このページでは様々な時宜に即した「今日の宇宙(Space of the Day)」をご紹介しています。掲載期間は概ね一か月。
土曜日・日曜日・祝日は「肩の凝らない」記事を選んでいます。

 1月12日(月)
国際宇宙ステーションの指揮権交代が予定される

NASAは、東部標準時間1月12日(月)午後2時35分(日本時間1月13日火曜日午前4時35分)から、国際宇宙ステーションの指揮権交代式を生中継する。中継は、 NASAプラス 、Amazon Prime、及び NASAのYouTubeチャンネル を通して放送される。
クルー11が宇宙ステーションからの出発準備を進める中で、NASAの宇宙飛行士マイク・フィンケは、遠征74の指揮をロシアの宇宙飛行士セルゲイ・クド・スヴェルチコフに引き継ぐ。

1月14日水曜日の切り離しに続いて、クルー11は、1月15日木曜日午前3時40分(日本時間1月15日木曜日午後5時40分)頃に、カリフォルニア沖に着水する。NASAとSpaceXは、現在帰還に適した着水ゾーンの気象状況を調査している。

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参考までに、現在、国際宇宙ステーションに接続されているクルー船、補給船を載せておきます。現在のこの接続状況は最多と言えます。
今回切り離され帰還するのは左から3番目 Crew-11 Dragon です。

図の左から。
1 CRS-33 Cargo Dragon --- ドラゴン CRS-33 貨物船(米:スペースX)
2 HTV-X1 --- 「こうのとり」補給船(日本:JAXA)
3 Crew-11 Dragon --- ドラゴンクルー船11(米:スペースX)
4 Cygnus-23 --- シグナス貨物船(米:オービタルサイエンシーズ)
5 Soyus MS-28 --- ソユーズクルー船(ロシア:ロスコスモス)
6 Progress 92・93 --- プログレス92・93貨物船(ロシア:ロスコスモス)

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  NASA Communications

 1月11日(日)
国際宇宙ステーション遠征74出発準備

2025年12月8日に始まり、2026年夏終了する予定であった遠征74(Expedition 74)クルーの4名は、スペースXのドラゴンクルー船で地球への帰還の準備を進めている。出発準備の一環として、国際宇宙ステーションの住民達は、宇宙服のメンテナンスと、併せて宇宙生物学の調査、人工知能の研究も実施した。

ミッション管理者は、この軌道の前哨基地で生活し勤務する4名のSpaceXクルー11の帰還日を前倒しすることを決定した。出発日はまだ発表されていないが、クルーはドラゴンの圧力スーツの適合性や操作性の点検を始めている。この適合性の検証は、脊椎が伸び、微小重力下では体液が頭部に向かって移動するために、胴体や四肢の寸法に影響を与えるため必要となる。また、4名はスーツの音声・映像通信システムのテストも行った。

ドラゴン指揮官ゼナ・カードマンは、NASAの宇宙飛行士パイロットのマイク・フィンケ、JAXAの油井亀美也、ロシアのオレグ・プラトノフをドラゴンに乗せて地球へ帰還させる。4名は、自分の持ち物を集め、宇宙船に積み込むための梱包を始めた。

カードマンは金曜日にクエスト・エアロック内で宇宙服の2着にも取り組んだ。彼女は船外活動で体温を調整する宇宙服内部の水冷ループを清掃し洗浄した。その後、彼女は電源を切ってスーツを点検し、ハードウェアや部品、バッテリーを取り外した。

--- 以下略。

<出典>: Mark A. Garcia(著者名です)

<追記>:NASA1月9日(日本時間1月10日)発表:
NASAとスペースXは、気象条件に変化がないかぎり、東部標準時間1月14日水曜日午後5時(日本時間1月15日木曜日午前7時)以降の国際宇宙ステーションからのSpaceXクルー11ミッションのドッキング解除を目指している。

以下その概要:日本時間は24時間表示
Jan.14 3:30 p.m.(日本時間15日05時30分) – ハッチ閉鎖
    5 p.m.  (日本時間15日07時00分) – 切り離し
Jan.15 2:50 a.m.(日本時間15日14時50分) – 軌道離脱点火
    3:40 a.m.(日本時間15日15時40分) – 着水

<参考1>:遠征74(Expedition 74)の構成
➀ 帰還するメンバー: スペースXのドラゴン宇宙船をベースとするメンバー:指揮官:ゼナ・カードマン(Zena Cardman:女性)、パイロット:マイク・フィンケ(Mike Fincke)、油井亀美也(JAXA)、オレグ・プラトノフ(Oleg Platonov:ロシア)
➁ 残留するメンバー:ロシアのソユーズ宇宙船をベースにするメンバー3名(ロシアの2名、アメリカの1名)

<参考2>: 
遠征74(Expedition 74)--74は、国際宇宙ステーションへの派遣部隊の初期からの通し番号。
SpaceXクルー11--11は、スペースシャトルの事故と退役によって近地球軌道でのミッションを民間委託にする決定後、SpaceX社のドラゴンクルー船による派遣の通し番号。

なお、Expedition XX は、日本では'長期滞在XX'と示されることもあるが、 Expedition は本来「遠征、長征など、距離に概念を置く言葉」なので、ここでは「遠征」と訳している。

<ひとこと>: 記事は要点のみ引用し編集している。
トップのイメージは、2025年8月30日に、油井飛行士が、地球上空261マイルの国際宇宙ステーションから撮った、南ヨーロッパと北西地中海沿岸の写真。左はイタリアのポー渓谷都市回廊(Po Valley urban corridor)が、ミラノやトリノの大都市圏とその周辺郊外と共に輝いている。

 1月10日(土)
国際宇宙ステーションの運用に関する最新情報

<概要>: NASAは、米国東部時間1月8日午後5時に予定された記者会見で、国際宇宙ステーションの SpaceX クルー11を、その一人の健康問題から、早期に帰還させると発表した。 SpaceX クルー11は4名、その中には日本の油井亀美也飛行士も含まれているが、健康問題の対象が油井飛行士ではないことは明らかになっている。4名の帰還日時は未定であるが早急に決定される予定である。なお、国際宇宙ステーション派遣の飛行士が任務半ばで帰還に至るのは初めてのことであるが、医療関係の準備の整っていない宇宙ステーションでは、地球上からの遠隔診断などの実験も計画的に進められており、将来の宇宙探査に備えた研究も積極的に行われている。今回の事態は、そのような意味で重要な機会にもなるだろう。

以下、早期帰還決定に至るまでの、この数日の発表を挙げて置く。

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1月8日午後6時46分(日本時間1月9日午前8時46分)発表:
NASAは、当初1月8日に予定されていた船外活動を延期すると発表した。これは、現在軌道実験室で生活し、働いているクルーの健康問題を監視していることによる。この件はクルーの一人に関わっていた。医療プライバシーのため、これ以上詳細を共有することは適切ではない。

1月8日午後2時48分(日本時間1月9日午前4時48分)発表:
NASAは、東部標準時木曜日午後5時に、ワシントンの本部から、国際宇宙ステーションとそのクルーについての生中継での記者会見を開催する。1月7日、同機関は当初1月8日に予定されていた船外活動を延期すると発表した。これはクルーの健康上の懸念を監視していることによる。

1月8日午前9時19分(日本時間1月8日午後11時19分)発表:
国際宇宙ステーションでの医療状況に関する以前の連絡の更新として、この件は安定している1名のクルーに関するものだった。ミッションを安全に遂行することが最優先事項であり、クルー11のミッションの早期終了の可能性を含むあらゆる選択肢を積極的に検討している。これらはNASAとパートナーが訓練し、安全に実行するために準備していることによる。今後24時間以内にさらなる更新をお伝えする。

1月7日午後5時21分(日本時間1月8日午前7時21分)発表:
NASAは1月8日木曜日の国際宇宙ステーション外での船外活動を延期する。同機関は水曜日の午後、軌道複合施設内で発生したクルーの医療上の懸念を監視している。医療プライバシーのため、NASAがクルーの詳細をこれ以上共有することは適切ではない。状況は安定している。

1月7日午後1時24分(日本時間1月8日午前3時24分)発表:
遠征74は、2026年最初の船外活動に向けて最終準備を進めており、木曜日に2人のNASA宇宙飛行士が国際宇宙ステーションから電力アップグレード作業のために出発する。科学活動も軌道前哨基地内で継続され、水曜日の調査は、物理学、微生物学、人工知能、地球観測に焦点を当てた。

<ひとこと>: トップのイメージは、船外活動の準備を進める飛行士達。奥の平服は油井亀美也飛行士。大判はイメージのリンクから。

<出典>: International Space Station

 1月 9日(金)
惑星の配置と太陽周期
(Space Weather News)

今週、木星と金星は太陽の反対側に位置する。一部の研究者達にとって、この幾何学は単なる天体の偶然以上のものとされている。少数ながら、この継続的な研究の人達は、惑星の配列が太陽活動の調節に寄与していることを示唆している。

ドイツの物理学者フランク・ステファニーは「10年前、私は惑星の潮汐力によって太陽周期を同期させる実用的なメカニズムを見つけることに取組んだ」「これらの力は非常に小さいことが知られているが、観測された太陽活動と驚くほど一致するモデルを開発した。」

これは議論を呼ぶ話題である。賛同する研究者もいれば、強く反対する者もいる。しかしこの考え方は消えない。それは、木星、金星、地球が反復的な整列パターンをつくり、この特徴的な周期は約11年であり、これは黒点の周期の平均的な長さに似ているからである。偶然か、それとも何かもっと深いものだろうか?

主流の太陽物理学では、金星と木星の潮汐力は太陽活動に影響を与えるには弱すぎるとされている。地球への木星の潮汐力は月の潮力の100万倍弱く、金星の潮力は木星の潮力よりさらに弱い。こんなに小さな力が太陽に影響を与えるのはどういうことなのだろう?

ステファニーが主導した2019年の研究では、太陽の内部磁気ダイナモが外部の摂動(「パラメトリック共鳴(parametric resonances)」)に非常に敏感であることを示唆した。惑星の潮汐からの定期的な「タップ」音が、ピアノ奏者の時間を守るメトロノームのように、ダイナモを11年ごとのパターンに押し上げることもあった。

批判的な人たちは、太陽内部の対流ノイズ(右の写真)が潮汐応力を圧倒すると指摘している。しかし、偶然の一致は無視し難い。

ステファニーの最近の研究は、太陽のダイナモにおける磁気ロスビー波(magneto-Rossby waves)に焦点を当てている。「我々の最新のモデルは、これらの波の自然な周期が、金星、地球、木星の二つの惑星の春潮(spring tides)に驚くほどよく合致していることを示している。金星と木星の118日、地球と木星の199日、金星と地球の292日である。」

これらの春潮は太陽の周期を引き起こすものではないとステファニーは説明する。それらはそのタイミングを合わせるのに役立っている。潮汐の拍動の周期は、有名なシュワーベ周期(11年)、準二年振動(QBO)1.7年、スエス・ド・フリース周期(さらに90年と58年周期の2回)など、よく知られた太陽活動のサイクルと一致している。

しかし、批判的な人達は、これほど多くのサイクルや倍音を扱っているので常にマッチングできると主張している。実際にそれが真実なのかも知れない。

しかし、ステファニは、「現在の並びは、準二年周期振動の予想ピークのわずか40〜60日前に起きている。もしこの整列が我々のモデルの予測通り磁気ロスビー波を励起すれば、40日から60日後に強い太陽活動の確率が高まると予想されるかも知れない。」と言う。

2か月後の続編を楽しみに・・・。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>: Space Weather News

 1月 8日(木)・・・その2
ジュノからの高精細な木星の雲

<お断り>: 記事が溜まっていますので、折に触れて、複数の記事を、同時掲載します。

木星はどの程度複雑だろう? NASAの木星へのジュノ・ミッションは、木星の巨星が予想以上に複雑であることを実感している。

木星の磁場は地球の単純な双極子場とは大きく異なり、北が南よりも、複数の極が、複雑なネットワークに組み込まれていることがわかっている。さらに、ジュノの電波測定では、木星の大気は、上層の雲の層のかなり下、場合によっては数百キロメートルの深さに構造があることを示している。

木星の新たな複雑さは南の雲にも明らかであり、先月撮影されたテクスチャとカラーが強調されたこの特集画像に示されている。そこでは、赤道付近を支配するこの惑星のゾーンとベルトが、大陸規模の嵐の渦の複雑なミアズマ(miasma:不快な大気)へと変貌している。

ジュノは円軌道を繰り返し、毎月巨大な惑星の近くを急降下し、毎回少しずつ異なるセクターを探査している。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

 1月 8日(木)・・・その1
ジュノ、ガニメデと木星をフライバイ

<お断り>: 記事が溜まっていますので、折に触れて、複数の記事を、同時掲載します。

太陽系で最大の衛星の上空を飛ぶのはどんな感じだろう? 

2021年、ロボット宇宙船ジュノは木星の巨大な衛星ガニメデの上空を飛行し、詳細なフライバイイメージとしてデジタル構築されたイメージを撮った。

この特集の映像が始まると、ジュノは直径2,000キロメートルの二色の月の表面を飛び越え、溝やクレータに満ちた氷の異星の風景を明らかにする。溝は表面のプレートの移動によってできたと考えられ、クレータは激しいインパクトによって生じている。

軌道を続けた後、ジュノは、木星の雲の上を34回目の接近通過を行った。

このデジタルで作成された映像では、北側に渦巻く多数の雲、中央に色鮮やかな惑星の周回ゾーンや帯が描かれており、真珠の列から来たいくつかの白い楕円形の雲、そして最後に南側にはさらに渦巻く雲が現れる。

<ひとこと>: イメージのリンク先は動画 Youtube です。

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

 1月 7日(水)
銀河団を物理的に描く

銀河団は宇宙で最も質量の大きな天体であり、重力によって結ばれ、数千の個別の銀河と巨大な超高温のX線放出ガスの貯蔵庫を含んでいる。この高温ガスの質量は通常、銀河団内のすべての銀河の総質量の約5倍ある。これらの可視の成分に加え、銀河団の質量の80%はダークマターによって供給されている。これらの宇宙の巨星は、銀河や星、ブラックホールのみならず、宇宙そのものの進化と成長の指標でもある。

NASAのチャンドラX線天文台は、ミッションの期間中に、多くの銀河団を観測してきた。そのX線の視力によって、1億度に達する高温のクラスターガスの膨大な蓄積を極めて鮮明に見ることができる。この燃えさかるガスは、銀河団の内部の過去と現在の活動について物語を語っている。

これらの銀河団の多くは中心に超大質量ブラックホールを持ち、周期的に強力な爆発を起こす。これらの爆発は電波の波長で見えるジェットを発生させ、エネルギー粒子で満たされた泡を膨らませる。これらの泡は周囲のガスにエネルギーを運ぶ。チャンドラのイメージは、これらのブラックホールの爆発の間に形成されたフック、リング、アーク、ウィングなど多くの他の構造も明らかにしている。しかし、見た目だけではこれらの構造が何であるか、どのように形成されたかはわからない。

この問題に対処するために、天文学者達のチームは、X線データを解析する新しい画像処理技術を開発し、銀河団のガスの中の特徴を、これまでにない形で識別できるようにした。単なる外観ではなく、その性質に基づいて分類できるようになった。この技術、すなわち「X算(X-arithmetic)」と呼ばれる技術が登場する以前は、科学者達は、一部の特徴の性質を特定でき、しかもはるかに効率の低い方法で、異なる波長に分散するX線エネルギーの量を調べることでしかできなかった。著者らはX算を15の銀河団と銀河群に適用した。その結果とコンピュータシミュレーションを比較することで、研究者達はこれらの宇宙の重要な巨人の内部の物理的プロセスを理解するための新たなツールを手に入れた。

新しい論文では、これらの構造がX線スペクトルの異なる部分でどのように現れるかを調べている。チャンドラのデータを低エネルギーX線と高エネルギーX線に分け、両者の構造の強度を比較することによって、異なる色合いを持つ3つの異なるタイプに分類できる。音波や弱い衝撃前線にはピンク色が与えられる。これは、音速に近い速度で伝わる圧力の乱れによって生じ、熱いガスを薄い層に圧縮することから生じる。ジェットによって膨張する気泡は黄色、冷たいまたはゆっくりしたガスは青色である。各構造の性質を反映するように「描画」されたイメージは、X線イメージデータのみを用いてブラックホール活動の複雑な余波を解釈する新たな方法を提供する。この手法はチャンドラ(および他のX線)観測だけでなく、銀河団のシミュレーションにも応用でき、データと理論をつなぐツールを提供する。

この新しいコレクションのイメージでは、サンプル内の5つの銀河集団の中心領域を示している。上段は、MS 0735+7421、ペルセウス星団、M87乙女座銀河団、下段は、abell2052とシグナスAである。これらの天体はすべてチャンドラX線センターによって一般公開されているが、この特別な技術が適用されたのは今回が初めてである。この新しい方法では、研究における銀河団(galaxy clusters)と銀河群(galaxy groups)の重要な違いを強調している。

研究対象となる銀河団は、中心付近に冷たいまたは遅いガスの広大な領域を持つことが多く、衝撃の前線の証拠を示すものは一部に限られている。一方で銀河群は異なる。それらは中心領域に複数の衝撃の前線を示し、銀河団のサンプルと比べて冷たくゆっくりしたガスの量が少ないことが示されている。

銀河団と銀河群のこの対比は、ブラックホールのフィードバック、すなわちブラックホールの爆発と環境との相互依存関係が銀河群でより強く見えることを示唆している。これは、フィードバックが銀河団よりも群でより激しく働く場合や、銀河群は銀河団よりも重力が弱いためかも知れない。同じパワーレベルのブラックホールからの同じ爆発は、銀河団よりも銀河群に影響を与え易い。

これらのブラックホールの爆発についてはまだ多くの未解決の疑問が残っている。例えば、科学者達は、自分たちが周囲の気体にどれだけのエネルギーを注ぎ込み、どのくらいの頻度で起こるのかを知りたいと考えている。これらの激しい現象は、高温ガスの冷却を調整し、星団の形成を制御する上で重要な役割を果たす。この技術は、ブラックホールが残す構造の背後にある物理学を明らかにすることによって、最大スケールでのブラックホールの影響の理解に近づける。

--- 以下略。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Lee Mohon(著者名です)

1月6日(火)
空のセンチネル:GOES衛星観測50年の歴史

地球の衛星観測が日常的である現代において、数十年前までは地球環境の状態に関する情報が限られていたことを忘れがちである。観測は稀であり、データはまばらに存在していた。

1950年代後半には、初期条件が与えられれば正確に(あるいは予報士達が「熟練型」と呼ぶ)予報を生み出し得る、原始的な数値天気予報(NWP)モデルが存在していた。しかし、当時の初期条件を示すデータは非常に限られていた。例えば、1960年頃の気象のネットワークは対流圏の約10%しかカバーせず、南半球や熱帯地域、海洋には及んでいなかった。

衛星時代以前の気象予報士達は、通常、プロットされた天気図、雲の観測、気圧計測値の手動解析に頼って予報を行っていた。彼らはこの限られたデータセット、および特定の地域での予報の発表、今後の天気や嵐の事象を予測した自身の経験などを組み合わせていた。先駆的な予報士達は、限られたツールを最大限に活用したが、そのデータが不十分であったり、単にデータが不足したりすると、予測が不十分で、通常は2日以上は正確ではなかった。その結果、発表された予報は、地域社会が、雪嵐やハリケーンの前に十分に準備するための具体的な情報やリードタイムを欠いていた。

最初の衛星観測(例えばテレビ赤外線観測衛星(TIROS)計画や初期のニンバスミッション(Nimbus missions)は、気象予報の向上に期待を呼び起こしたが、極軌道衛星は1日に2回しか観測できなかった。上空からのスナップショットでは、急速に変化する気象現象(例えば、雷雨、竜巻、ハリケーンの強化)を追跡するには不十分だった。雲の情報に加え、予報士達は、これらのモデルの出力に加え、気温、湿度、風のプロファイルのデータも必要としていた。

静止軌道観測の登場が天気予報に画期的な進歩をもたらした。この方法によって、地球上の特定の地域の上空の大気を継続的に監視することが可能となった。即ち、NOAAの静止環境衛星(GOES)の開発と進化は気象予報にとって大きな成果となっている。

GOESは、50年間にわたって西半球を常に監視し、太陽や地球近傍環境を監視してきた。1975年以降、米国海洋大気庁(NOAA)とNASAは、静止軌道からのNOAA衛星観測を推進するために提携している。GOES衛星は空の見張りとして、地球上の激しい気象や環境災害、さらには危険な宇宙天候を常に監視している。この物語では、GOESにおける地球観測機器の開発と進化に焦点を当て、いくつかの宇宙気象機器にも言及する。

<イメージの説明>: GOESの50周年を記念して制作されたこのYouTube動画では、米国海洋大気庁(NOAA)とNASAのパートナーシップを検証し、静止軌道からのNOAA衛星観測を推進し、地球上の気象や環境災害、さらには危険な宇宙気象を監視している。

--- 以下略。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。左下のイメージのリンク先は動画 Youtube です。

<出典>:  Earth Observer Staff

12月31日(水)
2025年国際宇宙ステーション:科学スナップショット

2025年は国際宇宙ステーションでの科学研究の限界を押し広げる年となった。有人ミッションや補給船の重要な貨物や実験を運ぶ支援を受け、国際宇宙ステーション上では750件以上の調査が行われた。 今年の研究には、DNAのデータ保存能力の検証、必要に応じて重要な栄養素の生産、宇宙ゴミの除去、衛星メンテナンス技術の実証、次世代医薬品の進展などがあった。

世界中からの宇宙飛行士達が宇宙ステーションを訪れ、地球上の人類に利益をもたらす研究を継続し、NASAのアルテミス計画を含む将来の探査ミッションへの道を切り開いている。

2025年11月2日、NASAとその国際的なパートナーは、宇宙ステーションでの人類の継続的な滞在の25周年を達成し、人類の宇宙探査と科学的発見への献身を示した。

今年、宇宙ステーションでは、100万枚以上のイメージが撮影され、画期的な研究と記録、宇宙からの地球観測、さらには彗星その他の天体現象の捕捉も行われた。

2025年の宇宙ステーションでの写真を振り返ってみよう。

<記事の例:右>: 第73遠征隊司令官、日本宇宙航空研究開発機構(JAXA)の大西卓哉の協力を得て、アクシオムミッション4のハンガリーの民間宇宙飛行士ティボル・カプ(左)が、国際宇宙ステーションのきぼう実験室モジュールで、研究サンプルを低温保存装置に積み込んでいる。

<ひとこと>: 国際宇宙ステーションでの代表的活動はトップのイメージのリンク先から。

<出典>: Christine Giraldo(著者名です)

12月30日(火)
オリオンと嵐の海

2022年12月5日、無人のオリオン宇宙船のカメラが、オリオンの、月からの帰還の際のフライバイの様子を捉えた。

オリオンの拡げられた太陽電池パネルの一つの向こうには、 オケアノス・プロケラルム(Oceanus Procellarum:嵐の海) の西端に沿った暗く滑らかな地形が広がっている。

嵐の海は月の近い側の面に明らかであり、オケアヌス・プロセラルム(嵐の海)は月の溶岩に覆われた海の中で最大のものである。

月の夜と昼の間の境界線がこのフレームの左側に沿って走っている。

直径41キロメートルのマリウス(Marius)・クレータが中央上部にあり、太陽電池アレイの翼のすぐ右側の端にクレータ・ケプラーのピークが覗いている。ケプラーの明るい光が北と西に広がり、暗いフロアのマリウスに届いている。

オリオン探査機は2022年12月11日に母星に帰還した。歴史的なアルテミス1ミッションは、地球の水に満たされた太平洋でのオリオンの成功した着水で幕を閉じた。

<ひとこと>: 右下は嵐の大洋(または嵐の海)を示す参考図です。

来年早期にアポロ以来の月探査有人宇宙船アルテミスⅡの打上が計画されています。
大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

12月29日(月)
アポロ17号の月面船(Moonship)

不格好で角ばった外観のアポロ17号の月着陸船チャレンジャーは、真空に近い宇宙空間での飛行を想定して設計された。デジタル再処理されたこの写真では、アポロ17号のコマンドモジュール「アメリカ」から撮影されたチャレンジャー号の月軌道での上昇段(ascent stage)を示している。

小型のリアクションコントロール推進装置が月着陸船の側面にあり、その下には上昇ロケットエンジンのベルが設置されている。

月面へのアクセスを可能にするハッチが前方に見え、上部には丸いレーダーアンテナが設置されている。

三角形の窓からミッション司令官のジーン・サーナンがはっきりと見えている。--- イメージの中心付近の三角形の窓を見る(大判イメージから)

この宇宙船は見事に機能し、1972年12月に月に着陸し、アポロ宇宙飛行士達を軌道上の指令船へ帰還させた。

チャレンジャーは今どこにあるのだろう? 降下段(descent stage)はトーラス・リトロウ渓谷のアポロ17号着陸地点に残っているが、この写真に写っている上昇段は、宇宙飛行士達が地球に帰還する前に司令船から切り離された後、意図的に近くに墜落させられた。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

12月28日(日)
太陽の合に先立ってMAVENの問題を調査

NASAは、12月6日に最後の連絡があったMAVEN(Mars Atmosphere and Volatile EvolutioN)探査機との再連絡を続けている。NASAの深宇宙ネットワーク(DSN)と連携し、MAVENチームは、宇宙船回復のための指令を送信し、ネットワーク上の宇宙船の信号を監視している。

MAVENチームは、また、12月6日の無線科学キャンペーンから回収された追跡データの断片の解析も継続している。この情報は、可能な出来事のタイムラインを作成し、問題の根本原因を特定するために使われている。
NASAのキュリオシティチームは、その取り組みの一環として、12月16日と20日に、ローバーのマストカメラを使ってMAVENの基準軌道を撮影しようとしたが、MAVENは検出されなかった。さらなる解析は継続されるが、これらの計画中の監視は、今後の太陽との“合”の影響を受けるだろう。

火星の太陽との合は、地球から見て火星が太陽の裏側にある期間であり、NASAは、12月29日月曜日に始まり1月16日金曜日まで、火星ミッションとは接触しない。太陽の合が終わった後、NASAは、MAVENとの通信に向けた取り組みを再開する予定である。

<ひとこと>: 大判イメージは省略。太陽の“合”の間、ヨーロッパ宇宙機関を含む、全ての火星の軌道船、探査車との通信が絶たれます。

<出典>:  Erin Morton (著者名です)

12月27日(土)
すばる望遠鏡が恒星間天体 3I/ATLAS を撮影

太陽系外から飛来した恒星間天体であるアトラス彗星(3I/ATLAS; C/2025 N1)を、2025年12月13日(ハワイ現地時間)早朝、すばる望遠鏡の微光天体分光撮像装置 FOCAS が撮影しました。

アトラス彗星は 2025年7月1日に南米チリの小惑星地球衝突最終警報システム「ATLAS」によって発見されました。オウムアムア(1I/ʻOumuamua; C/2017 U1)、ボリソフ彗星(2I/Borisov; C/2019 V4)に続く3例目の恒星間天体です。撮影時、アトラス彗星は地球から約 2.7 億キロメートル(太陽-地球間の約 1.8 倍)の距離にあり、地球への最接近(12月19日)を目前に控えた時期でした。ごく短時間の撮影でしたが、拡がった彗星の尾が鮮明に捉えられています。

<ひとこと>: 詳細は下記「すばる望遠鏡」のサイトから。大判はイメージのリンクから。

<出典>: すばる望遠鏡

12月26日(金)
ミステリー:初期宇宙の小さな赤い点

この小さな赤い点(LRDs:little red dots)は何だろう?

昨年、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によって、初期宇宙に、数百の LRD が発見された。今、他の目的のために行われた深い観測で、極端に微弱ではあるがLRDが頻繁に特定されている。

LRDって何だろう? そしてその重要性について幅広い議論が続いている。

その起源の仮説としては、ガスやダストの雲の中での超大質量ブラックホールの降着、若くダストで赤く染まった銀河達での星形成の爆発、また、ガス雲によって駆動された暗黒物質などがある。

ハイライトされたこのイメージには、ウェッブ計画の下でリストされたあまり特徴のないLRDの六つと、 宇宙的赤方偏移(cosmological redshift)と呼ばれる距離の指標 Z が示されている。

加えて、我々の近隣の銀河では、以前のLRD達が今日どのようになったかを探すための捜索が進んでいる。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

12月25日(木)
水星のナトリュームの尾
(Space Weather News)

太陽系で最も大きな彗星は実は惑星水星である。12月3日、スティーブン・ベラビアはバージニア州サリーからこの水星の素晴らしい尾を撮影した。

この2400万キロメートルのガスの煙は、太陽の影響でまるで彗星のように水星から放出されている。

水星の尾は、1980年代に初めて予測され、2001年に発見された。その発生源は水星の極めて薄い大気である。水星は太陽に非常に近いために、太陽光の圧力で原子が大気圏から宇宙へと押し出される。最も重要な原子はナトリウムであり、強い散乱する光を放ち、尾に黄色を与える。ベラヴィアは、この589nmの明るい黄色のナトリウム光を捕捉するために狭帯域フィルターを使った。

水星の尾は太陽の周りを公転しながら明るさが増減する。この予測可能なパターンは、長年にわたり水星の尾部を間近な距離で観測してきたNASAのメッセンジャー宇宙船のムービー(省略:ご覧の方原典から)に示されている。

<ひとこと>: 「水星の尾」については、ウィキペデイアから見ることができます。 「水星の大気」 から。

<出典>:  Space Weather News

12月24日(水)
回転する地球における至点

<前書き>: NASA、ESAを含む諸外国の機関は、今、クリスマス休暇に入っています。これは12月21日付けの記事です。

地球の傾きによって今日が至点だと説明できるだろうか? 冬至の時期には地球の昼夜が最も偏る。このコマ落としの映像では地球の1年間を12秒で表現している。

静止軌道から、メテオサット9号衛星は、毎日同じ現地時間に地球の赤外線画像を記録した。この30枚のイメージのモンタージュは、宇宙船の極紫外線画像望遠鏡で撮影され、太陽の変遷する姿のスナップショットを提供している。最も明るいイメージは、太陽の極大期の頃に現れ、太陽の磁場がねじれ、形を変えている。この磁気活動のおかげで、太陽は極紫外線光でより明るく輝き、また荷電粒子の流れを宇宙空間に放出する頻度も増える。

このビデオは2010年9月の秋分から始まった。地球が太陽の周りを公転する中、ターミネータ(昼夜境界線)が傾き、北半球への日照が減り、北半球に冬をもたらした。最も大きな傾きは、北での冬至、南での夏至が訪れた。

年が進むにつれて、2011年3月の春分がビデオの半ばに訪れ、その後ターミネータが反対方向に傾き、南半球に冬、北半球に夏をもたらした。

捉えられた年は再び9月の秋分で終わり、地球は、また、これからも何十億回も太陽周りの旅を続けるだろう。

<ひとこと>: イメージのリンク先は動画 .mp4 です。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

12月23日(火)
太陽に関する最近の話題(その6:最終)
NASAのPUNCH、太陽からの噴出の編集画像を公開

NASAのPUNCH (Polarimeter to Unify the Corona and Heliosphere) ミッションは、10月21日から11月12日にかけて発生した太陽からの巨大な噴出、コロナ質量放出(CME)の処理済みイメージを公開した。この発表は、PUNCHの観測が太陽の外層大気から惑星間空間への太陽の噴出を継続的に追跡するために初めて利用可能となったことを意味する。

PUNCHミッションの各宇宙船には、太陽の外層大気、すなわちコロナを調査するためにカメラが装備され、これは他の宇宙船と連携して単一の「仮想機器」として機能する。1台のパンチ宇宙船には狭域画像装置が搭載されており、これは、太陽の円盤からの明るい光の半径を遮断し、太陽のコロナ、つまり外層大気の幽かで薄い詳細を明らかにするコロナグラフである。他の3機のPUNCH衛星は、それぞれ広視野画像装置を搭載し、太陽コロナの最外縁部と太陽風のイメージを撮影する。このミッションでは、これらの個別の映像を組み合わせて広視野の合成を作り、PUNCHが太陽から地球までの宇宙気象の出来事を追跡できるようにする。

この映像では、PUNCHが数週間にわたり太陽の表面から噴出する複数のCMEを捉えた。これらの放出は地球上で激しい地磁気の嵐を引き起こし、特に11月中旬の嵐はG4(深い)と評価された。NOAA(米国海洋大気庁)宇宙気象予測センターによれば、G4ランクは2番目に高いレベルであり、地球の磁場への深刻な撹乱のリスクと放射線被曝の増加を示す。

パンチミッションの4つのスーツケースサイズの宇宙船は地球の昼夜境界に沿って配置されており、太陽とその周囲を、連続的かつ遮るものなく見渡すことができる。これによって、太陽のコロナがどのようにして太陽系内を移動する物質の一定の流出、すなわち太陽風に変わるかを調査できる。

<ひとこと>: 記事は要約しています。トップのイメージのリンク先は動画 .mp4、 右下のイメージのリンク先は動画 .gif です。
なお、右下のイメージには日本列島が表れていますが特段の意味はありません。

<出典>:  Desiree Apodaca (著者名です)

12月22日(月)
太陽に関する最近の話題(その5)
プロバ2、3、SOHOによって捕捉されたコロナ質量放出
(ヨーロッパ宇宙機関)

ヨーロッパ宇宙機関の編隊飛行ミッションProba-3搭載のASPIICコロナグラフは、太陽の極紫外線画像装置と従来のコロナグラフの視野の間の隙間で太陽のコロナを観測できるために、内部太陽コロナの研究に特に適している。

このタイムラプスアニメーションは、7月16日に、異なるヨーロッパの3つの機器が異なるミッションで1時間半にわたって観測したものを組み合わせたものであり、右上にコロナ質量放出(CME)を撮っている。1つは太陽の円盤と低コロナ(人工的に黄色で塗られたもので、Proba-2搭載の極紫外線望遠鏡(SWAP)によって撮影された。SOHOのLASCO C2コロナグラフが観測した外側のコロナ(赤色)、そして内側のコロナ(緑色)は、Proba-3のASPIRSコロナグラフによって詳細に撮影され、隙間を埋めている。

CMEはProba-2によって捕獲された太陽円盤の端から始まるのが見える。その後、内側のコロナ領域にまで広がりSOHOが観測した高コロナに達する。今やCME構造が太陽から外側に広がっているのを観測できる連続性がある。

<ひとこと>: 記事は要点のみ。

<出典>:  Proba-3

12月21日(日)
パーカー太陽探査機、恒星間彗星3I/ATLASを観測する

NASAのパーカー太陽探査機は、2025年10月18日から11月5日まで、WISPR広視野太陽探査機用装置を通して、恒星間彗星3I/ATLASを観測した。宇宙船は1日に約10枚の彗星画像を撮影した。この期間中、パーカー太陽探査機は、9月15日の25回目の太陽フライバイを終えて、太陽から急速に離れていた。(動画です。イメージのリンク先から)

まだ最終的な較正と処理が必要であるが、左上の初期画像では、パーカーの視点からの彗星が、太陽の後ろに向かっている様子が見える。当時、彗星は太陽に最も近い約1億3千万マイルの距離にあり、火星の軌道のすぐ外側に位置していた。これらのイメージは、地球の視点から太陽に近すぎて見えなかった時期の彗星を貴重な視点で捉えている。

WISPRチームは、散光を除去し、イメージごとの露出時間が異なり彗星の明るさが変わったように見えるために、誤った日光を除去するための補正を続けている。最終的なイメージは、科学者達がこの星間訪問者をよりよく研究するのに役立つだろう。

<右図>: リンク先の動画は、2025年10月18日から11月5日にかけて、パーカー太陽探査機のWISPR機器が撮影した生の未処理観測データであり、彗星3I/ATLASが右から左へ移動する様子を示している。

<左図:付記>: ヨーロッパ宇宙機関のX線画像分光ミッション(XRISM)も、また、2025年11月26日から28日にかけて、17時間にわたって、星間彗星3I/ATLASを“X線で”観測した。

<ひとこと>: トップ及び右下イメージのリンク先は共に動画 .mp4 です。

本コーナーでも再三取り上げている星間彗星3I/ATLASは、記録に残っている3回目の太陽系外天体ということから多くの関心が寄せられています。その経路上、今、最も地球に近づいているとされていますが、その大きさと距離から、一部の宇宙船からしか確認できません。

<出典>: Mara Johnson-Groh (著者名です)

12月20日(土)
ホイヘンスからのタイタンの表面

もしタイタンの上に立てたら何が見えるだろう?

タイタンからの特徴的なこのカラー視界は、土星最大の衛星に広がる見知らぬ遠い風景を見渡している。この光景は2005年にヨーロッパ宇宙機関のホイヘンス探査機によって記録された。それはメタンを含む濃い窒素の大気中を2.5時間かけて降下した後のことだった。

地上の、不気味なオレンジ色の光に照らされた中での散らばる岩は、摂氏179度という過酷な温度で固まった水の氷と炭化水素で構成されている可能性が高い。

中心の下と左にある大きな明るい色の岩は、幅約15センチメートルであり、85センチメートル離れている。

円盤型の宇宙船は、タイタン表面の湿った砂や粘土のような質感を持つ場所に約15センチメートル侵入したと考えられている。

ホイヘンスのバッテリーによって、着陸後90分以上にわたってデータの取得および送信が可能となった。

タイタンの奇妙な化学環境は、生命が進化する前の地球と似ている可能性がある。

<参考>: 2004年、NASAの宇宙船カッシーニが土星に到着して探査を始めた。カッシーニには英国開発の探査機ホイヘンスが搭載されていた。ホイヘンスは、土星の衛星タイタンに降下・着陸し、観測する目的で準備されていた。ホイヘンスは、写真のようにタイタンに着陸に成功し、その表面を撮って送り返したが、間もなくして通信が途絶えた。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

12月19日(金)
太陽に関する最近の話題(その4)
パーカー太陽探査機、太陽の外縁をマッピング

天文学者達は、NASAのパーカー太陽探査機の助けを借りて、初めて、太陽の大気の外縁部の連続した二次元マップを作成した。

科学者達がアルヴェーン(Alfvén)面と呼ぶこの境界では、太陽の物質が太陽から逃げ出して太陽風となる。これは時速1600万キロメートルの粒子の流れとなり、太陽系のあらゆる方向に流れ、惑星や宇宙船またその道を阻むあらゆるものに衝突する。

Astrophysical Journal Lettersに掲載されたこの研究では、パーカー太陽探査機の太陽風電子アルファ・陽子(SWEAP)装置を用いた結果が、太陽が11年の太陽周期で活動が活発になるにつれて、この境界がより大きく、粗く、トゲトゲしていることが示されている。

科学者達は、NASAとヨーロッパ宇宙機関の太陽軌道船などの、他の太陽観測衛星を使って、太陽の大気と太陽風の境界をマッピングし始めている。しかし、パーカー太陽探査機は、歴史上最も太陽に近づき、この境界を何度も通過するほどに近づき、地図の直接的な検証を提供し、太陽の活動の変化に伴う境界の変化を示している。

この重要な境界が正確にどこにあるかを知ることによって、科学者達は、太陽の外層大気であるコロナに関する大きな疑問に答え、太陽活動が地球上の生命や我々の技術を含む太陽系全体にどのような影響を与えるかの理解を助けるだろう。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Vanessa Thomas (著者名です)

12月18日(木)
太陽に関する最近の話題(その3)
パーカー太陽探査機、太陽風の「Uターン」を観測

2024年12月にNASAのパーカー太陽探査機が太陽に記録的な最接近を果たした際に撮影したイメージは、宇宙気象の原因となる太陽の磁場がどのように太陽から逃げ出すのかについて新たな詳細を明らかにした。

太陽は時折破壊的な爆発を起こす。磁化された物質や危険な高エネルギー粒子を噴き出し、太陽系を移動する宇宙の気象を駆動する。これらの爆発は、GPSなどの技術の妨害や停電など、日常生活に影響を及ぼし、航海中の宇宙飛行士や宇宙船を危険にさらす。このような太陽の爆発、すなわちコロナ質量放出(CME)がどのように起こり、どこに向かっているのかを理解することは、地球、月、火星への衝突を予測し準備するために不可欠である。

2024年12月にパーカー太陽探査機(Parker Solar Probe)が撮影したイメージは、CME内のすべての磁気物質が太陽から逃げ出すわけではなく、一部が太陽に戻り、太陽の大気の形状を微妙ながら重要な形で変化させ、次の太陽からのCMEの爆発の軌道を決定づけることを明らかにした。これらの発見は、CMEによる磁場の放出が惑星だけでなく太陽そのものにどのように影響を与えるかを理解する上で広範な意味を持つ。

<イメージの説明>: NASAのパーカー太陽探査機の広視野イメージャーによるこの動画は、太陽の上層大気で起こるインフロー(inflow:流入)という現象を示している。インフローは、伸びた磁力線が再構成され、その線に沿って閉じ込められた物質が太陽表面に向かって雨のように降り注ぐ結果である。

<ひとこと>: 以上、要点のみ編集。イメージのリンク先は動画 .mp4 です。

<出典>:  Parker Solar Probe

12月17日(水)
NASA、MAVEN宇宙船との再接触の試みを継続

<お詫び>: 先に記事で、メイブンと地球との通信が「太陽の陰に隠れていた再出現後に途絶えた」と記載しましたが、「“火星”の陰に隠れていた再出現後にメイブンとの通信が途絶えた」---が正しいのでお詫びして訂正します。なお、以下の記事は修正してあります。

<前書き>: 太陽に関する最近の記事を連載中ですが、火星探査軌道船メイブン(MAVEN)と地球上との通信が失われていますので、その状況報告を割り込ませます。

12月始め、火星探査機の一つ、軌道船メイブンが周回中、火星の向こう側から現れた時、地球との通信が復元できないことが明らかになりました。現状ではメイブンに何が起きたかは明らかではありません。
火星には、今、メイブンの外、軌道船としては、NASAのマーズ・オデッセイ、ヨーロッパ宇宙機関のマーズ・エクスプレス、エクソマーズがあり、地上にはNASAのパーサビアランスとキュリオシティの二つの探査車があります。地上の探査車との通信は軌道船が中継していることもあって、メイブンのトラブルは、地上の探査車の活動にも影響します。このため、火星探査は、今、メイブンの故障原因調査・修復への試みに加えて、ヨーロッパ宇宙機関を含むトータルでのコントロールの調整が必要になっています。

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以下は、NASAの関連記事です。

NASAのメイブン(MAVEN:Mars Atmosphere and Volatile EvolutioN)ミッションチームは、ディープスペースネットワークと連携し、12月6日に宇宙船との連絡を失った後も回収活動を続けている。これまでのところ、宇宙船との再連絡取得の試みは成功していない。

12月4日以降、宇宙船の遠隔通信は受信されていないが、チームは、12月6日の追跡データの断片を回収し、進行中の電波科学キャンペーンの一環として確認した。その信号の分析によると、MAVENは、火星の背後から出てきた際に予期せぬ回転をしていたことが示唆されている。さらに、追跡信号の周波数から、MAVENの軌道が変わった可能性が示唆されている。チームは追跡データを分析し、信号喪失に至る最も可能性の高いシナリオを理解しようとしている。
MAVENとの連絡再確立に向けた取り組みも継続中である。

NASAはまた、MAVEN異常がNASAのパーサビアランスとキュリオシティの地上運用に与える影響を軽減するためにも取り組んでいる。MAVENを含む火星の4基の軌道船がローバー運用を支援するために地表との通信を中継している。NASAの火星偵察オービター、マーズ・オデッセイ、そしてヨーロッパ宇宙機関のエクソマーズ・トレースガスオービターはいずれも稼働中である。今後2週間内に予定される地表運用に向けて、NASAは、残りの軌道船からの追加パスを手配しており、パーサビアランスとキュリオシティのチームは、科学ミッションを継続するために日々の計画活動を調整している。

<参考>: 12月9日の記事:
NASAのチーム、MAVEN宇宙船信号喪失に取り組む
NASAのMAVENは、火星の周回軌道上で、12月6日に地上局との信号が途絶えた。MAVENのテレメトリーは、赤い惑星の背後を周回する前にはすべてのサブシステムが正常に動作していることを示していた。宇宙船が火星の背後から現れた後、NASAのディープスペースネットワークは信号を観測しなかった。

<ひとこと>: 大判イメージは省略。

<出典>:  Erin Morton(著者名です)

12月16日(火)
太陽に関する最近の話題(その2)
スワーム、太陽嵐中にまれな陽子スパイクを検出
(ヨーロッパ宇宙機関)

ヨーロッパ宇宙機関(ESA)のスワーム(Swarm)ミッションは、11月の地磁気の嵐の際に、地球の極地で、高エネルギー陽子の大きな一時的な急増を検出した。これは地球の磁場を測定する科学的装置ではなく、スワームミッションで初めての「スタートラッカー」測位装置で行われた。

11月12日にはスワームの磁力計が通常の10倍の磁気の揺らぎを検出したが、極の周囲で一時的に高エネルギー陽子が増加したのは星追跡装置だった。11月11日から13日にかけての地磁気の嵐の際には、高エネルギー陽子のフラックスのレベルは通常の300倍に達した。

ESAの地球観測FutureEOプログラムのもとで開発されたアース・エクスプローラミッション「スワーム」は、地球を取り巻く目に見えない力場についてより深く理解することに専念している。地球の磁場は、地球の溶融した核の奥深くから遠くまで広がり、有害な荷電粒子をはじくことで宇宙放射線や太陽風から我々を守っている。

高度400〜500kmの軌道上を公転するスワーム衛星は、地磁気の嵐の影響を監視するのに最適な位置にある。

2013年に同時に打ち上げられた3基のスワーム衛星のそれぞれには、磁場の強さと方向の両方を測定できる2種類の磁力計を含む複数の機器が搭載されている。また、宇宙空間の中での正確な位置と向きを確認するための星追跡装置も搭載している。

スタートラッカーは、衛星の位置や姿勢(向き)を測定し、星に対する位置を測定する光学機器である。したがって、通常は宇宙で衛星の正確な位置特定に使われる星追跡装置であるが、今回はスワームの星追跡装置が重要なデータの驚くべき情報源となった。

<ひとこと>: イメージのリンク先は動画 .gif です。

<出典>:  Swarm (ESA)

12月15日(月)
太陽に関する最近の話題(その1)
SOHOの30年にわたる太陽のイメージ
(ヨーロッパ宇宙機関)

NASAとヨーロッパ宇宙機関の太陽・太陽圏観測所(SOHO)は、30年間にわたって太陽を観測している。その間に、SOHOは、太陽の11年周期のうちほぼ3回を観測しており、その間に太陽活動は増減している。

この30枚のイメージのモンタージュは、宇宙船の極紫外線画像望遠鏡で撮影され、太陽の変遷する姿のスナップショットを提供している。最も明るいイメージは、太陽極大期の頃に現れ、太陽の磁場がねじれ、形を変えている。この磁気活動のおかげで、太陽は極端紫外線の光でより明るく輝き、また荷電粒子の流れを宇宙空間に放出する頻度も増える。

個々のイメージは、28.4ナノメートルの波長で撮影され、太陽の大気、すなわちコロナの中で約200万度の温度を持つガスが写っている。

<ひとこと>: トップのイメージをアニメーションで見るには こちら から。

<出典>:  Week in images (ESA)

12月14日(日)
M77:活動中心を持つ渦巻銀河

近くの渦巻銀河M77の中心で何が起きているのだろう? このフェース・オン銀河は、海の怪物セトス座(Cetus)の方向わずか4700万光年にある。

その推定距離では、この美しい島宇宙は直径約10万光年である。

NGC 1068とも呼ばれ、そのコンパクトで非常に明るい核は、活動中のセイファート銀河の超大質量ブラックホールの謎を探る天文学者達によってよく研究されている。

M77の活動的なコアは、X線、紫外線、可視光、赤外線、電波波長で明るく輝いている。

このM77の鮮明なイメージは、ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された。イメージでは、銀河の明るい白く輝く中心を囲む赤いダストの雲や青い星団によって描かれた螺旋の腕の詳細を示している。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

12月13日(土)
夜の地球の上を飛ぶ

夜、地球の上を飛ぶと多くの驚異が見える。

このような視覚的なスペクタクルは低軌道の宇宙飛行士にとって毎日起こっているが、この特集の映像では、2011年に国際宇宙ステーション(ISS)から撮影された複数の映像に熱狂的な音楽が付された。

下を通り過ぎるのは白い雲、オレンジの街灯、雷雨の稲妻、そして濃紺の海である。地平線には地球の薄い大気の黄金色の霞が広がり、映像が進むにつれてしばしば踊るオーロラに彩られる。オーロラの緑色の部分は、通常は宇宙ステーションの下に残るが、ステーションは、赤と紫のオーロラのピークをそのまま通過する。

ISSの太陽電池パネルがフレームの縁に置かれている。

各シーケンスの最後に近づく不吉な明るさの波は、90分ごとに訪れる太陽の照らされた地球の夜明けである。

<ひとこと>: イメージのリンク先は動画 Youtube です。

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

12月12日(金)
EarthCARE、気象モデルの陰を晴らす
(ヨーロッパ宇宙機関)

欧州宇宙機関(ESA)のEarthCARE衛星は、雲やエアロゾルが地球のエネルギーバランスにどのように影響するかを直接計算するために使われる。これは我々の気象を調整する極めて重要なバランスである。EarthCAREは気象モデルの精度をさらに高める。

雲やエアロゾルは、現在、全体的な冷却効果を持つことが知られているが、太陽からの入射エネルギーや地球が宇宙に放出する熱放射との相互作用は非常に複雑で、完全には解明されていない。

温室効果ガスの排出が地球を温暖化し続ける中、雲がどのように反応するかは依然として明らかでない。例えば、雲の覆いが減少すれば、より多くの日光が地表に届き、温暖化がさらに強まる。

エアロゾルは一層不確実性を加えている。産業汚染の急激な減少から大量の山火事の煙に至るまで、最近の変化は、気象システムにおける支配的な役割を大きく変える可能性がある。しかし、これらの変化の全容は依然として明らかでない。

将来の気候変動の予測は、大気、海洋、また異なるシナリオの下での地球全体のシステムをシミュレートするコンピュータモデルに依存している。雲、エアロゾル、そしてそれらが太陽光や赤外線放射と相互作用する気象モデルの表現は、その動きの簡略化された数学的記述に基づいており、多くの場合、測定値や多くの仮定に依存している。

2024年5月に打ち上げられたEarthCAREは、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同開発された、ヨーロッパ宇宙機関の地球探査ミッションであり、雲やエアロゾルの異なる測定を同時に行うための4つの特殊な機器を搭載している。

EarthCAREは、観測を組み合わせることによってで、雲に含まれる水分量や雲の粒の大きさといった重要な性質を算出できる。これによって気象モデル表現方法を改善し、より信頼性の高い気象予測への道が開かれる。

右下のアニメーションは、2025年9月20日の、フィリピン近海の台風ラガサであり、EarthCAREが取得した一連の測定データを紹介し、ミッションの主要な科学目標の一つである「放射の閉鎖(radiative closure)」を示している。

--- 以下略。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。右下のイメージのリンク先は動画 .mp4 です。

<出典>:  Week in images (ESA)

11月11日(木)
センチネル-5、大気中のガス画像を初公開
(ヨーロッパ宇宙機関)

打上からわずか3か月余り以前に、コペルニクス・センチネル-5Aは初めてのイメージを送り返した。これには、オゾンの世界マップ、中東と南アフリカの二酸化窒素マップ、アフリカの一部のホルムアルデヒドのマップ、ロシアの活火山からの二酸化硫黄の排出などが含まれ、ミッションが世界中で大気中のガスを監視する強力な能力を示している。

センチネル5Aは、2025年8月に極軌道に打ち上げられた初のMetOp第2世代(MetOp-SG-A1)気象衛星に搭載された先進的な画像分光計である。

将来的には、さらに2基のセンチネル-5Cとセンチネル-5Dが打ち上げられ、それぞれは MetOp-SG-A2、MetOp-SG-A3 として、センチネル-5ミッションで20年以上の寿命を達成する。

センチネル5ミッションは、主要な大気汚染物質、重要な気候変数、そして地球上の生命を有害な紫外線から守る成層圏オゾンの観測を提供する。

センチネル5は、高度832kmの極地の太陽同期軌道から、毎日、世界中で包括的なデータを収集している。これは静止軌道からヨーロッパと北アフリカを毎時間観測するセンチネル4号ミッションを補完する。

センチネル5ミッションの高分解能画像分光計は、紫外線、可視光、近赤外線、短い赤外線の7つのスペクトル帯域で動作し、オゾン、二酸化窒素、二酸化硫黄、ホルムアルデヒド、グリオキサール、一酸化炭素、メタンなどの微量ガス、さらにエアロゾルや紫外線を測定する。

センチネル-5Aはまだコミッショニング段階にあるが、この最初のイメージは、これから何が起こるのかを垣間見せてくれている。

<ひとこと>: イメージのリンク先は動画 .mp4 です。

<出典>:  Week in images (ESA)

12月10日(水)
OASIS計画の初成果:巨大惑星と褐色矮星の発見
(すばる望遠鏡)

<イメージの説明>: 発見された巨大ガス惑星「HIP 54515 b」の連続画像。矢印で示されているのが「HIP 54515 b」で、星形のマークは主星(HIP 54515)の位置。点線は、主星からの光を遮るマスクの輪郭。

すばる望遠鏡による高精細な撮像と、宇宙望遠鏡のデータを組み合わせることで、恒星を周回する軽い天体が2つ発見されました。巨大ガス惑星や褐色矮星(わいせい)の像を直接捉え、その性質を明らかにすることを目指す探査計画 「OASIS(オアシス)」の初成果です。

OASISでは、まず恒星の位置を精密に測定した宇宙望遠鏡のデータから、わずかなふらつきを示す恒星を特定します。そしてその恒星をすばる望遠鏡で撮影して、恒星を周回する軽い天体を直接捉えます。軽い天体の質量や軌道を精密に測定できるのが、OASISの大きな特徴です。

OASISで最初に発見された「HIP 54515 b」は、木星の18倍弱の質量を持つ巨大ガス惑星です。主星からわずか0.15秒角しか離れておらず、その姿を直接捉えることは、すばる望遠鏡が搭載する観測装置の限界に迫る挑戦でした。また、2つ目に発見された「HIP 71618 B」は、木星の約60倍の質量を持つ褐色矮星です。この系は、2027年に打ち上げが予定されているローマン宇宙望遠鏡が太陽系外惑星を撮影するためのテストに好適なことが分かりました。今後の太陽系外惑星の研究を進展させるために大きな役割を果たすと期待されます。

今回の発見は、恒星の位置測定と高精細の撮像を組み合わせることで多くの情報が得られることを実証しました。OASISはすでに数十個の候補星を調査しており、今後さらに多くの発見が続くと期待されます。これらの成果は、巨大ガス惑星や褐色矮星がどのように形成され、その大気がどのように進化するのかを理解する上で重要です。さらに将来、生命が存在しうる地球型惑星を見つけるための望遠鏡技術の発展にも寄与するでしょう。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  すばる望遠鏡

12月9日(火)
地球に向う太陽のフレアとCME
(Space Weather News)

それはほぼXフレアだった。12月6日(国際時間20:39:日本時間04:39am)、黒点4299は地球に直接向かうM8クラスの太陽フレアを発生させた。

大気中の電離が、太平洋上空で、短波の停止を引き起こした。海の従事者やアマチュア無線オペレータは、フレア発生後15〜20分間、20MHz以下の全周波数で信号を失った可能性がある。

より注目すべきはCMEである。NOAAとSOHOのコロナグラフは、地球に向かって直進する完全なハローの嵐の雲を検出した。NASAとNOAAのモデルは、CMEが12月9日に到着すると一致している。

このインパクトは、カテゴリーG2(中)からG3(強)の地磁気の嵐を引き起こす可能性がある。嵐がこの範囲の上限に達すると、中緯度のオーロラと月の光が混ざることもある。

<ひとこと>: イメージのリンク先は共に動画 .gif です。

<出典>: Space Weather News

12月8日(月)
彗星3I/ATLAS、Juiceナビゲーションカメラで動きを示す
(ヨーロッパ宇宙機関)

2025年11月、ヨーロッパ宇宙機関の木星の氷の衛星探査機(Juice)は、5つの科学機器を使って3I/ATLASを観測した。これらの機器は彗星の挙動や構成に関する情報を収集していた。Juiceは、さらに、搭載されたナビゲーションカメラ(NavCam)を使って彗星を撮影した。

科学機器のデータは2026年2月まで地球には届かないが、Juiceチームは、ナビカメラのイメージを、4分の1だけダウンロードして確かめることにした。活動の兆候に囲まれた、非常にはっきり見える彗星は彼らを驚かせた。

彗星の周囲に輝くガスの後光であるコマがはっきりと見えるだけでなく、二つの尾の兆候も見える。彗星の「プラズマの尾」は電気を帯びたガスでできており、フレームの上部に向かって伸びている。また、フレームの左下に伸びる小さな固体粒子からなる薄い「ダストの尾」も見えるかもしれない。

このイメージは、Juiceが3I/ATLASを初めて観測した、ジュースが約6600万キロメートルの距離で彗星に最も近づく11月4日の2日前の、2025年11月2日に撮影された。

ジュースは、10月時点では火星を周回する探査機よりも3I/ATLASから遠かったものの、彗星が太陽に最も近づいた直後に3I/ATLASを観測したために、より活発な状態にあったことを示している。来年受け取るであろう追加の科学機器のデータからは、これには、JUICEの高解像度光学カメラであるJANUSのイメージだけでなく、分光データ、組成データ、粒子データなども含む、活動のより明確な兆候が見られると期待される。

<ひとこと>: 記事は要約しています。“左上の比較のイメージの移動”を試みる場合は下記ページから。

<出典>: Week in images (ESA)

12月7日(日)
土星の長い嵐のシステム

これは、太陽系でこれまでに記録された嵐の中で最大かつ最も長生きした嵐の1つである。
<参考>---土星の北半球上部、または、全体の図の上4分の一付近を横断して見える、強い橙色の嵐の群れを指す---。

2010年後半に初めて見られた土星の北半球の特徴的な雲の形成は、地球よりも大きく始まり、すぐに球の周りに完全に広がった。

この嵐は地球からだけでなく、土星を周回していたロボットカッシーニ宇宙船によっても間近から追跡された。2月の疑似カラー赤外線で撮られたオレンジ色は、大気の奥深くにある雲を示している。 明るい色は高い部分の雲を強調している。

土星のリングは青く細い水平線として見えている。歪んだ暗い帯は、左上からの太陽によって雲の頂上に投げかけられたリングの影である。

雷による電波ノイズの発生源でもあるこの激しい嵐は、土星の北に春が訪れるときの季節の変化に関連していると考えられた。 6か月以上にわたって猛威を振るった後、この象徴的な嵐は惑星全体を一周し、その後、自分の尾を吸収しようとしたが、驚くべきことに尾は消えてしまった。

<ひとこと>: この記事は、10月の、米国国家予算凍結によってNASAが活動停止していた約一か月後に、まとめて発表されたものの一つです。この嵐が発生した2010年には、編者もカッシーニ宇宙船からの報告を見ていましたが、何故、この時に、このような、はっきりした、強い、大きな嵐が土星に現れたのか、不思議でした。

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

12月6日(土)
センチネル-5Aによる地球の放射度の測定
(ヨーロッパ宇宙機関)

打上げから僅か3か月余の前に、コペルニクス・センチネル5Aは初めてのイメージを返り送した。これには、オゾンの世界の地図、中東と南アフリカの二酸化窒素マップ、アフリカの一部のホルムアルデヒドの地図、ロシアの活火山からの二酸化硫黄の排出などが含まれており、このミッションが、世界中で、大気中のガスを監視するその強力な能力を示している。

このイメージは、2025年10月5日から6日にかけてセンチネル-5が測定した地球の放射性データを示している。一日中に得られたデータは世界中をカバーしている。測定データの特定のスペクトル範囲が、赤、緑、青に割り当てられ、この偽色のマップが作成されている。この地図は、陸、海、雲を示しており、主に衛星計器の飛行中の健康状態の検証に使われる。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Week in images (ESA)

12月5日(金)
4万の地球近傍小惑星を発見!
(ヨーロッパ宇宙機関)

天文学者たちは最近、4万番目の近地球小惑星を発見した!
これらの宇宙の岩は数メートルから数キロメートルの大きさがあり、地球に比較的近い軌道を回っている。この新たな発見は、地球の脆弱性を思い起こさせるとともに、惑星防衛分野が僅か数十年でどれほど進歩したかの証でもある。

小惑星とは、40億年以上前に太陽系が形成された際の岩石の名残である。その多くは火星と木星の間の太陽の周りを公転している。近地球小惑星(NEA)とは、地球の軌道から約4500万キロメートル以内に接近する小惑星のことであり、惑星防衛チームが注意深く監視できるほど近いものである。

最初のNEAであるエロス(トップの図)は1898年に発見された。数十年にわたって発見はゆっくりと続いたが、1990年代から2000年代にかけて専用の調査望遠鏡が毎年数百の新しいNEAを発見し始めた。2025年11月には、確認されたNEAの総数が40,000を超え、そのうち約10,000が過去3年間で発見された。

「発見の件数は指数関数的に増加しており、20世紀初頭の1,000件から2016年には15,000件、2022年には30,000件に増加している。次世代望遠鏡が稼働を開始するにつれて、既知のNEAの数はさらに加速して増加し続けると予想される」と専門家は言っている。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Week in images (ESA)

12月4日(木)
銀河平面:電波と可視光線の比較

ミルキウェイ銀河は電波でどのように見えるのだろう? より詳しく調べるために、GLEAMは、オーストラリアのマーチソン広視野アレイ(Murchison Widefield Array)によって撮影された高解像度電波光で銀河の中心帯を調査した。

この特集の映像がゆっくりスクロールする中で、動画の左側には電波の光(71 - 231 MHz)、右側には同じフィールドからの可視光線が見られる。非常に大きな違いは、可視光が近くの星間ダストのよって遮られるために、ほとんどの天体が電波と可視光で異なる光を発していることである。これらの違いは特に銀河の中心方向、つまり銀河の約3分の1地点で顕著に現れる。

電波に現れる多くの特徴の中での鮮やかな赤い斑点は、爆発した星の超新星の残骸であり、青く塗られた領域は、明るい若い星が集まる恒星の育児室である。

<ひとこと>: イメージのリンク先は動画 .mp4 です。

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

12月3日(水)
ユークリッド、暗い雲のダストのベール越しに覗き込む
(ヨーロッパ宇宙機関)

星間ガスとダストのこのきらめく景色は欧州宇宙機関のユークリッド宇宙望遠鏡によって捉えられた。この星雲は、LDN 1641 と名付けられた、いわゆる暗い雲の一部である。地球から約1300光年、オリオン座の星が形成されているダストのガス雲の広大な複合体の中にある。

空のこの領域は可視光の下ではほとんど暗く見え、主に空の背景のように見える場所に点在する星はほとんどない。しかし、ユークリッドは、NISP機器の赤外線の目で雲をイメージ化することによって、ダストとガスのタペストリーを通して輝く多数の星を明らかにしている。

これは、ダストの粒が背後の星からの可視光を非常に効率的に遮断するが、近赤外線光は暗くする効果がはるかに低いためである。

星雲には非常に若い星が多い。ダストの環境に埋め込まれた物体の一部は物質を噴き出し、星が形成されている兆候がある。流出は、イメージを拡大するとマゼンタ色の斑点とコイルとして表示される。

左上では、ダストによる障害が減り、我々の銀河の星の向こうに多くの銀河が潜んでおり、より遠い宇宙に向かって視界が広がる。

ユークリッドは2023年9月に空のこの領域を観測してポインティング能力を微調整した。運用チームは、テストのために、可視光で検出できる数個の星しか検出できない視野を必要とした。LDN 1641のこの部分は、当時ユークリッドがアクセスできる空の最も適切な領域であることが証明された。

テストは成功し、ユークリッドが目的の方向を確実かつ非常に正確に指すことができることを確認するのに役立った。この機能は、空の広い部分の非常に鮮明な天体イメージを速いペースで提供するための鍵となる。このイメージのデータは、大きさが約0.64平方度で、空の満月の面積の3倍以上であり、5時間弱の観測で収集されたものである。

ユークリッドは、これまでに作られた系外宇宙の最も広範な3Dマップを作成するために空を調査している。その主な目的は、科学者達が暗黒物質と暗黒エネルギーの神秘的な性質を特定できるようにすることである。

しかし、このミッションでは、このような銀河の興味深い領域の観測の宝庫や、他の銀河の無数の詳細なイメージをも提供し、天文学のさまざまな分野での新たな調査の道を提供している。

<技術的な詳細>: カラーイメージは、Yバンド、Jバンド、HバンドのNISP観測から作成され、それぞれ青、緑、赤でレンダリングされている。イメージのサイズは 11232 x 12576 ピクセル。ギザギザの境界は、NISPの16個の検出器の配列のギャップと、小さな空間オフセットと回転で観測が行われた方法によるもので全体のイメージが作成されている。これは、天文学的な広視野イメージで一般的な効果である。

<イメージの説明>: イメージの焦点はオリオン座の星間星雲であるLDN1641の一部である。この視界では、深い黒の背景に、さまざまなサイズと明るい白の色合いの多数のドット(星)が散りばめられている。星の海の向こう側には、オレンジと茶色のさまざまな色合いのぼやけた巻きひげとリボンの網が、細い煙のコイルのようにイメージの下から右上に向かって上昇している。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Week in images (ESA)

12月2日(火)
真に大きな黒点警報:
(Space Weather News)

昨日、我々は大きな黒点警報を発令したが真に大きい。NASAの太陽ダイナミクス観測所(SDO)からのこのイメージは、11月30日に太陽の南東に現れた巨大なそれを示している。

先週、NASAの火星探査車、パーサビアランスは、ジェゼロクレータの砂塵の雲を通して、この巨大な黒点を見た。それは、地球に向かうまであと数日だった。そして、今、ここにある。
-----昨日の記事参照。

黒点群の全長は端から端まで約130,000キロメートル、黒点の主要な暗い核のうち少なくとも4つは地球よりも大きい。これらの寸法によって、安全にフィルターされた家庭の望遠鏡の標的となり得る。

11月29日、アマチュア天文学者のアンディ・デヴィーはスペインのモハカル近郊の天文台から黒点の接近を観察した。

これは太陽の東側を中心に回る活動領域をほぼ3時間にわたって見たものでありCクラスの太陽フレアで熱されていた。11月28日、黒点はM6クラスの太陽フレアを発生させた。しかし、爆風の地点は太陽の端に部分的に覆われていた。フレアの真の強度はXクラスだったのかもしれない。

太陽黒点が地球に向かって向きを変えつつある今、今後のフレアは地球に向かうかも知れない。

その他のイメージ:スコットランド・インヴァネスの デイビッド・ウィルソン から、クアラルンプール(マレーシア)の シャーリン・アフマド から、オーストリアの アストロ・ターフェルベルク から、イスラエル・エルサレム出身の シルヴァン・ヴァイラー から。

<追記>: Space Weather誌の新しい研究によれば、太陽の南半球は30年間以上にわたって太陽フレアの活動を支配してきた。研究者達は、北半球が太陽周期17から21の間に主要なフレアの大部分を発生させていることを発見したが、太陽周期22からは状況が逆転した。以来、南側は太陽のより活発な側となっている。非対称性はフレア指数の記録で明確に見て取れるが、その物理的な原因は依然として不明である。

<ひとこと>: 記事は要約しています。

<出典>: Space Weather News

12月1日(月)
火星からの黒点報告
(Space Weather News)

今後2か月間、NASAのパーサビアランス・ローバーは追加の仕事として太陽天文学者となる。いま、火星は太陽の背後を通過しており、これによってローバーは太陽の裏側を観察でき、地球からは見えない黒点を監視できる。これは11月25日にジェゼロクレーターで撮影された最新のイメージである。

パーサビアランスは約1日に1回、Mastcam-Z(ステレオマスト搭載カメラ)を使って太陽を観測している。これは大気中のダストの量を評価するためであり、これは火星の気象予報において重要な要素である。黒点を見るのはボーナスである。

Mastcam-Zは太陽観測用に設計されてはおらず、太陽円盤全体に90ピクセルしか配置できない。つまり、黒点が大きくなければ現れることはない。

今週は確かに大きな黒点がある。パーサビアランスのイメージは、地球の直径の約15倍の巨大な物体を映し出している。この黒点は来週地球に向きを変え、太陽活動が増加する可能性がある。

火星は2025年12月と2026年1月に太陽の向こう側を通過する。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Space Weather News


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