このページでは様々な時宜に即した「今日の宇宙(Space of the Day)」をご紹介しています。掲載期間は概ね一か月。
土曜日・日曜日・祝日は「肩の凝らない」記事を選んでいます。

10月20日(月)
スマートフォンで天体写真

ミルキウェイ銀河が空に広がったり、皆既日食の真っ赤な月や色とりどりの星雲など、ネットで見たような夜の写真を撮りたいと思ったことはないだろうか? 多くの天体写真は、何時間もかかり、高価な機材や移動がかかるために、天体写真の初心者は怖いかもしれない。しかし、カメラを持っている人なら誰でも天体写真を撮ることができる。スマホでも天体撮影が可能である。


<右図の解説>: 月は大きくて明るいので初心者には絶好のターゲットである。筆者は、この記事の月面の写真を2枚、iPhone 6sで撮影した。夕暮れ時の三日月は、車のルーフラックに機器を立てかけて撮影した。

ハッブルレベルのイメージは期待できないが、安定性、フォーカスの固定、長時間露光、処理など、いくつかの基本的なテクニックを練習することで、驚くほど印象的な写真を撮ることができる。
まず、スマートフォンを安定させ、被写体をシャープに保つ。これは、暗い場所では特に重要である。小さな三脚が理想的であるが、岩や木の塊のような即席のスタンドはピンチでも機能する。ほとんどのカメラ・アプリには、写真の撮影を数秒遅らせるタイマーオプションが用意されているので、撮影時の指の振動が軽減できる。次に、フォーカスを固定する。スマートフォンはオートフォーカスを使用しているが、これは暗い場所での写真、特にカメラがセッションの途中でフォーカスを再調整する場合には理想的ではない。画面をタップして遠くの明るい星や街灯に焦点を合わせ、微調整してロックするオプションを確認する。カメラの露光時間を調整することも不可欠である。カメラの長い露光時間は暗い天体写真に不可欠である。まず、露出時間を数秒に設定する。
これらのオプションを設定したら、ターゲットのテスト写真を撮ろう。スマートフォンのカメラアプリにこれらのオプションがない場合は、提供されているアプリをダウンロードできる。一部は「天体写真」設定を提供しているが、これは2021年現在では未だ稀である。最後に、アプリまたはコンピュータープログラムを使って写真を処理し詳細を強化する。

<左図の解説>: この月のクレータのクローズアップショットは、ハンドヘルドのiPhone6sを備えたCelestron C8望遠鏡の接眼レンズを通して撮影された。

「bit.ly/smartastrophoto」 これで初めての天体写真が完成した。次に何ができるだろう? 特に機器のアップグレードを決める前に、さまざまな設定を使って、たくさんの写真を撮ってみよう。幸いなことに、新進気鋭の天体写真家のための素晴らしいリソースがたくさんあり、NASA には、スマートフォン天体写真に関する広範なヒントが記載された無料の電子書籍(右下図)があり、スマートフォン天体写真プロジェクト 「 bit.ly/smartphoneastroproject」 に参加することもできる。天文学クラブのメンバーは、天体写真に関するヒントやレッスンを提供することがある。 「https://nightsky.jpl.nasa.gov/」 のナイト スカイ ネットワークの Web サイトで「クラブとイベント」マップを検索すると、近くのクラブを見つけることもできる。幸せなスナップを楽しもう!

<ひとこと>: 折から「レモン彗星」が接近しています。肉眼で鮮明に捉えるのは難しいかもしれませんが、条件が満たされれば、スマホの長時間露出で捉えることができるかもしれません。この記事はそんな意味で取り上げてみました。大判はそれぞれのイメージのリンクから。

<出典>:  Kat Troche(著者名です)

10月19日(日)
アンデス山脈

国際宇宙ステーションに搭乗した遠征58(Expedition 58:2018年)の宇宙飛行士が撮影したこのイメージでは、南米のチリの雲に覆われた海岸が、アンデス山脈やアルゼンチン上空に広がる雲の層と対照的に見える。

<ひとこと>: 南米の背骨、広範囲のアンデス山脈が鮮明に見えるので取り上げてみました。大判はイメージのリンクから。

<出典>: 国際宇宙ステーション

10月18日(土)
イタリアの街の灯

フランス領コルセ(Corse)島、イタリアのサルデーニャ(Sardinia)島、シチリア(Sicily)島を含む街の灯が、軌道上の日の出に向かって飛行する、地中海上空 261 マイルの国際宇宙ステーションから撮られている。前景には、国際宇宙ステーションのカナダ製ロボットアームCandarm2の一部がある。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>: 国際宇宙ステーション

10月17日(金)
レモン彗星の観察チャンス(2025年10月)
(国立天文台)

2025年1月に発見された彗星(すいせい)、Lemmon彗星(C/2025 A6:レモン彗星)が、2025年10月から11月にかけて見ごろを迎えます。10月中旬までは明け方の東の空に、10月中旬以降は夕方の西の空に見えます。最も明るくなるのは10月下旬から11月上旬頃と予想され、そのときの明るさはおよそ3等から4等となることが期待されます。3等の明るさの彗星を肉眼で見るのは少々難しいのですが、よく晴れた空が澄んだ日に暗い場所で見た場合には、肉眼でぼんやりとした彗星の姿を観察できる可能性があります。また4等程であったとしても、双眼鏡を使えば観察が可能であると予想されます。

レモン彗星は、2025年1月3日に発見された彗星です。発見当初は、さほど明るくならないものと予想されていましたが、8月中旬に急増光し、10月から11月にかけて肉眼で見えそうな程までに明るくなることが期待されるようになりました。

レモン彗星が近日点を通過するのは11月8日13時頃(日本時間では同日22時頃)で、このとき彗星は太陽から0.53天文単位(約7900万キロメートル)まで近づきます。この前後の時期で彗星活動はピークを迎えるものと予想されます。地球への最接近は10月21日1時頃(日本時間では同日10時頃)で、この時の彗星と地球の距離は0.60天文単位(約8900万キロメートル)です。

これらを考慮すると、レモン彗星が最も見やすくなるのは10月下旬から11月上旬と予想され、この頃は夕方の西の低い空で彗星の観察が可能です。暗い場所で空の澄んだ時に観察した場合には、肉眼でかすかに見えるかもしれません。市街地では肉眼で見るのは難しそうですが、適切に設定したカメラで撮影することでぼんやりとした姿を写すことができそうです。

11月中旬以降は、彗星が太陽からも地球からも遠ざかっていき、徐々に暗くなっていきます。また彗星の地平高度も低くなり、観察しづらくなります。

--- 以下略。

<ひとこと>: 記事は要約しています。詳細な解説は下記リンクから。「レモン彗星」については 10月10日の記事(Space Weather News)も参考に・・。

<出典>: 国立天文台

10月16日(木)
テストエリアでの数週間にわたる植生の開発
(ヨーロッパ宇宙機関)

このバイエルン州のプッチ試験地域のレーダー合成は、左から右へ、2025年4月から7月までの、植生の発達を約2週間間隔で示している。

各パネルには、Xバンドの同じ領域のレーダーイメージが表示されている。時間の経過とともに畑の色が変化することが明確に見え、地被植物や植物の成長によって土壌や植生の状態が変化したことを明確に示している。

このような偏光レーダーデータによって、イメージの物理的特性に応じて色分けすることができる。これらのイメージでは、青色は、たとえば播種したばかりの畑からの表面の散乱を示す。赤は、建物の壁や地面などからの二重跳ね返り散乱を示す。緑は、穀物畑や林冠など、体積的な多重散乱の領域を示す。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Week in images (ESA)

10月15日(水)

NGC 6357: 大聖堂から大質量の星へ

一般的な星はどれくらいの質量になるのだろう?

距離、明るさ、標準的な太陽モデルから行われた推定では、散開星団ピスミス24(Pismis 24)の1つの星は太陽の200倍以上の質量を持ち、最も大質量の既知の1つになった。

ジェームスウェブ宇宙望遠鏡によって赤外線で撮影されたこのイメージ(右下図:左)で、この星は、中央下付近の中央に空洞にある最も明るい天体である。

比較のために、ハッブル宇宙望遠鏡からのロールオーバーイメージ(右下図:右)も可視光で紹介されている。

しかし、イメージを詳しく調べると、ピズミス24-1は1つの星からではなく、少なくとも3つの星からその輝かしい光度を得ていることがわかった。

これらを構成する星は依然として太陽質量の100倍近くであり、現在記録されているより大きな質量の星の一つにしている。

画像の下部方向の、関連する発光星雲NGC 6357では、まだ星達が形成されている。

おそらくゴシック様式の大聖堂(Gothic cathedral)のように見える中心付近のエネルギーに満ちた星が飛び出し、壮大な繭を照らしているように見える。

おそらくゴシック様式の大聖堂のように見える中心付近のエネルギーに満ちた星達が、砕かれまた壮大な繭を照らしているように見えている。

<ひとこと>: 大判イメージは下記リンクから。なお、リンク先イメージは、クリック(タップ)することによって右イメージのように変わります。

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

10月14日(火)
ヨーロッパ宇宙機関、地球に非常接近した小惑星を発見

国際時間10月1日00:47:26 ±18秒に、小惑星2025 TFが南極大陸の上空を飛行し、地表から428±7キロメートルまで接近した。これは国際宇宙ステーションの軌道(約370〜460キロメートル)と似た高度である。

この小惑星は直径約1〜3メートルで、地球を通過してから数時間後にカタリーナ・スカイ・サーベイによって初めて発見された。このサイズの物体は重大な危険はもたらさず、地球の大気圏に衝突すると火の玉を発生させる可能性もあり、地上で小さな隕石が発見される可能性もある。

ヨーロッパ宇宙機関の惑星防衛局の天文学者達は、発見直後、オーストラリアのラスカンブレス天文台望遠鏡を使ってこの天体を観測した。

広大な暗闇の中での、その位置がまだ不確かなときの、メートルスケールの物体の追跡は素晴らしい偉業である。この観測は、天文学者達が、この接近距離と時間を、非常に高精度に決定するのに役立った。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>: Week in images (ESA)

10月13日(月)
木星の火山の月、イオ

2023年12月30日に木星の衛星イオを近距離飛行した際に、NASAのジュノ宇宙船は、イオの火山の表面の、これまでで最も詳細なイメージを撮った。この月の上空約1,500キロメートルからジュノカメラ装置で撮影したこのイメージでは、イオの夜の側(左)が、木星の表面から反射した太陽光「ジュピターシャイン(Jupitershine)」によって照らされている。

このイメージは、2025年10月の、NASAの「今月の科学イメージ」である。NASA の科学ミッション総局は、毎月、デスクトップの壁紙のダウンロードや、関連するトピック、アクティビティ、ゲームへのリンクを提供するイメージを特集している。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。「今月の科学イメージ」は こちら を参照。

<出典>:  Monika Luabeya(著者名です)

10月12日(日)
太陽系の惑星: 傾きと自転

お気に入りの惑星はどのように回転している? 

ほぼ垂直軸を中心に急速に回転している? 水平軸を中心に回転している? それとも後方に回転している?

このビデオでは、太陽系の 8 つの惑星すべてのNASAのイメージをアニメーション化し、容易に比較できるように、並べて回転する様子を示している。

このタイムラプス(コマ落とし)ビデオでは、地球の1日、つまり地球の1回転は僅か数秒しかかからない。

木星は最も速く回転するが、金星は最も遅く更に逆方向に回転している。これらの太陽系の最も内側の岩石惑星達は、初期に、劇的な回転の変化の衝突を経験した。

惑星がなぜこのように回転し傾くのかは、現代のコンピューターモデル、および他の恒星を周回する惑星達、すなわち何百もの系外惑星の最近の発見と分析から得られた多くの洞察とともに、依然として研究のテーマである。

<ひとこと>: イメージのリンク先は動画 Youtube です。

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

10月11日(土)
地平線の上のハロー

高高度の氷の結晶を通して光が曲がることによって形成される微妙な弧が、暗くなった地球の上で月を包み込んでいる。

<ひとこと>: 720 × 480 の比較的小さなイメージですが、見ることのない珍しい現象なので取り上げてみました。月の周り“HALO”を大判で確認してください。

<出典>:  Earth Observatory Image of the Day

10月10日(金)
レモン彗星を忘れるな!
(Space Weather News)

星間彗星 3I/ATLAS に注目が集まっているために、一般のスカイウォッチャーでもすぐに自分の目で見ることができるほど急速に明るくなっている局所的な彗星、レモン彗星 (C/2025 A6) を忘れがちである。「この彗星は非常に順調に発達しており、すでに印象的な天体であり、朝の空で観測するのに最適な場所にあります」と英国天文学協会のニック・ジェームズ氏は言っている。「間違いなく立ち上がる価値がある!」

このレモン彗星の光度曲線は、肉眼での視認性の閾値(m=+6)を超えようとしていることを示している。

10月下旬の新月の頃に最も明るくなり、非常に素晴らしい夜の天体になると確信できる。

この彗星は明るいだけでなく、非常に活発である。最近の夜、アマチュア天文学者が、レモンの尾を流れ落ちる数十個のガス状の結び目やフィラメントを観察した。

<ひとこと>: 一般的に、視認性が「6」より小さくなると、肉眼でも見られるようになります。但し、月による明るさが見易さに大きな影響を与えますので、観測には、月の出ていない夜(特に新月)が最適です。大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Space Weather News

10月9日(木)
彗星3I/アトラス 3題

1、彗星3I/アトラスが火星に到達(Space Weather News)

彗星3I/アトラスは火星に到達した。 星間彗星3I/ATLASは、今日、火星の上空を飛行しており、火星艦隊が監視している。

NASAのMAVENと火星偵察軌道船、ヨーロッパ宇宙機関のマーズエクスプレスとエクソマーズトレースガスオービター、UAEのホープ探査機、中国の天問1号など、6機もの宇宙船がクローズアップで見ることができる。

3I/ATLASは現在、太陽の背後を通過しており、地球からは12月までほとんど見えない。火星の宇宙船は、彗星の最も明るいときの唯一の高品質のスペクトルと画像を提供する可能性がある。火星の艦隊は決定的なデータセットを提供する可能性がある。

この彗星が10月3日に火星を通過すると、人間の目で見るのに十分な明るさになり、約+6.7等級になるという。この彗星は火星から0.195天文単位(2,900万キロメートル)離れており、軌道を周回する艦隊は至近の距離で見ることができる。

関係するすべてのカメラの中で、火星偵察軌道船(Mars Reconnaissance Orbiter)の HiRISE は、ピクセルあたり 29 km という最も鮮明な画像を提供する。HiRISEは、彗星の大気(コマ)を850ピクセル以上で分解する必要がある。研究者達は、カメラが、ガスの雲の中に隠された核を垣間見ることができるかもしれない。

<ひとこと>: 彗星3I/ATLASは、太陽系の外から飛来してきたとされる、記録に残っている三つ目の珍しい彗星。太陽系惑星の中では火星に最も接近し、その後太陽系を離れるとされています。大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Space Weather News

2、火星探査車がアトラス彗星を観測(Space Weather News)

先週、星間彗星3I/ATLASが火星を通過した。NASAのパーサビアランスローバーがそれを見た。NASAは、探査車のナビゲーションカメラ(Navcam)からの2枚の写真を公開した。これらのイメージは、視覚的に壮観ではないが、彗星が火星に近いことを強調している。火星からは、3I/ATLASは、+6.7等級で輝いており、地球から見たときの約90倍の明るさでだった。パーサビアランスが天体写真用に設計されてはいないカメラでそれを撮影できたという事実は、周回する火星艦隊によって収集されている洗練されたデータにとって良い前兆である。

NASAの火星探査車「パーサビアランス」は、搭載された右ナビゲーションカメラ(Navcam)を使ってこの画像を取得した。そのカメラはローバーのマストの高い位置にあり、遠近の地形を撮り、ローバーの運転を補助している。

このイメージは、2025年10月4日の、現地の平均太陽時21:33:39に撮られた。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<付記>:以上二つの記事は、本来であればNASA自身から発表されるべきものですが、NASAが米国国家予算の不成立から活動できないため、民間企業である Space Weather News に掲載された記事を引用しました。

<出典>:  Space Weather News

3、 ExoMars と Mars Express が 3I/ATLAS 彗星を観測(ヨーロッパ宇宙機関)

10月1日から7日にかけて、ヨーロッパ宇宙機関のエクソマーズガス追跡軌道船(ExoMars Trace Gas Orbiter)とマーズエクスプレス(Mars Express)宇宙船は、火星の近くを通過した星間彗星3I/ATLASに目を向けた。

2つの火星周回軌道船は、すべてのヨーロッパ宇宙機関の宇宙船の中で、最も近くでこの彗星を見ることができた。10月3日に火星に最接近した際、この星間侵入者は火星から3000万kmにあった。

各宇宙船は専用カメラを使って彗星が通過するのを観察した。いずれのカメラも、僅か数百から数千キロメートル下にある火星の明るい表面を撮影するように設計されている。科学者達は、それほど遠く離れた比較的薄暗いターゲットの観測から何を期待すればよいのか確信は持てなかった。

エクソマーズは、そのカラーおよびステレオシステム(CaSSIS)で、右の動画に示されている一連の画像を捉えた。彗星3I/ATLASは、イメージの中心付近で、下向きに移動するややぼやけた白い点である。この点は彗星の中心であり、氷岩の核と周囲のコマで構成されている。

--- 以下略。

<ひとこと>: イメージのリンク先は動画 .gif です。

<出典>:  ヨーロッパ宇宙機関

10月8日(水)
惑星を作る渦巻きの動画撮影に成功(ALMA:国立天文台)

総合研究大学院大学/国立天文台の大学院生吉田有宏氏が率いる国際研究チームは、アルマ望遠鏡で取得された7年間にわたる観測データを用いて、惑星の誕生現場の動画撮影に世界で初めて成功しました。動画には惑星を作る渦巻き状の構造がダイナミックに動いている様子が鮮明に捉えられていました。この渦巻きの中では、今まさに惑星が作られようとしていると考えられます。天地開闢(かいびゃく)前夜の様子が明らかになったのです。

私たちの住む太陽系には、地球を含めて8つの惑星があります。さらに、太陽系の外では、約6000個もの太陽系外惑星が発見されています。これらの惑星はどのようにして作られたのでしょうか。これまでの研究で、惑星は「原始惑星系円盤」と呼ばれる、若い星をとりまく天体で作られることが知られています。しかし、その詳しいプロセスについては、謎が多く残されています。

原始惑星系円盤の中で惑星が作られるプロセスにおいて、重要な役割を果たすかもしれないと考えられてきたのが渦巻き状の構造です。これは、原始惑星系円盤自身の重みによってできるものです。渦巻きの中では円盤中に存在する固体微粒子の合体が効率的に進行し、最終的には惑星の大きさまで成長する可能性があるほか、渦巻き自体が分裂し直接的に惑星となるかもしれません。

しかし、よく似た形状の渦巻きは、誕⽣した直後の重たい惑星によっても作られることが知られています。つまり、渦巻きの存在だけからでは惑星が⽣まれる直前か直後かの区別をつけることが難しいのです。もし、惑星が生まれる直前だということがわかれば、その原始惑星系円盤は惑星の形成を研究するための絶好の場所だと言えるかもしれません。

研究チームは、この二つの説が、渦巻きの動き方によって切り分けることができるという理論的な予測に着目しました。渦巻きが原始惑星系円盤自身の重みによってできている惑星形成前夜の場合、渦巻きは巻き付くように動き、やがては消えるはずです。一方で、渦巻きがすでに作られた惑星によってできている場合には、渦巻きはその形を保ったまま惑星とともに回転を続けるでしょう。

今回、研究チームは渦巻きを持つおおかみ座IM星周りの原始惑星系円盤に着目しました。この原始惑星系円盤では、渦巻きの原因についての二つの説がそれぞれ異なる研究グループによって、これまでに主張されていました。研究チームは、この論争に決着をつけるべく、アルマ望遠鏡によって2017年、2019年、2024年に取得された7年間にわたる4回の観測で得られた原始惑星系円盤の画像をつなげることで「動画(パラパラ漫画)」を作成しました。

<ひとこと>: 大判イメージを含む詳細はリンク先から。

<出典>:  ALMA:国立天文台

10月7日(火)
ガイア、我々の銀河の大きな波を発見
(ヨーロッパ宇宙機関)

ミルキウェイ銀河は決してじっとしているわけではなく、回転し、ぐらついている。ヨーロッパ宇宙機関のガイア(Gaia)宇宙望遠鏡のデータによって、今、我々の銀河にも、その中心から外側に向かって波打つ巨大な波があることが明らかになった。

銀河の星達が、中心の周りを回転していることは約100年前から分かっており、ガイアは、その速度と動きを測定してきた。1950年代から、ミルキウェイ銀河の円盤が歪んでいることはわかっていた。そして、2020年、ガイアは、この円盤がコマの動きのように、時間の経過とともにぐらついていることを発見した。

そして、今、太陽から数万光年の距離にわたって、大きな波が、この銀河システムの星の動きをかき混ぜていることが明らかになった。池に投げ込まれた石のように、波が外側に波紋を広げ、この銀河の星の波が、ミルキウェイ銀河の外側の円盤の大部分に及んでいる。

この予想外の銀河の波紋が上の図に示されている。ここでは、何千もの明るい星の位置が赤と青で示され、ガイアのミルキウェイの図に重ねられている。

左上のイメージの左側では銀河を「上」から見ている。右側では、波を横から見ている。この視点からは、銀河の「左側」が上向きに湾曲し、「右側」が下向きに湾曲していることを示している。新しく発見された波が赤と青で示され、赤い領域では星が上にあり、青い領域では星が銀河の歪んだ円盤の下にある。

たとえ宇宙船が銀河システムの外側を移動できなかったとしても、ガイアのユニークな正確な視界は、空間3方向すべてと、その速度によって、科学者達は、これらのトップダウンおよびエッジオンの図をつくることができる。

これらから、波は銀河の円盤の大部分に広がり、銀河の中心から少なくとも30〜65,000光年離れた星に影響を与えていることがわかる---参考として、ミルキウェイ銀河は直径約10万光年である。

科学者達は、これらの銀河の揺れの起源について分かってはいない。矮小銀河との過去の衝突の可能性もあるが、これにはさらに調査する必要がある。

ガイアからのデータは、ミルキウェイ銀河の歪んだ銀河円盤が、コマの動きのようにぐらつくことをも示している。

この歪曲は、これまで予想していたよりもミルキウェイ銀河の中心を速く移動する。しかし、これは円盤内の星が銀河の中心を周回する速度よりも遅い。たとえば、このアニメーションでは小さな黄色の点として示されている太陽は、1周するのに僅か2億2000万年しかかからない。

 

<ひとこと>: 記事は大幅に要約しています。右下のイメージのリンク先は動画 .gif です。

<出典>:  Gaia (ESA)

10月6日(月)
ガイアの星の苗床の3Dマップを飛び越える
(ヨーロッパ宇宙機関)

科学者達は、ヨーロッパ宇宙機関のガイア宇宙望遠鏡からのデータに基づいて、ミルキウェイ銀河の星形成領域の、最も正確な3次元地図を作成した。この図は、これらの不明瞭な曇った領域と、それらを形作る熱い若い星達について、さらに詳しく教えてくれる。

星が形成される宇宙の領域をマッピングし調査することは、通常は距離を直接測定できないガスやダストの厚い雲によって見えないために難しいことが知られている。

ガイアは、これらの雲を直接見ることはできないが、星の位置といわゆる星の「消滅」を測定することはできる。これは、星からの光がダストによってどれだけ遮られているかを確認できることを意味する。このことから、科学者達はダストがどこにあるかを示す 3D マップを作成し、それらのマップを使って、星形成の明らかな兆候であるイオン化水素ガスの量を把握することができる。

非常に明るい若い星達
ガイア、星の苗床を見る(アニメスチール2)

ミルキウェイ銀河の星形成領域の新しい3Dマップは、4,400万個の「普通」の星と、87個のO型星のガイア観測に基づいている。このマップは、我々から4000光年の距離まで伸びており、太陽を中心にしている。

O 型星 は珍しい星である。彼らは、若く、巨大であり、非常に明るく、また熱い。紫外線で明るく輝く。これらの光は非常にエネルギーが高いために、水素原子に当たると、水素原子から電子が剥がれてしまう可能性がある。このようにして、それらは高温の星の周りの水素ガスを「イオン化」し、荷電粒子の混合物になる。これは、天文学者が星が生まれている宇宙の領域を特定できる 1 つの方法である。

多くの望遠鏡がこれらの領域を観測しており、我々の視点から見ると、それらがどのように見えるかはよくわかる。しかし、3次元で、あるいは外部の視点から見て、それらがどのように見えるかを本当に知っている人は誰もいなかった。

他の銀河からミルキウェイ銀河を見ていることを想像して見よう。我々の銀河の外を移動できる宇宙船はないので、実際の写真を撮ることはできない。幸いなことに、ガイアのミッションはミルキウェイ銀河の最も正確な多次元マップを作成しており、天文学者達にミルキウェイがどのように見えるかを推測するためのデータを提供している。

ガイアのスカイマップは、3つの空間座標(3D)全てと、我々に向かう、遠ざかる、また空を横断して移動するの3方面の速度で、近くの何百万もの星の正確な動きと位置を明らかにした。これによって、この望遠鏡は、すでに太陽近傍の見方に革命をもたらし、科学者達がこれまで不可能だった方法で、太陽の近くの星や星間物質を包括的にマッピングできるようになった。

--- 以下略。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。左下イメージのリンク先は動画 .mp4 です。

<出典>:  Gaia

10月5日(日)
渦巻銀河 NGC 5211

NGC 5211は、おとめ座の方向にある、円盤を正面から見た渦巻銀河です。

典型的な渦巻銀河では渦状腕が銀河中心部とつながっていますが、この銀河では中心部との間にすき間があり、渦状腕がリング状に見えます。
このような構造は擬似リングと呼ばれます。さらに、中心部にもリング状の渦状腕があり、二重のリング構造を形成しています。

内側のリングは赤く、外側は青く彩られており、対照的な姿が印象的です。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  すばる望遠鏡

10月4日(土)
ある短い爆発

NASAとヨーロッパ宇宙機関の太陽太陽圏観測所(SOHO)宇宙船は、2015年2月24日に、太陽のフィラメントの一部とともにコロナ質量放出した3時間の間に、この太陽の極紫外線波長のイメージを撮った。一部の筋は太陽に落ちたが、かなりの部分は明るい粒子の雲の中で宇宙に飛び出した。

1995年12月に打ち上げられた、このNASAとヨーロッパ宇宙機関のSOHO合同ミッションは、太陽を徹底的に調査するように設計されている。このミッションは1998年までしか実行されない予定だったが、データの収集を続け、科学者達の最も近い星(恒星)への理解を深め、5,000個以上の彗星を含む多くの新しい発見を行っている。

NASAは、さまざまな宇宙船で太陽の研究を続けている。新しい、NASAと米国海洋大気庁(NOAA)の3機の宇宙船の打ち上げによって、太陽系全体にわたる太陽の影響を調査する、3つの新しい方法が登場する。

これには、NASAのIMAP(Interstellar Mapping and Acceleration Probe:星間マッピングおよび加速探査機)、NASAのカラザーズ・ジオコロナ天文台(Carruthers Geocorona Observatory)、米国大気圏局(NOAA)の SWFO-L1(Space Weather Follow On-Lagrange 1:ラグランジュ1で宇宙の気象を追う)宇宙船が含まれている。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Monika Luabeya (著者名です)

10月3日(金)
NASAからの10月の空観察のヒント

空観察のハイライト:

10月6日:10月のスーパームーン
10月6日〜10日:りゅう座流星群
10月21日:オリオン座流星群のピーク(9月26日〜11月22日)

 

1、 スーパームーン

10月6日の夜空を見上げると、満月が大きく明るく見える(スーパームーン)。

月は通常の満月よりも約30%明るく、最大14%大きく見えるだろう。

スーパームーンは、新月または満月が「近地点」と一致するときに起きる。つまり、これは、非常に近い満月である。スーパームーンが現れるのは10月6日だが、そのわずか数日前の10月4日は「国際月夜観測日(International Observe the Moon Night)」である! これは、月愛好家が集まり、自然の衛星を楽しむ毎年恒例の世界的なイベントである。

<イメージの説明>: 地球から見たスーパームーンが出現する近地点とマイクロムーンが出現する遠地点の違いを示すイラスト付きグラフィック。

2、 りゅう座(Draconid)流星群

りゅう座流星群は、地球の大気中で燃え尽きる21Pジャコビーニ・ジンナー彗星の破片からもたらされる。
これらの流星は、北の空のドラゴンであるりゅう座の頭の近くから発生し、流星群は1時間に最大10個ほどの流星をつくる。
りゅう座流星群は10月8日頃にピークを迎える。

3、 オリオン座流星群

10月21日にピークを迎えるオリオン座流星群は、夜空を毎時約20個ほどの流星を放ち、壮観なショーを繰り広げるだろう。
この流星群は、地球がハレー彗星の残した破片の中を移動するときに発生する。
この流星群の期間は 9 月 26 日から 11 月 22 日までであるが、流星を見るのに最適なのは 10 月 21 日の真夜中前から午前 2 時頃(注:米国時間)までである。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。トップイメージのリンク先は動画 Youtube です。

<出典>:  Naomi Hartono(著者名です)

10月2日(木)
GW250114:回転するブラックホールが衝突する

これはこれまでに測定された中で最も強い重力波信号だったが、何を示したのだろう?

GW250114は、今年初めに、米国のワシントン州とルイジアナ州のレーザー干渉計重力波観測所(LIGO)の両部門によって検出された。

分析によると、この出来事は、それぞれ太陽の質量の約33倍の質量を持つ2つのブラックホールが合体して、質量が約63太陽質量の1つの大きなブラックホールになったときに生成されたことが示された。

この出来事は、約10億光年離れた場所で起こったにもかかわらず、信号が非常に強かったために、全てのブラックホールの回転と、最終的なブラックホールの最初のリンギング(ringing:信号の揺れ)が非常に正確に推測された。

さらに、以前の予測通り、結合したブラックホールの事象の地平線の総面積が、合体したブラックホールの面積よりも大きいことが以前よりもよく確認された。

このアーティストのイラストは、衝突前のブラックホールの1つの、近くからの想像力豊かで概念的な視界を描いている。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<付記>: かなり強い重力波信号だったようだがこの事象はあまり知られていない。 LIGO 以外の重力波観測では捉えられなかったのだろうか?

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

10月1日(水)
ミルキウェイ銀河郊外の巨大な星のジェット

ミルキウェイ銀河の端に向かって、まだ形成中の若い星が、お祝いの花火の形で宇宙に誕生のお告げを送っている。

これらの沸騰する高温のガスの双子のジェットは、太陽と最も近い星のシステムの間の距離の 2 倍の、 8 光年にわたって燃え上がっている。大質量の星に落ちる過熱したガスが星の回転軸に沿って宇宙に吹き飛ばされ、強力な磁場が狭いビームにジェットを閉じ込める。

NASA、ヨーロッパ宇宙機関、カナダ宇宙機関のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、赤外線でこの光景を目撃した。ジェットは星間のダストとガスに突入し、ウェッブだけが捉えた魅力的なディテールを作り出している。

この発見は、The Astrophysical Journal への掲載が承認された。

<イメージの説明>: ガス状の黄橙色のフィラメントは横から見るとバラのように見え、フレームの中心よりわずかに高く、左上から右下にわずかに傾いている。
バラから左上と右下に伸びているのは、先端が丸みを帯びた、全体的に背が高く細い三角形の形をした、赤い葉として現れているガス状の流出である。それぞれの赤い三角形は波状の不規則な線で構成されている。
フィールド全体に数十個の星が散らばっている。8つの回折スパイクを持つ特に明るい白い星の1つが黄色いバラの上部にある。さらに顕著な回折スパイクを持つ別の明るい青色の星がその左下にある。宇宙の背景は黒である。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。この記事は 「ジェームスウェブ望遠鏡写真集(9月10日)」 にも掲載しています。

<出典>:  Space Science

 9月30日(火)
NASAの系外惑星の数、6,000 個に達する

<イメージの説明>: 科学者達は、銀河システム全体で、何千もの系外惑星(太陽系外の惑星)を発見してきた。ほとんどは間接的にしか調査できていないが、このアーティストのコンセプトに描かれているように、巨大なガス惑星から小さな岩石の世界、水が豊かな惑星、また恒星のように熱い惑星まで、それらは大きく異なっている。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 

このマイルストーンは、最初の系外惑星が発見されてから僅か30年余りで、発見が加速していることを浮き彫りにしている。

NASAが追跡している系外惑星の公式な数は6,000個に達した。これらの確認された惑星は、世界中の科学者達によって順次カウントに追加されるために、どの惑星が 6,000 番目のエントリであるとは見なされていない。この数は、カリフォルニア工科大学のIPACに拠点を置くNASAの系外惑星科学研究所(NExScI)によって監視されている。さらに8,000以上の候補惑星が確認を待っており、NASAは、宇宙の生命探索において世界をリードしている。

このマイルストーンは、1995年に太陽に似た星(恒星)の周りで最初の系外惑星が発見されて以来30年後に起きた。それ以前には、すべての燃料を燃やして崩壊した星の周囲に、いくつかの惑星が確認されていた。研究者達は、ミルキウェイ銀河には何十億もの惑星があると考えているが、それらを見ることは依然として困難である。既知の系外惑星の総数が上昇するにつれて、興味深い特徴を持つ多くの惑星が発見されることに加えて、科学者達は、一般的な惑星の人口が太陽系の惑星とどのように比較されるかを知ることができた。

たとえば、太陽系には岩石惑星と巨大ガス惑星が存在するが、宇宙では岩石惑星の方が一般的であるように見える。研究者達は、また、太陽系の惑星とはまったく異なるさまざまな惑星をも発見した。太陽の周りを周回する水星よりも親星に近い木星サイズの惑星がある。2つの星を持つ惑星、死んだ星を周回する惑星。溶岩で覆われた惑星。発泡スチロールの密度を持つものもあり、宝石でできた雲を持つものもある。

ほとんどの惑星は非常に暗く、親星からの光の中に迷い込んでしまうために直接画像化された系外惑星は100個未満である。惑星検出の他の4つの方法は間接的である。たとえば、トランジット法では、天文学者達は、軌道を回る惑星がその前を通過するときに短時間暗くなる星を探している。

ほとんどの系外惑星候補は、多くの場合、系外惑星以外の何かが特定の信号の原因である可能性を説明するために、追加の望遠鏡を使用して追跡観測によって確認する必要がある。それには時間がかかる。そのために、NASAの系外惑星目録には、確認を待つ候補の長いリストがある。

<ひとこと>: 記事の一部のみを抽出しています。右下のイメージのリンク先は動画 Youtube です。

<出典>:  Jet Propulsion Laboratory

 9月29日(月)
月の溶融流の地図を描く協力を求める!

<イメージの説明>: 冷却された溶岩のような衝撃流が、リトル・ローウェル・クレータから流れ出た溶融。
月溶融物市民科学プロジェクト(Lunar Melt Citizen Science Project)のボランティアとして、このようなイメージで、岩石やクレータの特定と測定を支援しよう。

     ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★      

小惑星が月に衝突すると、衝突によってクレータがつくられ、十分なエネルギーと圧力で岩の表面の一部が溶ける。多くの場合、白熱し、ねばねばした溶融物---地下からの噴出を除けば溶岩のようなもの---が、新しいクレータとその周辺地域に流れる。溶融岩は冷却され、硬化して、インパクトメルトフロー堆積物(impact melt flow deposits)と呼ばれる広大な岩石の徴をつくる。これらの流れの堆積物は、美しい線と質感を持つ彫刻のような抽象芸術となる。

現在、月溶融物市民科学プロジェクトの科学者達は、これらの流れをマッピングするための協力を求めている。NASAの月探査軌道船(LEO: Lunar Reconnaissance Orbiter spacecraft)からのイメージで、岩に印を付けたり、岩の長さを測定したり、クレータや溶融物堆積物の輪郭を描いたりする。

あなたの貢献が、インパクトの融解が、月の表面、特にリトルローウェル・クレータとティコ・クレータ周辺をどのように変化させたかを明らかにし、科学者達がインパクトの融解流を利用して月の内部について学ぶのに役立つ。

惑星科学者達が月の溶岩のような流れの地質をマッピングするのを手伝おう!

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  NASA Science Editorial Team

 9月28日(日)
IRAS 04302: 蝶・円盤・惑星の形成

この蝶は惑星を孵化させることができる。

星IRAS 04302+2247から扇状に広がる星雲は、蝶の羽のように見え、一方、中央の縦の茶色の縞模様は蝶の体のように見えるかもしれない。しかし、これらを合わせると、活発な惑星形成システムを示している。

この写真は、最近、ウェッブ宇宙望遠鏡によって赤外線で撮られた。

このイメージでは、垂直な円盤が惑星が形成されるガスとダストで厚くなっている。

円盤が中央の星からの可視光と(ほとんどの)赤外線を遮り、光を反射する周囲のダストをよく見ることができる。

今後数百万年内に、このダストのディスクは、新しく孵化した惑星の重力によってリングに分裂する可能性がある。

また、今から10億年後には、残りのガスとダストは消散し、太陽系のように主に惑星が残るだろう。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。この記事は 「ジェームスウェブ宇宙望遠鏡写真集」に、より詳細に掲載してあります。

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

 9月27日(土)
Cir X-1: アフリカ星雲のジェット

超新星が中性子星を誕生させるとき、ジェットはどのくらいで形成されるだろう? アフリカ星雲がその手掛かりを提供している。

この超新星の残骸は、X線を放出している中性子星であり、その軌道のコンパニオンの星であるサーキヌスX-1(Circinus X-1)を周っている。

このイメージは、南アフリカにあるミーアキャット(MeerKAT)電波望遠鏡のサンダーキャット(ThunderKAT)との共同研究によるものであり、星雲内で現在活動しているCir X-1ジェットの明るいコアとローブの構造を示している。

僅か4600年前のCir X-1はマイクロクエーサーSS 433*の「妹」である可能性があるが、星雲の右上にあるリング状の穴から新たに発見された泡と左下のリングは、他のジェットが以前に存在していたことを示している。

コンピューターシミュレーションによると、これらのジェットは、爆発から100年以内に形成された。

驚くべきことに、観測された泡を生成するには、以前に若い中性子星が生成すると考えられていたよりもジェットが強力である必要がある。

<ひとこと>: 文字付のイメージを見るには、下記リンクから表示されるイメージにタッチしてください。

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

 9月26日(金)
渦巻銀河 NGC 7537(すばる望遠鏡)

HSC の広い視野でとらえた宇宙の姿は、まさに壮麗です。このイメージで目を引くのは、2つの銀河、NGC 7537(右)と NGC 7541(左)でしょう。うお座の方向に位置するこの銀河ペアは、空の上ではおよそ 16 万光年離れて見えます。

広い宇宙の中でも、銀河同士が出会うことは時折あります。現在はどちらも整った形を保っていますが、今後さらに接近すると、互いの重力の影響で形が次第に崩れていくと考えられています。そして、そう遠くない将来、2つの銀河は衝突し、より大きな1つの銀河へと成長していくでしょう。

【地球からの距離】1億光年
【観測装置】超広視野主焦点カメラ ハイパー・シュプリーム・カム(HSC)

<ひとこと>: イメージは一部を切り出しています。リンク先から大きなイメージ(1.64 MB)をご覧ください。

<出典>:  すばる望遠鏡

 9月25日(木)
惑星地球の全ての水

地球はどれ程の水でできているのだろう? 実際にはほとんどない。

海の水は地球の表面の約70%を覆っているが、これらの海は地球の半径に比べて極めて浅い。

図のイラストは、地表上、または地表付近のすべての水がボールに束ねられた場合に起きることを示している。

このボールの半径はわずか約700キロメートル、地球の月の半径の半分以下、ほとんどが水の氷である土星の衛星レアよりも僅かに小さいだろう。

次に小さいボール(右下)は地球の液体の淡水のすべてを表し、最も小さなボール(更にその下)は地球のすべての淡水湖と川の体積を示している。---大判で確認

この水がどのようにして地球上に存在したのか、また、地球の表面のはるか下に多くの量が閉じ込められているかどうかは、依然として研究のテーマである。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

 9月24日(水)
宇宙最遠方の「死にゆく巨大銀河」で輝く巨大ブラックホール
-急速な共進化の新たな証拠-
(すばる望遠鏡)

<イメージの説明>: 星形成活動が停止期に向かう成熟した銀河(左)と、その中心で輝くクェーサー(右)の想像図。(大判イメージは下記すばる望遠鏡のページから)

     ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★      

銀河の中心には、太陽の 10 万倍から数 100 億倍もの質量を持つ巨大ブラックホールが存在します。活動中の巨大ブラックホールは、周囲の物質をのみ込む際に放つエネルギーによって、強烈に輝く「クェーサー」として観測されます。

すばる望遠鏡の広域探査で見つかった巨大ブラックホール(クェーサー)を、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)で調べた結果、129 億年前の宇宙における銀河と巨大ブラックホールの成長の姿が明らかになりました。国際研究チームは、JWST の観測からクェーサーの親銀河がすでに大質量へ成長しつつ、星形成を終えかけていることを突き止めました。この発見は、初期宇宙で最も早く成長した銀河の進化に、巨大ブラックホールの活動が大きな役割を果たした可能性を示す重要な証拠で、世界屈指の広視野観測能力を誇るすばる望遠鏡と、赤外線で最高感度を実現する JWST を組み合わせることで実現したものです。

東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU, WPI)と国立天文台の研究者を含む国際研究チームは、129 億光年先(ビッグバンから9億年後の宇宙)に存在する J2236+0032 と J1512+4422 というクェーサーを、JWST の近赤外線分光器(NIRSpec)で観測しました。これらは、すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ Hyper Suprime-Cam(HSC;ハイパー・シュプリーム・カム)による広域撮像探査(HSC-SSP)によって発見されたもので、JWST 科学運用初年度に追観測された天体の一部です。

観測の結果、研究チームはクェーサーからの明るい光に加えて、親銀河に由来する中性水素の吸収線を検出することに成功しました。この水素の吸収線の特徴を詳しく調べたところ、銀河内に若い星が少なく、数億年前に大規模な星の誕生ラッシュが起きた後、銀河の成長が止まるか、あるいはゆっくりになっていることが分かりました。こうした変化は、中心にあるブラックホールが成長する際に放つ強い放射によってもたらされた可能性があります。また、JWST の近赤外線カメラ(NIRCam)による撮像データも合わせて解析した結果、J2236+0032 と J1512+4422 の親銀河は、それぞれ太陽の 600 億個分と 400 億個分に相当する星を抱える巨大銀河であることが明らかになりました。

<ひとこと>: 以下、詳細は 「すばる望遠鏡」のページ から。

<付記>: ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の最大の目的は、「ビッグバン」後の初期宇宙における星、銀河、ブラックホールなどの出現の観測でした。定点に到着し測定開始して間もなく、これまでの推定よりはるかに早期の銀河などが観測され、専門家達に衝撃を与えてきました。このすばる望遠鏡の観測は、宇宙の望遠鏡でなく、地上の望遠鏡でもこの理論を実証できることを示しており、今後、極めて大きな論点となると思われます。

<出典>:  すばる望遠鏡

 9月23日(火)
NGC 7027:枕惑星状星雲

この珍しい惑星状星雲を作ったものは何だろう? 

枕星雲(Pillow Nebula)また空飛ぶジュータン星雲(Flying Carpet Nebula)と呼ばれるこのNGC 7027は、既知の惑星状星雲の中で最も小さく、最も明るく、最も異常な形の惑星雲のひとつである。

そのNGC 7027の地球から見た膨張は、約600年前に初めて始まった。

このハッブル宇宙望遠鏡のイメージに青で示されているように、この惑星状星雲は、その歴史の大部分において、そのシェルを排き出してきた。

しかし、理由は分からないが、現代では、特定の方向にガスと茶色に見えるダストを放出し始め、四隅があるように見える新しいパターンをつくり出した。

星雲の中心に何があるのかは明らかでないが、ある仮説では、一方の星がもう一方の星を周回する不規則な円盤にガスを放出する、接近した連星システムであると考えられている。

約 3,000 光年離れた NGC 7027 は、 1878 年に初めて発見され、標準的な家庭の望遠鏡で、白鳥座 (はくちょう座) に向かって見ることができる。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

 9月22日(月)
NASAの分析によれば、太陽の活動が活発化している

太陽は歴史的な活動の小康状態に向かっているように見えたが、新しい調査によれば、この傾向は2008年に逆転した。

NASAの新しい研究では、太陽は2008年以降活発になっていることが明らかになった。太陽の活動は11年周期で変動することが知られているが、数十年続く可能性のある長期的な変動がある。好例として、1980年代以降、太陽の活動量は、活動が記録上最も弱かった2008年まで着実に減少していた。その時点で、科学者達は太陽が歴史的に活動の少ない時期に入ると予想していた。

しかしその後、太陽はその方向を逆転し活発になった。研究者達は、この傾向は、太陽の嵐、フレア、コロナ質量放出などの宇宙気象現象の増加につながる可能性があると言う。

太陽活動が最も早く記録されたのは、ガリレオを含む天文学者達が黒点を数え、その変化を記録した 1600 年代初頭に始まった。黒点は、磁力線の集中によって生成される太陽表面の相対的に冷たく暗い領域である。黒点のある地域は、放射線の強烈な爆発である太陽フレアや、太陽の表面から噴出して太陽系全体に縞模様を描く、巨大なプラズマの泡であるコロナ質量放出など、太陽活動の増加に関連していることが多い。

9月23日までに打ち上げられるNASAのIMAP(星間マッピングおよび加速探査機;Interstellar Mapping and Acceleration Probe)ミッションとカラザーズ・ジオコロナ観測所(Carruthers Geocorona Observatory)ミッション、および米国海洋大気庁のSWFO-L1(宇宙気象フォローオンラグランジュ1)ミッションは、月、火星、その先での将来の取り組みを推進するのに役立つ新しい宇宙気象調査と観測を提供する。

太陽活動は、太陽系全体の惑星の磁場に影響を与える。太陽から流れる荷電粒子の流れ、太陽風やその他の太陽活動が増加すると、太陽の影響が拡大して圧縮され、磁気圏は、地球を含む磁気核と磁場を持つ惑星の保護泡として働く。これらの保護泡は、太陽から太陽風で流れ出るプラズマのジェットから惑星を保護するために重要である。

人々が太陽活動を研究してきた何世紀の中で、最も静かな時期は、1645年から1715年までの30年間と、1790年から1830年までの4年間だった。長期的な傾向は予測可能性がはるかに低く、まだ完全には理解できていない。

2008年までの2年半の間に、黒点と太陽風は大幅に減少したために、研究者達は、2008年の「深い太陽極小期」が、太陽の最近の歴史の中で新たな歴史的な低活動期の始まりを示すと予想した。

しかし、その後、太陽風の減少傾向は終わり、以来、プラズマと磁場のパラメータは着実に増加している。

<ひとこと>: 記事は要約しています。

<出典>:  Jet Propulsion Laboratory

9月21日(日)
地中海を覆う靄

国際宇宙ステーションからのこの斜めの写真には、イタリアとフランスの谷からこぼれ、イタリア半島に沿って南に流れ落ちる靄が捉えられていた。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック。

<出典>: Earth Observatory Image of the Day

 9月20日(土)
北極海の海氷の薄化

海氷(Sea ice)とは、海に浮かぶ凍った海水のことである。この写真は、2022年7月21日に、NASAのガルフストリームV研究機から撮影されたもので、グリーンランド北部のリンカーン海の北極海の氷を示している。

このイメージは、2025年9月のNASAの今月の科学イメージである。NASA の科学ミッション総局は毎月、デスクトップの壁紙のダウンロードや、関連するトピック、アクティビティ、ゲームへのリンクを提供するイメージを特集している。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Monika Luabeya(著者名です)

 9月19日(金)
北極海の海氷、年間最低値を記録

NASAと米国雪氷データセンターによれば、北半球では夏の終わりが近づいており、9月10日に、北極圏の海氷の面積は年間最小に縮んだ。海氷の総面積は2008年と並んで、460万平方キロメートルで、記録上10番目に小さかった。冬が終わりに近づいている南半球では、南極の氷はまだ蓄積しているが、2016年以前に記録された氷のレベルと比較すると比較的低いままである。

極地の海を覆う氷の面積は季節によって変化する。寒い季節には海水が凍り、暖かい季節には溶ける。しかし、極地で氷が完全に消えることはない。北極海では、氷が覆う面積は通常、9月に年間最小値に達する。1978年に、NASAと米国海洋大気庁(NOAA)の科学者達が極地の海氷の追跡を開始して以来、地球の気温が上昇するにつれて海氷の面積は一般的に減少している。

今年の北極の海氷面積は過去最低を記録はしなかったが、減少傾向は一致している。

<ひとこと>: イメージのリンク先は動画 .mp4 です。

<出典>: James R. Riordon (著者名です)

 9月18日(木)
カムチャツカ地震の変位のマッピング

地質学者達は、干渉合成開口レーダー(interferometric synthetic aperture radar)を備えた衛星グループを使って、地震によって、地表がどの程度、どこに移動するかを検出することができる。

<参考>:
・ <中央右上> epicenter---震源地
     7月29日 マグニチュード 8.8
・ <中央左下>The satellite -----  
     衛星が、少し右・下方に動いたことを測定した地点

下部凡例---地面の移動量(メートル)

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Earth Observatory Image of the Day

 9月17日(水)
ジュノ、木星の4つの大きな衛星から、
最後に、行方不明のオーロラの兆候を検出

木星には、太陽系で最も明るく壮観なオーロラがある。極近くにあるこれらのきらめく光からは、木星が、木星の磁場に押し流された太陽風や月とどのように相互作用するかを垣間見ることができる。

地球のオーロラとは異なり、これら木星の大きな衛星達は、それらの大気中に独自のオーロラの特徴を作り出すが、これは、地球の月ではつくり出されない現象である。「衛星の足跡(satellite footprint)」として知られるこれらの月誘発のオーロラは、それぞれの月が局所的な宇宙環境とどのように相互作用するかを明らかにしている。

NASAのジュノミッションの前に、ガリレオ衛星として知られている木星の4つの大きな衛星の三つ、イオ、エウロパ、ガニメデが、これらの明確なオーロラの徴を生成することが示された。しかし、これらのガリレオ衛星の中で最も遠いカリストは謎のままであった。ハッブル宇宙望遠鏡を何度も使ったにもかかわらず、カリストの足跡は、微かであることと、オーロラが示される領域である明るい主オーロラ楕円の上にあることが多いために、とらえどころのないものであることが明らかだった。

2016年から木星を周回しているNASAのジュノミッションを通して、これらの極の光のショーを、前例のないクローズアップで見ることができる。しかしながら、カリストの足跡をイメージ化するには、極地を画像化している間、主なオーロラ楕円を脇に移動させる必要があり、磁場と粒子を調査するジュノの機器の武器庫を活用するには、宇宙船の軌道をカリストと木星を結ぶ磁力線を越えて運ばなければない。

これらの出来事は、2019 年 9 月にジュノが巨大惑星を 22 回周回したときに偶然発生し、カリストのオーロラの足跡が明らかになり、相互作用に関連する粒子の集団、電磁波、磁場のサンプルが得られた。

木星の磁場はこれら主要な衛星をはるかに超えて広がり、太陽から流れ込む太陽風に包まれ、衝撃を受ける広大な領域(磁気圏)を切り開いている。地球上の太陽の嵐がオーロラをより南の緯度に押し動かすのと同様に、木星のオーロラも太陽活動の影響を受ける。2019年9月、巨大で高密度の太陽流が木星の磁気圏を襲い、オーロラの楕円が木星の赤道に向かって移動し、カリストに関連するかすかではあるが明確な徴しが一時的に現れた。この発見により、ガリレオの4つの衛星すべてが木星の大気に痕跡を残すこと、およびカリストの跡が兄弟の足跡とよく似ていることが最終的に確認され、ガリレオの月のオーロラの特徴の、その家族の肖像画が完成した。

<ひとこと>: 二つのイメージは同じものです。大判はイメージのリンクから。

<出典>: NASA Science Editorial Team

 9月16日(火)
<前書き>: 7月29日、カムチャッカ半島付近を震源とする大きな地震が発生し、日本にも大きな津波の脅威をもたらしました。

最近、NASAのジェット推進研究所の記事として、宇宙からの、このような地震による津波の検出に関する分析が報じられました。
なお、参考までに、右上のイメージは、8月11日に本サイトに掲載した 同種の記事のイメージの一つです。

 

NASAの津波探知技術がリアルタイムで波を捉える

7月下旬にロシア沖で発生した大地震とそれに続く津波では、前日に重要なコンポーネントを配備した、実験的検出システムをテストした。

NASAの科学者達は、ロシアのカムチャツカ半島沖でのマグニチュード8.8の地震が引き起こした最近の津波は、大気の上層に圧力波を送ったと報告した。津波は広範囲に被害をもたらさなかったが、南カリフォルニアにある同庁のジェット推進研究所で開発中の探知システムの初期テストができた。

ジェット推進研究所の開発者の1人であるカミーユ・マーティレ氏は、ガーディアン(GUARDIAN:GNSS Upper Atmospheric Real-time Disaster Information and Alert Network)と呼ばれるこの実験技術は「十分に機能した」と語った。このシステムは、地震発生後わずか 20 分以内に大気の歪みにフラグを立て、対象分野の専門家達に通知を発した。現地時間7月29日には、ハワイや太平洋を渡る場所に波が上陸する約30〜40分前に津波が接近する兆候を確認した。

ガーディアンからのほぼリアルタイムの出力は、津波の兆候を特定するための訓練を受けた専門家達によって解釈されなければならない。しかし、すでにこの種の監視ツールとしては最速のものの1つであり、データを受信してから約10分以内に、上層大気に到達する津波の轟音のスナップショットを生成できる。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Jet Propulsion Laboratory

 9月15日(月)
NGC 1309: 有用な渦巻銀河

この銀河は美しいだけではなく有用である。

この約1億光年離れたゴージャスな渦巻NGC 1309はエリダヌス座の近くにある。

NGC 1309 は約 30,000 光年にまたがっており、より大きなミルキウェイ銀河の約 3 分の 1 の大きさである。 その青みがかった若い星達の集団とダストレーンは、NGC 1309の渦巻の腕をたどり、その中心にある古い黄色がかった星の集団の周りを曲がりくねっている。

NGC 1309の最近の2つの超新星と複数の セフェイド変光星(Cepheid variable stars) の観測は、単なる美しい表面の渦巻銀河ではなく、宇宙の膨張の調整に貢献している。

この美しい銀河の壮大なデザインを乗り越えた後は、ハッブル宇宙望遠鏡からのこの鮮明なイメージにも記録されている、より遠くの背景の銀河達の配列をチェックしよう。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

 9月14日(日)
トラペジューム:オリオンの中心部

オリオンの中心には何があるのだろう?

トラペジューム( 不等辺四辺形または台形):この鋭い宇宙の肖像画の中心近くにある4つの明るい星達。

半径約1.5光年の領域内に集まったこれらの星達は、密度の高いオリオン星雲の、星団の中心を支配している。

トラペジュームの星達からの紫外線電離放射、主に最も明るい星シータ1オリオンCからの紫外線は、複雑な星形成領域の可視光の輝き全体に力を与えている。

約300万年前のオリオン星雲グループは、若い頃はさらにコンパクトであり、力学的な研究は、それより早い時代の暴走した恒星の衝突が太陽の100倍以上の質量 を持つブラックホールを形成した可能性があることを示している 。

星団内にブラックホールが存在することは、観測された台形の星達の高速を説明できる可能性がある。

オリオン星雲の距離は約1,500光年、地球に最も近いブラックホール候補の1つとなっている。 

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

 9月13日(土)
NGC 7331における超新星2025rbs

昔、5000万光年離れた銀河で、星が爆発した。

しかし、その超新星からの光は7月14日に地球上の望遠鏡によって初めて検出され、この銀河系外の過渡現象は、現在、天文学者達には超新星2025rbsとして知られている。

現在、地球の空で最も明るい超新星である2025rbsはIa型超新星であり、連星システムのコンパニオンの星から物質を降着させた白色矮星の熱核爆発によって引き起こされたと思われる。

Ia型超新星は、宇宙の距離のスケールを確立するための標準的な尺度として使用される。

2025rbsの主銀河はNGC 7331である。

ペガサス座の北の明るい渦巻銀河であるNGC 7331は、ミルキウェイ銀河に類似しているとして、よく宣伝されている。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>: Astronomy Picture of the Day

 9月12日(金)
新しい第2世代気象衛星 MetOp、最初のデータを送り返す
(ヨーロッパ宇宙機関)

最初の MetOp 第 2 世代気象衛星である MetOp-SG-A1 が打上げられてから 3 週間も経たないうちに、この注目すべき新しい衛星はすでに 2 つの最先端機器からのデータの送信を開始しており、今後何が起こるかを垣間見ることができる。

MetOp 第 2 世代 (MetOp-SG) ミッションは、第 1 世代 MetOp 衛星の実証済みの成功に基づいて構築されており、世界の天気予報と気象監視のための重要なデータの流れを確保すると同時に、性能と解像度の大幅な進歩をもたらしている。

極端かつ予測不能な気象現象がより頻繁になるにつれて、正確でタイムリーな予報が、かつてないほど重要になっている。極軌道から動作するMetOp-SG衛星は、気象予測モデルを強化し、地球の気候変動についての理解を深めるために必要な重要なデータを提供する。

このミッションは、3 つの連続した衛星のペアで構成され、各ペアは A 型衛星と B 型衛星で構成され、幅広い観測を捉えるための補完的な機器を搭載している。

このミッションは、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)と Eumetsat の長年にわたる協力の成果であり、ESAは衛星の設計と開発を担当し、Eumetsatは打上げサービス、地上セグメントの開発、衛星の運用、気象コミュニティへのデータ配信を管理する。

8月13日にフランス領ギアナからアリアン6ロケットに搭載されて打ち上げられた衛星は、現在、厳格な試運転段階にかけられている。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Observing the Earth

 9月11日(木)
塵のベールに隠された初期宇宙の巨大ブラックホール
(すばる望遠鏡)

ビッグバンから 10 億年に満たない初期宇宙で、これまで見逃されてきた「塵に隠れた巨大ブラックホール」が発見されました。愛媛大学や国立天文台の研究者を含む国際研究チームは、すばる望遠鏡で見つけた銀河をジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で追観測し、銀河の中心で物質を飲み込みながら輝く「クェーサー」として現れる巨大ブラックホールの存在を確認しました。初期宇宙でこれほど明るいクェーサーが塵に覆われたまま見つかったのは世界で初めてです。この成果から、初期宇宙には明るいクェーサーが従来の予想の2倍以上存在することが明らかになりました。

研究の背景
ビッグバンから 138 億年が経過した現在の宇宙では、ほとんどすべての銀河の中心に巨大なブラックホールが存在することが知られています。これらは太陽の 100 万倍以上の質量をもち、大半の時間は静かに潜んでいますが、周囲の物質を飲み込みはじめると強烈な光を放ち、「クェーサー」と呼ばれる天体になります。クェーサーの光は、銀河内のガスや塵を吹き飛ばし、銀河の成長や進化に大きな影響を及ぼすことが知られています。銀河の進化は宇宙の進化と直結しています。したがって、巨大ブラックホールを理解しなければ、宇宙の成り立ちと歴史を正しく知ることはできません。

しかし、この宇宙の不可欠要素である巨大ブラックホールがどのように誕生したのかは、いまだ大きな謎です。少なくともビッグバンから 10 億年後の宇宙には多数の巨大ブラックホールが観測されているため、その起源はさらに過去、「宇宙の夜明け」と呼ばれる初期宇宙にあると考えられています。その誕生メカニズムを解き明かす鍵は、巨大ブラックホールの数です。数が多いほど、宇宙のありふれた場所とメカニズムで次々と誕生したはずです。その有力な候補は、「宇宙の一番星」と呼ばれる初代星の死です。一方、数が少ない場合は、特殊でまれな環境下でしか起こらないようなメカニズムが示唆されます。例えば、巨大な物質の塊が自身の重力で崩壊し、ブラックホールに変わっていくという理論が提案されています。

<ひとこと>: 以下は「すばる望遠鏡」のページ(下記)から直接ご覧ください。

<出典>: すばる望遠鏡

 9月10日(水)
カリスト:汚れたボロボロのアイスボール

その表面は太陽系で最もクレータが密集しているが、その中には何があるのだろう?

木星の衛星カリストは、水星よりも大きな、汚れた氷の、ボロボロの球である。

1990年代と2000年代にNASAのガリレオ宇宙船が訪れたが、最近再加工されたこの目を引くイメージは、1979年にNASAのボイジャー2号がフライバイしたときのものである。

この月は、何年にもわたるインパクトによって作られた明るい色の砕けた表面の氷のタペストリーがなければ、更に暗く見えていただろう。

カリストの内部には、液体の水の内部の層がある可能性があり、一層興味深い。

この潜在的な地下の海は、姉妹衛星であるエウロパやガニメデと同様に、生命が宿る候補地でもある。

カリストは地球の月よりわずかに大きいが、氷の含有量が高いために質量はわずかに小さい。

現在、ヨーロッパ宇宙機関のJUICEと、NASAのエウロパ・クリッパー・ミッションが、木星最大の衛星を更に調査するために木星に向かっている。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>:  Astronomy Picture of the Day

 9月9日(火)
「いぶきGW」(GOSAT-GW)搭載
高性能マイクロ波放射計3(AMSR3)の初期観測結果

2025年(令和7年)9月5日
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

温室効果ガス・水循環観測技術衛星「いぶきGW」(GOSAT-GW)は、2025年6月29日に打上げられた後、7月20日には観測軌道へ投入され、搭載センサの一つである「高性能マイクロ波放射計3(AMSR3)」のアンテナ部を、定常観測に向けて1分間に40回転の速度で回転させ、8月11日から、初期機能確認運用の一環として観測を行っています。

高性能マイクロ波放射計(AMSR)シリーズは、地表や海面、大気などから自然に放射または散乱される微弱なマイクロ波を観測するセンサであり、海面水温や降水量など水に係るさまざまな物理量を推定できることから、地球上の水循環・気候変動の把握に加え、気象予報、漁業(水産業)、船舶の航行支援等の幅広い分野に貢献します。AMSR3は、2002年打上げの米国Aqua衛星搭載のAMSR-E、2012年打上げの「しずく」(GCOM-W)搭載のAMSR2等の観測を継承するとともに、新たに5つの観測チャネルを追加しています。

AMSR2を含むこれまでのマイクロ波放射計では高緯度の降雪観測に課題がありましたが、AMSR3で新たに追加された165.5~183.3 GHz帯の観測チャネルにより、地球温暖化に伴う環境変化の把握に重要な要素の一つである、高緯度帯を含む全球規模の降水(降雨・降雪)全容を詳細に推定することが可能になります。さらに、これらのチャネルは日々の気象予報において重要な、高度別の水蒸気情報も提供できることから、豪雨や台風の範囲・進路・盛衰の予測精度向上が期待されます。また、温度分解能を向上しノイズを低減した観測チャネルを10 GHz帯に追加したことで、漁業(水産業)で活用されている海面水温について、より高い空間解像度の海面水温を安定して作成できるようになります。

<ひとこと>: 大判イメージ含む詳細は下記 JAXA のページから。

<出典>: JAXA

 9月8日(月)
北米西部で夏の暑さが残る

高気圧が長引いたために、ブリティッシュコロンビアと太平洋岸北西部で、9月の異常に暖かい気温がもたらされた。

<ひとこと>: 日本だけでなく、北米西部太平洋岸も、摂氏35~40度の高温に見舞われているようです。

<出典>: <出典>:  Earth Observatory Image of the Day

 9月7日(日)
太陽のS字形噴出
(Space Weather News:9月6日の記事から)

太陽に「S」が見えるとき、通常は、何かが爆発しようとしていることを意味する。9月4日、NASAの太陽ダイナミクス天文台(SDO)は、教科書のようなS字形噴出(sigmoid eruption)を記録した。

研究者達は、太陽の大気中のS字構造(sigmoid)が強い爆発の前兆であることを長い間知っていた。それらの磁力線は、しなやかに優美にねじれている。十分な緊張が蓄積されると、それらは爆発的にねじれを解く。

このS字構造は、長さ700,000 km を超える黒いプラズマのプルーム(噴煙)を宇宙に投げ込んだ。プルームが暗いのは、強力なCMEを生成できる2つの性質、内部のプラズマが比較的冷たく密度が高いためである。

爆発によるコロナ質量噴出(CME)が、地球に向かって直接投げ出された。

NOAAとNASAのモデルは、9月7日に地球に到達すると予想している。この衝突は、月食中に高緯度のオーロラが見える、G1からG2クラスの地磁気の嵐を引き起こす可能性がある。

<参考>: 国立天文台のほしぞら情報(2025年9月) から。
皆既月食(2025年9月):日本全域で見られるのは約3年ぶり
9月8日に、2022年11月8日以来、約3年ぶりに日本全国で皆既月食が見られます。今回は、9月7日の夕方に昇った満月が、8日に日付が変わった1時27分に欠け始めます。完全に月が地球の影に入る皆既は、2時30分から3時53分まで、その後4時57分に部分食が終わります。深夜から未明にかけての天体現象となりますが、赤銅色(しゃくどういろ)に輝く月を楽しんでみましょう。食の経過時刻は、どの場所で見ても同じです。

<ひとこと>: 国立天文台の記事は参考までに挙げたものです。太陽面爆発(CME)の流れが地球の日本の夜に到来するかどうかは分かりませんし、またオーロラは日本で見ることは難しいでしょう。この記事は太陽面のS字型爆発とその鮮明なイメージ(動画)をご紹介する目的で取り上げたものです。
イメージのリンク先は動画 .gif です。

<出典>:  Space Weather News

 9月6日(土)
月への旅

1969年7月、宇宙飛行士のニール・アームストロングとバズ・オルドリンは、人類として初めて月面を歩いた。現在、NASAとアルテミス協定を結ぶ国際パートナーは、人類をそこに送り返し滞在することに取り組んでいる。特に宇宙は人間にとって非常に居心地の悪い場所であり、この旅行は困難なものになるだろう。予期せぬ危険の源の1つは太陽である。

このアニメーションは、2024年5月に地球の磁気圏が過去約20年間で最強の地球空間の嵐に襲われるというMAGEモデルによるシミュレーションを示している。太陽の気象によって引き起こされるこれらの嵐は、将来のミッション中で、月に向かう途中や、月の表面で活動する宇宙飛行士達を、危険にさらす可能性がある。

<ひとこと>: イメージのリンク先は動画 .gif です。

<出典>: Nicholas Oakes(著者名です)

 9月5日(金)
海洋衛星のデータで植物の生産性をマッピング

<イメージの説明>: NASAの衛星データによる植物の生産性のマップをつくる新しいツールが、暑さ、干ばつ、寒波、その他のストレスによって脅かされている作物について、土地管理者達に早期の警告を提供している。

NASAの科学者達は、成長期を通して、さまざまな条件下で植物の成長を監視するための新しいツールのセットを開発した。土地管理者達がこれらのツールを使用して、植物の生産性の急激な低下を検出し、熱ストレス、干ばつ、寒波などの事象に早期に対応できることが期待されている。生産性、即ち植物が光合成を通してエネルギーをどれだけ効率的に生産しているかを監視することは、生態系を維持し、豊かな生物の多様性を維持し、信頼性の高い食料生産を確保するために不可欠である。

山岳地帯、熱帯林、ツンドラ、農地など、世界中の様々な生態系が多種多様な植生を支えている。研究者達は、これまで、NASA のテラ(Terra)衛星やアクア(Aqua)衛星に搭載された中解像度画像分光放射計 (MODIS) などの機器を使って地球の生態系を監視し、MODIS が検出する光合成に関連する特定の波長を分析してきた。7月10日に発表された研究では、科学者達は、NASAのプランクトン・エアロゾル・クラウド・海洋生態系(PACE)衛星に搭載された海洋カラー機器(OCI)に目を向け、2024年3月から9月までの期間を観測することで、この新しいデータが季節を通して植物の生産性について何を教えてくれるかを調べた。

NASAは、2024年2月に、海洋と大気の健全性を評価するためにPACEを打ち上げた。以来、地球科学者達は、この研究者達に対して、陸上で収集されたデータに、衛星の機器を使用するよう勧めている。MODISと比較して、OCIは植物から反射する光の範囲をはるかに広範囲に捉えており、全体的により多くのデータを収集する。新しい監視ツールはOCIのデータに依存しており、年間を通じて生産性をより明確に把握することができる。 <ひとこと>: イメージのリンク先は動画 .gif です。

<出典>:  James Riordon(著者名です)

 9月4日(木)
恒星のジェットの衝撃波で歪められた原始惑星系円盤
(ALMA:国立天文台)

アルマ望遠鏡の観測データを解析することで、若い恒星からのジェットが生み出した衝撃波によって形がゆがめられた原始惑星系円盤が発見されました。惑星が誕生する現場は、予想以上に過酷なのかもしれないことを示唆する知見です。

恒星は分子雲のガスが重力で集まることによって誕生します。その際、落下するガスは回転しながら星に落ち込むため、恒星の周りには原始惑星系円盤と呼ばれる回転円盤が形成され、その中で塵(ちり)やガスが集まり最終的に惑星が形成されます。ただし、ガスの多くは恒星へは落下せず、ジェットなどの形で放出されて再び分子雲へ戻っていくことが知られています。このジェットや分子雲、円盤がどのように影響し合っているかについては、これまで詳細には知られていませんでした。

茨城大学の研究者を中心とする研究チームは、へびつかい座方向にある原始惑星系円盤を持つ若い恒星WSB 52に着目し、アルマ望遠鏡が観測したデータを再解析しました。その結果、円盤の近くに急激に膨張する泡状の構造(バブル)があること、バブルが恒星の近くで衝撃波面を作って円盤をゆがめていること、そして円盤の一部のガスが衝撃波によって吹き飛ばされていることが明らかになりました。このような膨張するバブルは他の恒星の周辺でも見つかっていましたが、円盤とバブルの衝突が見つかったのは初めてのことです。

--- 以下略。

<ひとこと>: 大判を含む詳細はヘッドラインから。

<出典>: ALMA:国立天文台

 9月3日(水)
1997年と2021年の北極圏永久凍土の範囲

新たに発表された第35回気候状況報告書によれば、気象の危機が深刻化する中で、2024年は過去最高を記録した。ヨーロッパ宇宙機関の気候変動イニシアチブからの土壌の水分、湖面温度、永久凍土、地表温度、成層圏オゾンなどのデータ記録が、報告書の調査結果を裏付けるのに役った。

このアニメーションは、北極の永久凍土の、1997 年と 2021 年の違いを示している。北極の永久凍土には、約17,000億トンの凍結および融解中の炭素が貯蔵されている。人為的な温暖化は、未知の量のこの炭素を大気中に放出し、永久凍土-炭素フィードバックとして総称されるプロセスで気候に影響を与える恐れがある。永久凍土が急速に融解することもあるが、科学者達は、フィードバックループの観点からのこれらの突然の融解が、何を意味するのか分かっていない。

<ひとこと>: イメージのリンク先は動画 .gif です。

<出典>:  Week in images (ESA)

 9月2日(火)
史上、太陽に最も近いイメージ

誰もが太陽を見ている。しかし、誰もそこに行ったことがない。

しかし、2018年から、NASAは、初めて太陽に近い領域を調査するために、ロボットパーカー太陽探査機(PSP)を打上げた。

この注目のタイムラプスビデオは、12月に、その人工の宇宙船が太陽に最も接近し、太陽の高温の表面から太陽の直径の約5倍まで接近して、太陽シールドの背後から横を向いて周回した様子を示している。

探査機の広域画像装置(Wide Field Imager for Solar Probe (WISPR) カメラ)は、これらのイメージを、 7 時間かけて撮影したが、ここでは約 5 秒にデジタル圧縮されている。

コロナ質量放出 (CME) を含め、太陽のコロナが前例のない詳細でここに見ることができ、星が背景の遠くを通過している。

太陽は地球の主要なエネルギー源であるだけでなく、その変化する太陽風は、地球の大気を圧縮し、オーロラを引き起こし、電力網に影響を与え、軌道上の通信衛星に損傷を与える可能性さえもある。

<ひとこと>: イメージのリンク先は、ごく短い動画 .mp4 です。

<出  典>: Astronomy Picture of the Day

 9月1日(月)
北極の上空に宇宙のハリケーン発表される

宇宙のハリケーンは本物である。 ハリケーンシーズンはさらに悪化した。中国の研究者達が宇宙の端に新しい種類の嵐を発見した。彼らはそれを「宇宙のハリケーン(space hurricane)」と呼んでいる。

<イメージの説明>: 宇宙ハリケーンの構造。
最初の既知の例は、2014年8月20日に国防気象衛星(DMSP)のイメージに現れた。荷電粒子の巨大な渦巻きが北極の上空に現れた。静かに回転するそれは、螺旋状の腕とオーロラの光で輝く穏やかな「目」を持つ地球のハリケーンのような形をしていた。この出来事の詳細な研究は、2025年7月号のSpace Weatherに掲載されている。

オーロラに精通したオーロラ追跡者達は、オーロラを捕まえるのに最適な時期は惑星間磁場 (IMF:interplanetary magnetic field) が南に傾いているときであることを知っている。これによって地球の磁気圏に穴が開き、太陽風が侵入できるようになる。我々は惑星間磁場が北に傾いて扉を閉ざす時を無視しがちである。しかしながら、研究によると、それはまさに宇宙のハリケーンが形成される時期である。

宇宙のハリケーンはステルス性があり、従来の宇宙の気象予報の指標がほとんど関心がないことを示しているときに現れる。

予報士達への注意:すべての嵐が太陽から来るわけではない。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>: Space Weather News


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