的により多くのデータを収集する。新しい監視ツールはOCIのデータに依存しており、年間を通じて生産性をより明確に把握することができる。 <ひとこと>: イメージのリンク先は動画 .gif です。

<出典>:  James Riordon(著者名です)

 9月4日(木)
恒星のジェットの衝撃波で歪められた原始惑星系円盤
(ALMA:国立天文台)

アルマ望遠鏡の観測データを解析することで、若い恒星からのジェットが生み出した衝撃波によって形がゆがめられた原始惑星系円盤が発見されました。惑星が誕生する現場は、予想以上に過酷なのかもしれないことを示唆する知見です。

恒星は分子雲のガスが重力で集まることによって誕生します。その際、落下するガスは回転しながら星に落ち込むため、恒星の周りには原始惑星系円盤と呼ばれる回転円盤が形成され、その中で塵(ちり)やガスが集まり最終的に惑星が形成されます。ただし、ガスの多くは恒星へは落下せず、ジェットなどの形で放出されて再び分子雲へ戻っていくことが知られています。このジェットや分子雲、円盤がどのように影響し合っているかについては、これまで詳細には知られていませんでした。

茨城大学の研究者を中心とする研究チームは、へびつかい座方向にある原始惑星系円盤を持つ若い恒星WSB 52に着目し、アルマ望遠鏡が観測したデータを再解析しました。その結果、円盤の近くに急激に膨張する泡状の構造(バブル)があること、バブルが恒星の近くで衝撃波面を作って円盤をゆがめていること、そして円盤の一部のガスが衝撃波によって吹き飛ばされていることが明らかになりました。このような膨張するバブルは他の恒星の周辺でも見つかっていましたが、円盤とバブルの衝突が見つかったのは初めてのことです。

--- 以下略。

<ひとこと>: 大判を含む詳細はヘッドラインから。

<出典>: ALMA:国立天文台

 9月3日(水)
1997年と2021年の北極圏永久凍土の範囲

新たに発表された第35回気候状況報告書によれば、気象の危機が深刻化する中で、2024年は過去最高を記録した。ヨーロッパ宇宙機関の気候変動イニシアチブからの土壌の水分、湖面温度、永久凍土、地表温度、成層圏オゾンなどのデータ記録が、報告書の調査結果を裏付けるのに役った。

このアニメーションは、北極の永久凍土の、1997 年と 2021 年の違いを示している。北極の永久凍土には、約17,000億トンの凍結および融解中の炭素が貯蔵されている。人為的な温暖化は、未知の量のこの炭素を大気中に放出し、永久凍土-炭素フィードバックとして総称されるプロセスで気候に影響を与える恐れがある。永久凍土が急速に融解することもあるが、科学者達は、フィードバックループの観点からのこれらの突然の融解が、何を意味するのか分かっていない。

<ひとこと>: イメージのリンク先は動画 .gif です。

<出典>:  Week in images (ESA)

 9月2日(火)
史上、太陽に最も近いイメージ

誰もが太陽を見ている。しかし、誰もそこに行ったことがない。

しかし、2018年から、NASAは、初めて太陽に近い領域を調査するために、ロボットパーカー太陽探査機(PSP)を打上げた。

この注目のタイムラプスビデオは、12月に、その人工の宇宙船が太陽に最も接近し、太陽の高温の表面から太陽の直径の約5倍まで接近して、太陽シールドの背後から横を向いて周回した様子を示している。

探査機の広域画像装置(Wide Field Imager for Solar Probe (WISPR) カメラ)は、これらのイメージを、 7 時間かけて撮影したが、ここでは約 5 秒にデジタル圧縮されている。

コロナ質量放出 (CME) を含め、太陽のコロナが前例のない詳細でここに見ることができ、星が背景の遠くを通過している。

太陽は地球の主要なエネルギー源であるだけでなく、その変化する太陽風は、地球の大気を圧縮し、オーロラを引き起こし、電力網に影響を与え、軌道上の通信衛星に損傷を与える可能性さえもある。

<ひとこと>: イメージのリンク先は、ごく短い動画 .mp4 です。

<出  典>: Astronomy Picture of the Day

 9月1日(月)
北極の上空に宇宙のハリケーン発表される

宇宙のハリケーンは本物である。 ハリケーンシーズンはさらに悪化した。中国の研究者達が宇宙の端に新しい種類の嵐を発見した。彼らはそれを「宇宙のハリケーン(space hurricane)」と呼んでいる。

<イメージの説明>: 宇宙ハリケーンの構造。
最初の既知の例は、2014年8月20日に国防気象衛星(DMSP)のイメージに現れた。荷電粒子の巨大な渦巻きが北極の上空に現れた。静かに回転するそれは、螺旋状の腕とオーロラの光で輝く穏やかな「目」を持つ地球のハリケーンのような形をしていた。この出来事の詳細な研究は、2025年7月号のSpace Weatherに掲載されている。

オーロラに精通したオーロラ追跡者達は、オーロラを捕まえるのに最適な時期は惑星間磁場 (IMF:interplanetary magnetic field) が南に傾いているときであることを知っている。これによって地球の磁気圏に穴が開き、太陽風が侵入できるようになる。我々は惑星間磁場が北に傾いて扉を閉ざす時を無視しがちである。しかしながら、研究によると、それはまさに宇宙のハリケーンが形成される時期である。

宇宙のハリケーンはステルス性があり、従来の宇宙の気象予報の指標がほとんど関心がないことを示しているときに現れる。

予報士達への注意:すべての嵐が太陽から来るわけではない。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>: Space Weather News


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